僕達のパワー
奈々子さんと涼子さんは取っ組み合いの喧嘩になり、僕は奈々子さんを羽交い締めにして止めて、もう一方の涼子さんは斎藤さんが涼子さんを羽交い締めにして、止めた。
「涼子、今日という今日は許さないんだから」
「何を言っているのよこの負け犬が」
「離せよアツジ、この女に目に物を見せてやりたいんだから」
「離しなさいよ翔子、この女に身の程を知らしめてやるんだから」
そして僕と斎藤さんはそれぞれ羽交い締めにして落ち着いたところで僕達はそれぞれ二人を離した。とりあえずカラオケ屋から出て、僕達は約束通り、クレープを奈々子さんからおごって貰う約束だが、僕と斎藤さんは遠慮した。
「何よあっ君に翔子、奈々子にクレープをおごって貰わなくて良いの?」
涼子さんは嫌味にも程がある。この店のクレープの一番高い物を選んでいた。奈々子さんは悔しそうにそれに半べそまでかいている。そんな奈々子さんを面白がっている涼子さん。これは僕達の仲でいじめが起きてしまう。何とかしないといけないな。こんな事ならカラオケなんて行くんじゃなかったかもしれない。
涼子さんは悪い癖で奈々子さんに良く難癖をつけたりしている。ライバル関係とは言え、それはやり過ぎなんじゃないかと僕は思っている。
とりあえず数分の時間が経って、涼子さんも奈々子さんも落ち着いてくれた。そして帰ったら勉強だ。僕も三人と同じく都立の安い進学校に行くつもりだ。僕はまだ四人とバカをやっていたい、みんなとやる勉強や小説にバンドなどを続けていたい。
僕達が行く高校は都立の両国高校だ。文豪の芥川龍之介が通っていた学校である。これは気合いを入れて頑張るしかないな。でも光さんはこのままいつも通り一時間勉強していれば大丈夫だと言っていたが、光さんは油断は禁物という言葉に僕達の心は熱くなれる。
「よし、気分転換はここまで、これから四人で勉強をするよ」
と僕が言うと三人は熱くなっていた。
僕達はこの炎天下で図書館に向かった。図書館は冷房が効いていて凄く快適な場所だった。図書館に行くともちろん、図書館の女神様事光さんはいる。
「あら、あなた達、カラオケはどうだった」
そう言われると、先ほどの奈々子さんと涼子さんの喧嘩があり、僕と斎藤さんは複雑な顔をしていた。
「楽しくなかったの?」
光さんは僕達の表情を見て、そういう。
そこで涼子さんが「楽しかったですよ。特に奈々子の音痴な声が聴けて」
「何よもう」
そう言いながら奈々子さんが涼子さんに飛びかかろうとすると僕と斎藤さんが止めに入る。
「どうしたのよ。あなた達」
そういう光さんに僕は三人に聞こえないように事情を説明した。する光さんはため息をこぼして言う。すると光さんは険しい顔をして涼子さんと奈々子さんを見つめた。すると恐れをなした奈々子さんと涼子さんだった。さすがは光さんだ。そう言えば僕は光さんがどのような人生を送ってきたのか知らない。
薄々感じていたが光さんは心に大きな傷を持っていると僕は思っている。だって親もいないし、それに施設にも通わずにいつも図書館の司書のバイトをしている。そんな光さんにいったいどんな苦しみがあるのか僕は分からなかった。
でもいつか差し支えなければ聞いてみたいと思っている。光さんはどんな人生を送ってきたのか、それに光さんは僕達に気を付き合わせる事はないほど強い女性だった。僕が図書館に行ったとき僕は思ったんだ。この人綺麗で優しい人なんだなあと。でも怒ると本当に怖いことを僕と奈々子さんと涼子さんと斎藤さんは知っている。だから光さんをあまり怒らせる事はしてはいけないと僕達は思っている。
