表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋人はライバル関係  作者: 柴田盟
101/207

無償の愛

 あれから二ヶ月、桜の季節となり、僕達は光さんに誘われてお花見を堪能していた。本当に綺麗な桜だ。桃子も受験に成功して、春から進学校に行くつもりらしい。受験中にも関わらず桃子は毎日僕達の料理を光さんと共に作ってくれた。なのに合格してしまうなんて凄いと思った。


 お花見のお弁当は桃子と光さん特性の物だった。僕は特に唐揚げが好きで唐揚げばかりを食べていると、奈々子さんにアツジ唐揚げばかり食べないで他のも食べなさいよと言われてしまった。別に良いじゃないか何を食べたって。


 僕達は今年から受験勉強に移る。奈々子さんは僕と同じ通信制の絵に関する学校に行くことが決まっている。だったらそんなに勉強しなくても良いのではないかと言われたが、僕は最近西宮さんや斎藤さんに感化されて勉強が楽しくなってしまった。僕の成績は音楽と体育を抜けばすべて五だった。さらに奈々子さんは美術以外はすべてオール五だった。西宮さんと斎藤さんはすべてオール五だった。


 あれだけ勉強したんだもんな。勉強はあまり好きでは無かったけれど、こうして結果が伴ってくると勉強も楽しくなってしまう。


 桜の季節か、こうして桜を眺めてみると悪くはないな。むしろ凄く今が楽しい。それと西宮さんと斎藤さんはどこか学費の安い進学校を目指していると言っている。成績がすべて五なら、どこの高校も受かるだろう。


 こうしてライバル同士でいられるのも後一年か、そう思うとなぜか切なくなってしまう。西宮さんには相変わらずに僕にアプローチをしてくるが、僕には恋人の奈々子さんがいると言って、避けているけれどね。


 実を言うと西宮さんも魅力的な女性だと思っている。彼女は公衆便所に産み捨てられても、そんな事を気にせずに前向きになっている姿は何とも輝かしいと思っている。斎藤さんも両親を事故で亡くしたにも関わらずにそう言った不幸な事実を語って不幸自慢などをしたりはしない。奈々子さんも両親を亡くしたのだが、西宮さんと斎藤さんと同じようにいつもツンツンしているがそう言った事実を喋ったりはしない。


 三人に比べると僕は親も妹もいるのだから幸せな方だと思っている。それに親は帰ってきたければいつでも帰ってきなさいと言われている。


 何てみんなと色々と語りながら、お花見をしていると、何か視線を感じて、その視線の矛先は光さんだった。光さんと目が合うと、光さんは僕ににっこりと笑ってくれて、心臓が飛び出してきそうな程の衝撃にさらされた。


「ど、どうしたんですか?光さん!」


「いや、本当にあっ君は成長したなと思って、見ていたの」


 僕がこうしていられるのは光さんのおかげなんだよな。光さんがテレビで、夏休みが終わる前日に学校が行きたくないなら、図書館においでよと言う言葉に誘われて僕は学校をサボって図書館に行って、漫画を読ませて貰ったんだよな。さらに奈々子さんと出会い恋人兼ライバル同士になり、そして学校に行けるようになり、安井のいじめにも遭わなくなって、西宮さんと斎藤さんとも出会い、二人とも友達兼ライバル同士になったんだよな。


 そして僕達は勉強するときは闘志を燃やし合い、勉強や小説に絵などを勉強できるようになったんだよな。今思うと楽しい毎日を送っていると思っている。あれから半年ぐらいは経つが本当に楽しい毎日を送っていると僕は思っている。


