テンション高めな僕達
僕達はいつもの四人で学校に向かった。僕は奈々子さんに嫌われた訳じゃ無いことに僕はテンションが上がっていた。何か自転車で空を登るような気がするほどの高揚感に浸っていた。
「斎藤さんに奈々子さんに涼子さん、先行っちゃうよ」
と僕はテンションが高いせいか?全速力で自転車をこいだ。
「あっ君、はしゃぎすぎだよ。何か良いことでもあったの?」
確かに涼子さんの言うとおり良いことはあった。それは奈々子さんに嫌われていないことだった。心の広い涼子さんならその事を言っても問題は無いかもしれない。でもその事は黙って置いた方が良いかもしれないな。
学校に到着して僕達はそれぞれのクラスに行った。涼子さんと付き合っている事を知っている安井にガン飛ばされたが、別に何も問題は無いとシカトしていた。今日もいつも通り学校の勉強に勤しんでいた。
学校の勉強は何か無駄が多い様な気がしている。それは仕方が無いことだ。先生も余計な雑談をしていないで勉強に勤しめるほどの事をした方が良いような気がしてくる。
そろそろ暖かくなってきて桜の季節も終わろうとしている。来年桜が咲く頃には僕達は卒業を余儀なくされてしまう。後一年か、こうして四人でバカをやっていられるのは。そう思うと何か切なくなってしまうが、終わりというものは当たり前のように来るものだから仕方が無いことかもしれない。
僕は光さんと出会うまでは一人で物事をする事が好きだった。勉強も一人でやっていたし、その頃は趣味はなく、でもこうして奈々子さんと出会い、涼子さんや斎藤さんにも出会うことが出来た。みんなといると何か何でも楽しい感じがする。
学校が終わって、新聞配達まで時間があるので、僕達は勉強に勤しんだ。
三人のやる気オーラを感じて僕はそれにあやかり勉強が進む。
そしていつものように新聞配達の仕事が始まる。仕事も楽しいし、勉強も楽しい。僕は凄く幸せな人生を送っているんだなと思った。
奈々子さんは僕のことを嫌っているわけではないし、涼子さんとはまだ付き合って一週間が経ってお互いのことを知ろうとしている。斎藤さんはいつも涼子さんの後についている。
新聞配達の仕事が終わると、今日は僕は涼子さんと組むことになり、斎藤さんと奈々子さんに勝つことが出来て、いつものようにジュースをおごって貰った。本当に仕事も楽しい。
そして僕と涼子さんの家に戻ると、桃子はギターを弾いていて、光さんもギターを弾いていた。
「ギターか、桃子貸してごらん」
桃子はまだギターを始めたばかりで、まだ弾ききれていない。
僕は桃子のギターでSEKAI NO OWARIのRPGを弾き語った。奈々子さんも光さんにギターを借りて僕と並んで同じ曲を弾き語った。
「凄いね二人とも、ギターが弾けるなんて」
涼子さんと斎藤さんはが嫉妬の眼差しで僕達の弾き語りを見ていた。
そこで「光さんは、これからお弁当を持って、錦糸町で弾き語りをしない?」
そう言えば奈々子さんと付き合い始めた頃、良く笹森君と麻美ちゃんと僕と奈々子さんと光さんで弾き語りに行っていたっけ。そう言えば、笹森君と麻美ちゃんは元気にしているか光さんに聞いてみたところ、元気にやっていると僕と奈々子さんは聞いて、良かったとばかりに笑い合った。
ギターは全部で二本、僕と光さんでセカオワのRPGを歌った。
それを弾き語っている僕と光さんを見て、涼子さんも斎藤さんも弾き語りをしたいと言うのでまずは練習として、ギターのコードを覚える事に熱中した。
「あっ君と奈々子、良くそんなにコードを自在に操ることが出来るよね」
「斎藤さんも涼子さんも慣れれば弾けるようになるよ」
錦糸町の町は夜でも人で賑わっている。
僕がギターを弾いて奈々子さんと桃子は二人で歌っている。
