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恋人はライバル関係  作者: 柴田盟
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バンドを組んでテンションを上げる僕達

 光さんが僕達にバンドを組まないかと言っている。


「バンド?面白そうじゃない」


 涼子さんは瞳を輝かせながら言う。


「バンドって、僕達受験生ですよ」


「あなた達は少し勉強していけば、どこの学校も入れるわよ。それだけの勉強をしてきたんだから」


 光さんは言う。確かに僕達はどこの学校も入れるぐらいの勉強をしてきた。でも僕達は受験生だからと言って、まだ春だし、本腰を入れる時期では無いような気がしてきて、バンドを組むのも良いのかもしれない。


 そこで僕が「バンドって機材はどこにあるんですか?」


「ちょっとみんな、こっち来て」


 と光さんに言われて図書館のロビーに行き、そこの隅にスタジオがあった。


「ここの施設にこんな場所があったなんて」


 スタジオには隅にドラムがあり、収納にエレキギターが数本とベースが数本にキーボードなどがあった。


 僕達はその光景を見て心が高揚した。早速涼子さんはドラムに座ってバッチを手に取り適当にドラムを叩いた。


「私はドラムがやりたい」


 と涼子さんは申し出た。


「じゃあ、ドラムは涼子ちゃんに決定ね、誰かドラムをやりたい人はいない?」


 と光さんに聞かれて、ドラムは涼子さんに決定してしまった。ドラムに決定した涼子さんはドラムを思い切り叩いて、テンションを上げていた。しかもドラムの音は凄くうるさい。それにしても西宮さんはドラムを叩くのは初めてじゃないようなドラムさばきだった。


「ベースはドラムの涼子ちゃんと仲の良いあっ君なんかどうかな?ベースはドラムの音と合わせるのが基本だから」


「ベースとドラムどうやって合わせるんですか?」


「まだあなた達は未経験者だから、まずは上達する所から始めないとね」


 すると光さんは収納から大きなアンプを二台持ってきて、それをエレキギターとベースにそれを繋ぐコードの様な物をシールドと言うのか、それに繋げてエレキギターをかき鳴らした。するとドラムに負けないくらいの大きな音がして、僕はテンションが上がってしまった。良くミュージシャンが使うのはこういう本格的な物だと言うことに僕の胸は高まった。


 僕はエレキギターをやりたかったが、奈々子さんがやりたそうにしていたから僕は譲った。ベースもシールドでアンプに繋ぎ、音を奏でた。すると大きな低い音が出てきて僕のテンションは上がった。


「光さん、ベースは何の役割をするんですか?」


「あっ君良い質問ね、ベースはバンド全体の音のバランスを組み立てる物よ」


 このベースで音のバランスを奏でるのか、何か気持ちが高鳴って来た。でも僕はベースを弾いたことは無い。それはもう練習次第だろう。僕は財布にしまってあるピックを取り出して、ベースの練習をしたが、どうやって練習するのか戸惑った。


 ベースとドラムは音の要だから、ベースとドラムが下手っぴなバンドは下手っぴだと光さんは言う。じゃあ、最初に何を練習すれば良いのか聞いてみると、光さんは僕と涼子さんに基本的な事を教わり、まずはベースとドラムが合うように、簡単な奏法で合わせた。何か単純な作業で単調な音だが楽器も勉強も基礎が大事だから、まずは涼子さんと基礎を固めることにする。


 そしてエレキギターの奈々子さんも光さんの指導で基礎的な事を学んでいる。

 僕はどちらかと言うとギターの方をやりたかったが仕方が無いだろう。光さんは僕と涼子さんが付き合っているから、涼子さんがドラムをやりたいなら、ドラムに合わせなければならないベースに決められたのだろう。


 ドラムとベースの単調なセッションを続けているうちに何か得たいのしれないテンションが上がってきた。凄いこれがバンドの醍醐味か?この調子でいけば、いつか東京ドームを満員になるんじゃないかと思うのは極端な考え方だが、世の中そんなに甘くはないがバンドを組んで良かったと思えた。


