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恋人はライバル関係  作者: 柴田盟
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夢はでかい方が良い

 それぞれベースとエレキギターとバッチを借りることになって、今日は勉強と小説を少し進めてお開きになった。


 時計は午後七時を向かえている。早速桃子と光さんは僕達に提供するご飯を作るために買い出しに行った。いつも桃子と光さんには申し訳なく思ってしまう。


 僕達四人は僕と涼子さんの家に行き、光さんと桃子が帰ってくるまで楽器の練習をしていた。エレキギターはアンプにつながらなくても音が出る。けれども僕のベースは音を奏でても低い音がボーンとなるだけで、これで本当に練習できるのか不安になってきた。ちなみに涼子さんは光さんに言われたとおり枕と座布団で練習していた。


 さらに僕と涼子さんは光さんに言われたとおり、ベースとドラムはしっかりあっていないといけないので、僕は座布団と枕で練習している涼子さんのドラムもどきに合わせた。エレキギターで奈々子さんと斎藤さんは弾き語りをしている。その弾き語りを元に僕と涼子さんは続くように合わせた。でもあっているのかどうか分からない状況だ。


 そんな練習をしている最中、桃子と光さんは買い物から帰ってきた。


「早速みんな練習しているね」


「光さん。練習って言ったって、僕と涼子さんは練習になっているのかどうか分かりませんよ」


「とにかくイメージトレーニングも大事だよ。あまり面白く無いかもしれないけれど、さすがにここでアンプとドラムを設置して鳴らしたら、近所迷惑になるでしょ」


 じゃあ、僕と涼子さんはスタジオに向かって音を鳴らさなくてはならないことになる。


「四人ともギターをやっていたんだから、その成果はドラムにもベースにも影響が出ると思うわ」


「そういう物なんですか?」


「そういう物よ」


 と光さんは豪語して言う。


 本当にこんなんで上達するのが不安になってきた。


「さてあなた達は楽器の練習でもしていなさい。私と桃子ちゃんが料理を作っている間に」


 そう言われて僕と涼子さんと光さんが基礎的な事を練習した。

 僕は枕や座布団で練習している涼子さんの音に合わせてベースを弾いた。これだったら奈々子さんと斎藤さんがやっているエレキギターにした方が良かったかもしれない。


 まあこれで良いのか分からないが、とにかく練習しないと上達はしない。だから僕達は練習をする。


 そして晩ご飯が出来上がった。今日は桃子と光さん特製ハンバーグであった。桃子と光さん特製ハンバーグはおいしいからテンションが上がってしまった。


 食事の時光さんは言っていた。プロになるには一日八時間以上は練習しないといけないと。僕達はそんな時間を費やすほど出来ないと思っていた。でも大勢の観客の前で演奏するって凄く気持ちが良いんだろうな。僕達だけでバンドを組んでプロを目指すのも良いかもしれない。でも僕には小説兼絵師の夢がある。でもバンドでデビューするのも良いかもしれない。


 光さんは言っていたが僕達には無限の可能性があると言っていた。世の中勉強や小説だけじゃ無い。もしくは絵師でも。バンドという夢だって捨てがたい。何かそう思うと胸の底から熱い物が感じられて気持ちが高ぶった。


 光さんと桃子特製ハンバーグを食べて僕達は三十分くらい勉強して小説を書き、それからバンドの練習をした。凄いバンドを組んだ事でまた僕達は新たなる発見をしたような感じだった。


 さらに光さんは言っていたが、僕達は夢を見る若者であって欲しいと言っている。そうやって色々な事をやって、立派な大人になって欲しいと光さんは言う。って言うか光さんもまだ今年で十七歳だ、光さんだって夢を見る少女だ。