でも光さんが怒ることと言ったら、本当に悪いことをしたことに対してだ。以前、光さんは奈々子さんを叱ったことがあった。それは赤子を拾って、それが世話が出来なくなり、それでその赤子を施設に送り込まざるを得なかった事に、怒っていたっけ。あの時の光さんは本当に怖かった。
そんな事を考えていると、ここは図書館で冷房が効いているのにも関わらず、奈々子さんと涼子さんは闘志を燃やす尽くすように互いにぶつかり合い、熱を放出させながら勉強をしていた。僕と斎藤さんもそのすさまじい熱にあやかりながら勉強を始めた。
本当に手が止まらないどうして二人はそこまで熱を放出できるのかは、お互いにライバル同士だからである。勉強を終わらせて、今度は小説に移る。奈々子さんと涼子さんの熱を感じながら僕と斎藤さんは小説に励んだ。
小説を書くのもすさまじかった。とにかく書くキーボードがお互いに止まらない。凄いタイピングだ。僕も斎藤さんも続くように二人の熱を感じながら小説を進めていった。小説が終わって二人は語りだす。
「やるわね奈々子」
にやりと笑いながら涼子さんは言う。
「そっちこそ」
と奈々子さんも同じようににやりと笑っていた。
本当にこの二人は仲が良いのか悪いのか分からないが、先ほどの事はあまり気にしていない様子だった。ここで小説のアクセス回数を見ることにする。僕が二千五百アクセスぐらいで、奈々子さんが二千回で、涼子さんも二千回だった、そして凄いのが斎藤さんであって四千回数を超えていた。
「翔子、相変わらず凄いね」
「そんなことないよ。みんなの小説も見せて貰っているけれども、みんなの小説も面白いよ」
「またまた謙遜しちゃって、もっと私達が燃えるように誇りなさいよ」
斎藤さんは優しい人だ。いつも僕達に遠慮している。でも涼子さんの意見もモットーなのかもしれない。斎藤さんがもっと自分をアピールすれば僕達もやる気が出るのに。ちなみに光さんのネット小説のアクセス回数を見てみると八千を超えていた。さすがは光さん。僕達はどうすれば光さんのようにそんな八千を超えるような小説がかけるのか。
それに僕達が書いた小説に何通か感想が書かれている。それを読んでみると、書く意欲が増してくるほど、凄く褒めていてくれる。本当に僕達の小説は面白いんだ。凄いやる気に満ちてくる。
もっと小説を書いていたいが、今日の所はこれぐらいにして、バンドの練習に入った。それに桃子も学校から帰ってきて、光さんもバンドに参加してくれた。特に今日は奈々子さんと涼子さんがすさまじく気合いが入っていた。涼子さんのドラムさばきはまるでX JAPANのヨシキのようなドラムさばきであった。それに奈々子さんのギターの弾き方は、十六ビートと三十二ビートを掛け合わせた激しいサウンドを弾いていた。
そのドラムとギターが拮抗してまさにぶつかり合い、完全にドラムとギターは激しいセッションをなしていた。この二人はまさにライバル同士。僕と斎藤さんも続くように僕はベースで斎藤さんはエレキギターで対抗した。
だが、僕と斎藤さんではもはや二人についていけない感じで、それで僕と斎藤さんは心に火がついて、二人のリズムに乗ることが出来た。僕達四人は一つになっていた。凄いこれが僕達のパワーなんだ。するとキーボードの光さんが入ってきて、こちらも凄いキーボードのビートを繰り広げている。それに桃子もラララと音程を合わせながら、僕達六人は一つになっていた。
僕達の情熱はまさに一つになっている。僕達はこの熱で勉強や小説を頑張ってきた。その熱が僕達を熱くさせ一つになったとき、すさまじい力を発揮することが出来る。僕達はまた何かのコンクールに出場を果たしたいが光さんが「あなた達は受験生でしょ」と言われて却下となった。




