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恋人はライバル関係  作者: 柴田盟
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曲作りもして涼子さんとデート

 その光さんが僕達に提供したコンテストは二ヶ月後の事だった。それにコンクールに出場するにはオリジナルの曲を一曲作らないといけないみたいだ。光さんが言うには曲を作るには才能が求められると言っていた。それに僕達は曲など作ったことがないし、作り方も知らないので光さんに曲の作り方を教えて貰った。


 今日はゴールデンウィークの初日、ゴールデンウィークは新聞配達も学校もない。この五日間で曲を作るにはちょっと時間がかかってしまうかもしれない。でも曲は光さんが言っていたが曲を作ることはちょっとした才能を求められるが簡単だと言っていた。


 とにかく鼻歌でも良いから思いついたメロディーを奏でてそれに歌詞を乗せれば良いとのこと。勉強中でも小説を書くことでもお風呂に入っているときでも、食事をしているときでも、曲が思いついたらすぐに忘れないように録音機で呟くように曲を奏でれば良いと言っている。


 光さんが言うには曲はまともな感覚からでは良い曲は出来ないと言っている。まともな感覚では出来ないって、それって何か変人にでもなれと言っているのか?と光さんに聞いてみるとその通りだと言っていた。


 そして僕達はこのゴールデンウィークを有意義に使うために勉強しているときでも小説を書いているときでも、お風呂や食事をしているときでも光さんにそれぞれ渡された録音機を使って曲を鼻歌で奏でている。


 そして僕はお風呂に入っているとき閃いた。素っ裸でお風呂から出たものだから、涼子さん達にキャーと言われた。


「何をやっているのよ。あっ君」


「曲が閃いたんだよ」


「だからって素っ裸じゃない」


 改めて自分の姿を見てみると、大事な所も隠さずに、お風呂から出て、女性達の前でそれをさらしてしまった事に気がついて、僕は慌てて、お風呂の脱衣所に行き、服を着た。こうなるならば、いっそのこと録音機をお風呂場に置いておけば良かったかもしれない。


 そして録音機に僕が閃いた曲を鼻歌で歌って録音をした。


「アツジも必死みたいだね」


 と奈々子さんが言う。


「じゃあ、こうしよう、ゴールデンウィークが終わるまでに、誰が一番良い曲を作れるか勝負しよう」


「受けて立とうじゃない」


 と奈々子さんは燃えている。いや燃えているのは奈々子さんだけじゃない涼子さんも斎藤さんも燃えている。ゴールデンウィーク中でも図書館はやっているため、僕達はそこで二時間みっちり練習しながらそれぞれ曲作りに励んだ。


 曲は出来ても、問題の歌詞はどうするか?


 歌詞かあ?これも光さんが言っていたが、歌詞を思いつくのも曲を作ることと同じでまともな感覚からでは出来ないと言っていた。


 スタジオで練習して、僕は白い付箋が記されたノートを見つめながら、歌詞作りに励んだが、何も出てこない。歌詞って言ったって何をテーマにすれば良いのか僕には分からない。


 そこで思いついたのが、音楽で誰かの為にやれるなら良いと思って、歌詞を描いてみた。最初は良いと思ったが改めて読み返してみると、あまり良い歌詞は浮かばない。僕はそこで思いついたんだ、歌詞でそれに良い曲をつけてやれば、誰かの心に鼓舞できるような曲を作れるんじゃないかと僕は思った。


 誰かの為に鼓舞できるような歌詞ってどんな物だろうと僕は悩ませられる。光さんは言っていたがインスピレーションは気まぐれに頭に降ってくるような物で、三十分で出来る歌詞もあれば、一ヶ月、長くて一年費やす事もあると言っていた。そして僕達はこのゴールデンウィーク中に曲を作りたいと思っている。


 歌詞かあ、そこで僕は音楽プレーヤーを手に取り曲を耳につけて聞いてみた。僕達が大好きでコピーしたセカオワのRPGやドラゴンナイトなどを流した。本当に良い曲だ。良く本当にこんな良い曲が作れるなんてSEKAI NO OWARIは天才だなと思った。


