燃える僕達
桃子と光さんが作ってくれた麻婆豆腐をいただき、僕達は早速勉強を三十分、小説を三十分やって小説のアクセス回数を見た。僕が二千で奈々子さんは二千で涼子さんは二千で斎藤さんが相変わらず凄く三千であった。斎藤さんまた腕を上げたみたいだ。でも今度は負けはしないと僕は燃え上がっていた。
今日の勉強は光さんも桃子も付き合ってくれた。ちなみに光さんのアクセス回数は五千を超えている。僕が目指しているのは光さんだった。さすがは図書館の女神様だ。僕達にはとうに勝てない訳だ。そして早速バンドの練習をする事となった。
一度それぞれ楽器を持って図書館のスタジオに向かおうとしたらあいにくの雨だった。しかも土砂降りでこのまま楽器を持って出かける事は出来なかった。雨が降り、何か憂鬱な気分に染まいがちだが、僕達は仕方がなく家で自主トレと言うことになってしまった。
「桃子も光さんも今日は僕と涼子さんの家に泊まって行きなよ」
「じゃあ、うちはそうするよ。光さんはどうする?」
「私もそうすることにするかな」
初めて僕と涼子さんの家に泊まる光さん。何か新鮮に思えてきた。スタジオに行けなかったのは残念だが、こうしてみんなとイメトレをしているのも悪くはない。そして午後十時頃になって、明日の新聞配達のために眠ることになった。光さんと桃子の分の布団を考えてはいなかった。だから仕方なく僕と桃子と涼子さんが一つの布団に入って、もう一つは斎藤さんと奈々子さんと光さんが使うことになった。
桃子は甘えん坊で僕と久しぶりに眠ることが嬉しいのか僕に抱きつきながら眠りに入った。そう言えば桃子は僕が気分が萎えているとこうして僕の布団に入ってきて励ましてくれたっけ。
そして午前三時になり、僕達が起きると、光さんが朝ご飯を作ってくれていた。
「みんな、朝ご飯が出来たわよ」
僕が体を起こそうとすると桃子は僕に絡みつくように眠っていた。
こんな時間に桃子を起こすわけにはいかないので、僕はそっと桃子を引き剥がして、桃子を寝かせた。眠る桃子の顔を見ていると、本当に桃子は健やかな眠りについている。本当に桃子はかわいいな。
「ほら、そこの妹に欲情しているあっ君、そろそろご飯を食べて新聞配達に出かけるわよ」
「別に欲情しているわけじゃないよ。桃子はかわいいと思っただけよ」
「それを欲情と言うのよ」
とんでもないことを言う涼子さんだ。
でもとにかく新聞配達に出かけなくてはいけない。雨は上がっていた。それに新聞配達の仕事に出かけると、丁度、空が明るくなってきている。そろそろ夏だ。またみんなと一緒に勉強やら小説やらバンドなんかを楽しんでいきたいと思っている。
新聞配達は今日は僕と涼子さんと組むことになり、もう一方は奈々子さんと斎藤さんが組むことになってしまった。今日こそ奈々子さんに勝ってやると意気込む。僕は負けるわけにはいかない。
そして新聞配達の仕事を終わって帰ってみると、奈々子さん達はすでにいた。
「また、奈々子さんに負けてしまったよ。悔しい」
僕が悔しそうにしていると奈々子さんは、
「あたしが新聞配達の仕事のコツを教えてあげたのに、何をやっているのよ」
と笑われてしまった。
くそっ今度こそは勝ってやる。僕はもう負けるわけにはいかない。そうだこれからが勝負だ。僕達はいったん、僕と涼子さんの家に向かって勉強アンド小説とバンドの練習では負けていられないと思って、意気込む。
僕と涼子さんの家に戻ると、桃子と光さんは勉強をしていた。
「桃子と光さん、帰ったんじゃないかったの?」
時計を見ると午前七時を示している。
「桃子、そろそろ学校に行かないとまずいんじゃないか?」