 そして奈々子さんも斎藤さんも僕と涼子さんの家に泊まることになって、バンドの練習はそれなりに出来た感じがした。

 朝起きて午前三時を示していた。台所から音がすると思って見て見ると、涼子さんが僕達の朝ご飯を作っていた。


「涼子さん、そんなに無理しなくても大丈夫なのに」


「何を言っているのよ、これぐらい私にもさせなさいよ」


 いつもの平和な日々が始まろうとしている。本当に平和な毎日を送っている。最近、僕達を脅かすトラブルもなく本当に平和だ。まあ、ちょっと前、奈々子さんと別れて涼子さんと僕は付き合うことになったけれども、それでも奈々子さんも涼子さんも斎藤さんもいつもの様に勉強や小説に最近なんかはバンドの練習などしている。


 そして新聞配達の仕事も僕達はそつなくこなしている。新聞配達所に向かい、今日は僕と涼子さんが組むことになり、斎藤さんと奈々子さんが組むことになった。場所はいつもの団地だ。


「ねえ、あっ君、今度私達だけで、デートに出かけない?」


 そう言えば僕達は付き合ってから、二人だけでデートに出かけたことがなかった。だから良いよと言って、涼子さんは嬉しそうにしている。僕は涼子さんの事をもっとよく知りたい。彼女は何を思い僕を好きになったのかを。


 そんなことを考えながら仕事をしていると、今日は奈々子さんと斎藤さんチームに負けてしまった。また今日もいつものように学校が始まる。そして学校が始まるまで僕達は勉強を少々、小説をさらさら書いてバンドの練習をした。何かバンドの練習の時間の方が短く感じてしまうのはなぜか?本当の受験生がバンドの練習などしている場合じゃないのにはまってしまったんじゃしょうがないか。


 僕達は武道館でライブをしている。観客達が僕達の演奏に虜になっている。


「ドラム、涼子」


 ボーカルの桃子が言う。すると涼子さんはすさまじいドラムさばきで観客を魅了している。

「次にベース、アツジ」


 何をすれば良いのだろうと思ってベースを弾いてみると、見事にベースを弾くことが出来た。

 

 そうだ僕達はバンドを組んでようやくここまで来れたのだ。後は目指すは東京ドームだけだ。


 僕がマイク越しに向かって言う。


「みんな、盛り上がっているかい?」


 と言うと僕はそう言いながら夢から覚めた様だ。しかも授業中に、そして先生にお叱りを受けた。


 でも本当に良い夢であった。僕達が目指すのはまさに武道館ライブ。何か気持ちが高ぶってきた。


 学校が終わって僕達は早速それぞれの楽器を持って図書館に向かった。そこには図書館の女神様である光さんがいた。


「いや待っていたよあなた達。何かあなた達凄くやる気に満ちているね。その調子だよ」


 僕達の背中を叩く光さん。


 そして光さんは楽譜を持ってきてくれた。今日はセカオワのRPGであり、それぞれコピーされた物を受け取った。楽譜の読み方は簡単だった。これに従ってやれば僕達はやがて武道館ライブを決行できると確信してしまう。


「よーし、みんな武道館目指して頑張ろう」


 と僕が拳を掲げて言うと、みんなシーンとしてしまった。その静寂を打ち破るように奈々子さんは、「何を言っているの?世の中そんなに甘いわけがないじゃない」と言われて、僕は激しく心が萎えた。


 そこで光さんが「あっ君の言う通りよ、夢はでかくなくてはいけないわ。武道館ライブ楽しみじゃない」


 奈々子さんが「光さんまで何を言っているんですか?世の中そんなに甘くはないよ」


「甘いかそうでないかはあなた達と私にかかっているわよ」


 涼子さんが「良いじゃない目標は高いほど燃えるよ」


 そうだ。燃えるよ。僕と涼子さんは恋人兼ライバル同士であり、斎藤さんと奈々子さんは友達兼ライバル同士だ。僕達はそれぞれの熱をぶつけ合いながら進んでいけば良いのだと思っている。


 そうだ。夢はでかい方が良い。

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