 すると何だろう曲が浮かんで来た。それをすかさず録音機に鼻歌でメロディーを奏でて見た。何だろう良い歌詞が出来そうな気がする。その鼻歌でメロディーにした曲を早速ギターで奏でた。よし何か良い曲が出来そうな気がする。


 そしてメロディーを奏でてみると、歌詞が思いついて早速歌にした。


『この悲しみの歌を聴いて立ち上がれ、仲間の元へと届け、君は一人じゃない


さあ立ち上がるのさ、その涙を拭って、そして駆け出すのさ、見えない未来に向かって


だから僕は歌うんだ。悲しみを知った僕は悲しみを笑顔に出来る方法を知っている。


それは未来に向かって笑う事なんだ。君の涙は美しい翡翠の様に・・・』


 そして僕は一つの歌を作ることが出来た。何か自分の歌を歌っていると自分に鼓舞しているように思えてくる。もしかしたら、この歌を聴いてくれた人に元気を与えられる様な気がしてきた。


 そこで三人が現れて僕は三人の前で僕の歌を披露した。すると三人は涙を流していた。


「凄いよあっ君、あっ君にこんな才能があるなんて」


 涼子さんは涙を流しながら拍手をして訴えかける。


「悔しいけれど、ここはアツジの曲に決まりみたいね」


「本当に凄いです感動しました」


 奈々子さんも斎藤さんも拍手をしながら、涙を流している。


 僕は嬉しかった。僕にこんな才能があるなんて、だって毎日伊達に小説を書いているわけじゃないんだからな。もしかしたら才能があるのは僕だけじゃないかもしれない。涼子さんや奈々子さんに斎藤さんだって小説のアクセス回数が千以上も超えているのだから。


 とにかくこの曲を一つの僕達のバンドで奏でたいと僕は思っている。曲が出来てからが大変なのかもしれない。


 光さんに僕の曲を聴いて貰って大好評だった。


 光さんに僕が作った曲をテープで渡すと後は私に任せてと言って、今日の所はいつものセカオワのRPGを改めて演奏して終わりになった。時計は午後二時を示している。バンドの練習をもっとしたいが、あいにくスタジオは二時間までとなっている。


 そこで僕は時間を有効に使うために、勉強と小説をやろうとしたところ、涼子さんが奈々子さんと斎藤さんの隙を狙って、僕をさらうように手を引いて走った。


「ちょっと涼子さん、どこに行くつもり?」


「もちろんデートに決まっているじゃん」


「デートってどこに行くの?」


「映画でも見に行こうよ」


 涼子さんは新聞配達の時に余った映画のチケットを手にしている。

 映画は新海誠の天気の子を見ることになった。

 斎藤さんも奈々子さんも連れて行ってあげたかったが、今は僕、涼子さんと付き合っている。だからたまには良いかと思って映画館に行って、チケットを渡して入ることになった。




 映画が終わって僕は天気の子を見て泣いてしまった。同じく涼子さんも泣いている。本当に良い物語であった。


 時計は午後五時を示している。そろそろ帰った方が良いんじゃないかと思ったら、涼子さんは僕とお茶がしたいと言うことで、この辺のスタバに行ってお茶することになった。


「実を言うとさあ、あっ君の曲を聴いて私は感化されちゃってあっ君をデートに誘いたくなったんだ」


「そんなに僕が作った曲良かった?」


「本当に良かったよ。あっ君はどんな気持ちで書いたかは知らないけれど、まるで私の為に作ってくれた曲の様な感じがしたからね」


「そういうつもりで書いた訳じゃないけれど、とにかくお褒めいただいて良かったと思っているよ」


「あっ君は本当の悲しみを知っている人なんだなあ、と私は思ったよ」


「そうだよ。本当の悲しみは本当の独りぼっちになって自分自身を見失ったら最後だと思っている。もしかしたらあの曲は涼子さんをイメージして作ったのかもしれない」


「そうなんだ」

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