「あと三十分、うちもみんなには負けていられないから」
桃子は光さんの熱にあやかりながら勉強していたみたいだ。さすがは都内の進学校に行けるだけの事はある。
僕達四人も光さんと桃子の熱にあやかりながら勉強を始める。勉強はそろそろ高校の範囲に入っても良いんじゃないかと思うが、光さんは高校で習うことは高校で学んだ方が良いと言われたのでそうすることにした。
光さんは図書館の司書のバイトに向かい、桃子は学校へと行った。わずか三十分でも三時間分の勉強をしたことになった僕達であった。光さんや奈々子さんに出会わなければ僕はこんなにも嫌いな勉強に身なんて入らなかった。本当に僕は自立をして、行きたい学校への資金も稼いである。新聞配達は大変だけどゲーム感覚で僕達はやっているので、楽しい。
僕達も学校に行く時間だ。学校では先生の無駄な話が多いため僕は先生の目を盗んで、ベースの練習をしている。一番僕にとって自習の時間がありがたいと思っている。勉強も楽しいけれど、楽器の練習はもっと楽しい。もっとうまくなりたいと僕は思っている。
学校が終わって今日は土曜日で給食もなく、帰るのが早い時間だ。僕達四人はそれぞれのクラスの掃除を終わらせて校門に集合となっている。校門に行くと、涼子さんも奈々子さんも斎藤さんもすでに校門の前で待っていた。
そして僕達は僕と涼子さんの家に行きそこで勉強を三十分小説を三十分進めて、図書館に向かった。図書館に到着すると、光さんと桃子は待ってましたと言わんばかりに僕達を見つめる。
「みんなもそろった事だし始めましょうか?」
僕達はそれぞれの楽器を持って、X JAPANのフォーエバーラブを弾いた。この曲を書いたヨシキって人はどんな恋愛をしていたのか、凄く聞いていて弾いてみると涙が止まらなくなってしまう。
それとX JAPANのセイエニシングも弾いた。練習の成果が物語っている、このまま弾いているだけのバンドではなく今度は人前で歌いたい物だ。
「光さん。またバンドコンテストみたいなイベントはないの?」
僕が聞いてみると「さあ、それは山ほどあるけれど、どれも強者ばかりだよ」
その強者ばかりという台詞に僕達は燃え始めた。
「じゃあ、その強者相手に僕達が頑張れば良いことじゃないか」
大言壮語な事を言ってしまった僕達であった。
「私達みたいなプロを目指すバンドは五万といるから、練習してプロになれるとは限らないよ」
「プロかあ、何て良い響きなんだろう!」
僕は胸がときめいてしまう。
そこで涼子さんが「あっ君それぐらいにしておくんだね。また体調を崩して寝込むことになるわよ」
そうだった。以前僕は勉強や小説にバンドをやって体調を崩してしまったのだ。それに新聞配達の仕事だってある。
「今日はもうこれぐらいにしておこうか」
そう言って僕は椅子にドカッと座って大きな息を吐いた。
「少し休憩したら新聞配達の仕事に出かけようよ」
そうだ。僕達にはゆとりを持つ時間も大事だと思って、バンドはX JAPANのフォーエバーラブとセイエニシングを完コピ出来たんだから。
バンドは一時間で止めて本来二時間みっちりやることもないだろう。僕達は新聞配達の時間まで図書館に置いてある漫画を読んでいた。漫画を見ることもゆとりにもなるし小説の勉強にもなるから一石二鳥って感じだ。
やっぱりHUNTER×HUNTERやドラゴンボールは何度見ても面白い。そんな面白い物を見て、内容をちょっと捻ってパクるのも良いと僕は思っている。僕達の小説のアクセス回数は平均して二千だ。でも光さんは五千を超えている。試しに僕はまだ時間があるので光さんのネット小説を見せて貰うことにした。