 さすがは図書館の女神様の光さんだ。僕達にこんな素晴らしい物を教えてくれるなんて凄く嬉しい。


「明日、楽譜を持ってくるから、それでみんなと練習しましょう」


 と光さんは言う。


 明日からバンドの練習か!何かテンションが激しく上がった。


 そして僕はベースギターを借り、奈々子さんがエレキギターを借りた。ドラムを借りることは出来ないので涼子さんは光さんにバッチを借りることになった。バッチを借りてそれを座布団なんかを叩いて足の練習にもすると良いと言われたみたいだ。とりあえず基本的な事を練習すると良いと言われ、僕達はとりあえず、基本的な事を練習するように光さんに基礎をそれぞれ教わった。ちなみにキーボードは光さんがやるみたいだ。


 とりあえず決まったのが僕がベースで涼子さんがドラムで、斎藤さんと奈々子さんがエレキギターでキーボードが光さんだ。


「ボーカルはどうするんですか?」


 僕が聞いてみると、光さんは桃子を抜擢した。以前僕達が知らないうちに、桃子と光さんはカラオケに行ったことがあると言っていた。その時桃子の才能を知ったみたいだ。桃子は歌が上手だと。


 時計を見ると、正午を示していた。図書館の入り口は商店街に隣接している。その商店街で軽くご飯を食べようとみんなで賛成すると、光さんはおいしいラーメン屋さんがあると言っていたのでそこに行くことになった。しかも光さんのおごりでだ。そして桃子も光さんの携帯で呼び、桃子も今図書館に向かっているみたいだ。


 桃子も光さんに良くラーメンをおごって貰っているらしい。僕は光さんに桃子にいつも良くしてくれてありがとうと言って置いた。光さんは桃子といると、何か得たいのしれないやる気に満ちて、勉強のレポートが捗ると言っていた。


 そして桃子がやってきて、桃子も光さんにラーメンをおごって貰う事になった。ラーメン屋は綺麗な外観にとてもおいしそうな匂いが食欲をそそる。早速光さんは食券を買って、僕達はカウンター席に並んで座った。


「私達がバンドを組むなんて凄く楽しそう」


 涼子さんは言う。


「えっ!?お兄ちゃん達バンドを組むの?」


 桃子がそう言って光さんが「そうよ。桃子ちゃんにはボーカルを担当して貰うことにしたから」


「えーそんな事聞いていないわよ」


「桃子ちゃん、歌うまかったじゃない。だから私が桃子ちゃんをボーカルにしようとしているんだけれども」


「でも、楽しそうだけれども、うち、勉強もしないといけないから」


「大丈夫よ。桃子ちゃん。私が責任もって桃子ちゃんの勉強をサポートしてあげるから」


「本当ですか?光さん」


「ええ、本当よ」


「じゃあ、桃子もバンドに入ろうかな!」


 ちょっと強引すぎる様な気がするが桃子は良いと言っているのでそれでよしとした。一応桃子はともかく僕達も受験生なんだよな。本当はこんな事をしている場合じゃ無いけれど、まだ、受験まで時間がたくさんある。


 ラーメンは本当においしかった。光さんはまたおごってくれると言っていたが、光さんお金大丈夫なのかな?図書館の司書のバイトってそんなに儲かる物なのかな?光さん僕達の為に何か無理していないかちょっと心配だった。


 それに光さんは僕と奈々子さんが別れることになって、奈々子さんは光さんの家に住んでいると言っている。その事で経済面は大丈夫なのかと聞いてみたかったが僕には聞く勇気が無かった。でも奈々子さんは新聞配達の仕事をしているので、生活面では少し余裕があるかもしれない。


 僕と西宮さんの生活費は新聞配達の仕事で何とかやっていける。それに勉強だって塾に行かなくても、僕達はやる気オーラ全開で勉強しているから大丈夫だとは思うんだけれども、とにかく油断は大敵だ。


 それにバンドを組んで僕達は心が凄く高揚していた。

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