 僕は桜を眺めて思う、次の季節の桜を見る頃にはみんな卒業して、それぞれの道を歩むのだろう。そう思うと何かやっぱり切なくなってしまう。


「奈々子さん。とにかくこれからだよね」


「何、どうしたの急に」


「いや何となく」


 そうそう小説のアクセス回数は僕達は千を超してしまった。これも光さんの言うとおり、ドラゴンボールを見てその面白さを学んだから、達成できた物だと僕は思っている。


 本当に光さんには世話になりすぎている。いつかお礼を込めて光さんを喜ばせるような事をしてあげたいと思っている。光さんの好きな物と言ったら、この前西宮さんと斎藤さんが取ってきたぬいぐるみが好きみたいだ。でもぬいぐるみ何かじゃ光さんを喜ばせる事は出来ると思うがそれだけではお礼の意を込めてあげることには埋められない。


「光さんが今、欲しいものって何ですか?」


 と僕は思いきって言ってみた。


「欲しいものか、とりあえず、奈々子ちゃんやあっ君や西宮さんと斎藤さんと桃子ちゃんが幸せであったら良いなと思っている。それは私が望んでいることだからね」


 それは欲しいものでは無く願いだ。どうやら光さんは僕が図書館に来てくれたことがとても嬉しかったんだと思う。


 光さんはいつも無償の愛で僕達に協力をしている。何で光さんはそんな無償の愛で僕達に尽くすことが出来るのか不思議に思ってしまう。


 だったら僕達も光さんの事を無償の愛で何かをしてあげたい。受験が始まる前に光さんを喜ばせたい。でも光さんはいつもニコニコしていて、時には厳しい面もあるけれど、すべて無償の愛で僕達に接している。


 その事を奈々子さんと西宮さんと斎藤さんに相談したら、それもそうだと言って、光さんに無償の愛で何かをしてあげたいと思っている。


 無償の愛かあ、豊川先生に以前聞いたことがある。無償の愛ほど凄い物は無いと言っていたっけ。そう言えば光さん豊川先生にヌードモデルをしていたときがあったっけ。あれにはびっくりさせられる。


 じゃあ、光さんをモデルにした、光さんの絵を描いてあげたら良いのかもしれない。


 いやとにかく今は光さん達とお花見を堪能しようと思った。


 お花見は終わって、今日は日曜の午後だ。新聞配達の仕事は無い。その分僕達は僕と奈々子さんの家で西宮さんと斎藤さんを連れて勉強会の始まりであった。相変わらずに三人の熱を感じながらやっているとやる気に満ちている。


 これも後一年経ったら終わってしまうんだろうな。でも僕には恋人兼ライバル同士の奈々子さんがいる。でも友達兼ライバル関係の西宮さんと斎藤さんは都立の進学校に行ってしまうのだろう。お別れの事を思うと、何か切なくなってしまう。


 きっとこの一年アッという間に過ぎてしまうのだろう。三人の熱にあやかりながら勉強をしていると本当に楽しく勉強が出来て僕は楽しかった。


 これからは勉強も大事だけど絵と小説に力を注いで頑張るしかない。今、僕と奈々子さんは絵の勉強をしている。


 僕はその時思いついてしまったんだ。光さんの絵を描いて光さんにそれを渡すのはどうだろうと、そんな事を思っていると光さんと桃子が夕食を作りにやってきた。


「四人ともしっかり勉強している?」


 と光さんが言って、僕は光さんに一言言いたかった。

 でもなぜか言えなかった。僕はいつも光さんが僕達にどうして料理を提供できるのか聞いてみたかったけれど、なぜか言えなかった。これも光さんの無償の愛なのだろう。その無償の愛はどこからやってくるのか不思議に思えてきた。


 だから僕は思いきって言った。


「光さん。光さんはどうして僕達に無償で料理を提供してくれるんですか?」


 と。僕は思いきって言ってしまった。すると光さんはにっこりと笑って、「それは四人の喜ぶ顔が見たいからだよ」


 僕達の喜ぶ顔が見たいと光さんは言った。僕達の喜ぶ顔が見たい?確かに考えてみると気持ちは分かる気がするが、そうまでして僕達の喜ぶ顔が見たいのだろうか?光さんの心は本当に不思議に思えてくる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