錦糸町の町を歩く人は時々僕達の演奏を見てお金を置いていく人も何人かいた。
本当に歌は良い、でも僕達には勉強があるが、まあ今日の所は良いだろう。勉強なんていつだって出来る。こうして仲間達との交流も深めた方が良いと思っている。
ネオンがきらびやかに光る錦糸町、その行き交う人達に歌を聴かせている。
歌の力は凄いな、演奏している僕も感化され僕も歌い出した。
「痛っ、コードなんて弾けないよ」
西宮さんは悔しそうにギターを練習して、弦の押さえすぎか?指に痛々しそうに皮がむけている。僕だって久しぶりのギターを弾いているから、指が痛い。でも弾いている僕はそれを凌駕して楽しい気持ちの方が強くなっている。
道行く人は時々、足を止めて僕達の演奏に心を奪われて、聴きとめている人もいた。
僕と奈々子さんと桃子は必死に歌っている。光さんは涼子さんと斎藤さんにギターの弾き方を教えている。
僕もギターを始めた時のことを・・・あの時は必死に練習したっけ、それから奈々子さんと付き合うことになった。
今は西宮さんと付き合っているが、西宮さんはあまり僕に本心をぶつけていないような感じがしている。
ギターを弾いている僕達の所に光さんはやってきて、「そろそろお開きにしましょう」と言ってきて時計を見ると九時半を示していた。楽しい時を過ごす時間はなぜか早く感じてしまう。もっとギターを弾いていたいがそれは仕方が無い。
僕と涼子さんの家に戻り僕達四人は今日は僕と涼子さんの家に泊まることになった。いつも思うことだが女の子って凄く良い匂いがする。
それよりも奈々子さんは気まずくないのか、実を言うと僕は非常に気まずい。でも奈々子さんはそんな事を気にせずに布団は二枚しか無いが涼子さんと僕で一つ使い、斎藤さんと奈々子さんで一つ使っている。
まあ、僕と奈々子さんは付き合っている仲だから、一緒に布団に入って明日の新聞配達の時間まで眠ることになった。
そして目覚ましが鳴り、涼子さんは僕達よりも先に起きて朝ご飯を作っている。
朝ご飯はトーストにスクランブルエッグにサラダにベーコンエッグだった。それはもうみんなおいしくいただいている。それぞれシャワーを浴びて僕達は新聞配達の仕事に出かけて行った。
新聞配達所に到着すると、今日は奈々子さんと僕で、西宮さんと斎藤さんが組むことになっていた。奈々子さんと新聞配達をやるのは少し気まずいが、以前ほどの気まずさは無い。そして新聞配達の仕事が始まると、僕と奈々子さんは自転車をこいで、新聞配達に出かけていった。
いつもの団地で、僕達は仕事に専念した。
奈々子さんは明るく「じゃあ、アツジとっとと終わらせて、涼子と翔子にジュースでもおごって貰おうよ」となぜかテンションが高かった。
僕と奈々子さんはあっという間に団地を制覇して、新聞を配り終えた。僕達が請け負う団地は、いつもやっていることだからもう慣れている。この団地は僕と涼子さんと斎藤さんと奈々子さんの管轄地域になっている。
そして仕事が終わって、僕達四人は僕と涼子さんの家に戻る。
勉強している傍ら、涼子さんと斎藤さんは勉強に勤しまず、ギターの練習をしていた。
そこで奈々子さんが「ちょっとあなた達うるさいわよ!」
「だって、あっ君も奈々子もギターが弾けるのでしょ、私達だけ弾けないなんて何か悔しいよ」
二人は必死にギターの練習をしている。だから僕と奈々子さんもそれに付き合うことにした。
「ちょっと涼子に翔子、手がこんなになるまで練習していたの?」
涼子さんと斎藤さんの手を見てみると、弦を押さえる手が皮がはけている。
「涼子に翔子、無理は禁物よ、今日の所はそれくらいにしておきなさいよ」
涼子さんと斎藤さんは悔しそうに奈々子さんの言うとおりにしてくれた。




