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2話 アテクシは死んだ。スイーツwww

「それだから、書くのだ。信じているから書くのだ。売れる、売れぬは問題ではないのだ。人の命も問題ではないのだ。


アテクシは、なんだか、もっと恐ろしく大きなものの為に書き続けているのだ。ついてこい、タイピング速度!」




 オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!


 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!(心の声)




 走る。アテクシは走り続ける。死んでも書いてやらあッッ!!ご飯も要らねえ。野郎ぶっ殺してやるううううう!!来いよ睡魔!カーテンなんか捨ててかかって来い!!ふざけやがってええええぇぇぇ!!!




 ドクン。


 心臓が、おかしな鼓動を打ち始めた。アテクシは、いまは、ほとんど全裸体であった。まあパンイチですけど。


 呼吸も出来ず、二度、三度、口から血が噴き出た。実際にはゲロっていうか胃液吐いただけですけど。


 見える。はるか向うに小さく、修学旅行で行った京都市の塔楼が見える。塔楼は、夕陽を受けてきらきら光っている。




 ……何じゃこりゃあ。走馬灯か?40時間くらい寝てないのが体調に響いてるらしいな。


 ガチャリンコ。


 アテクシはキーボードの上に崩れ落ちた。這々の体で、ぎょろりと眼だけモニターを見る。 fuyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyとかタイピングしちまっていた。


 ……嬉しい?


 キーボードにダイブした人は画面を見て、「やった!また文字数稼げた!」って、ちゃんと思うてくれとる?眼を閉じれば見える、夕凪の街。


 あ、やべえ。


 アテクシはPCチェアの上で失禁した。


 そろそろヤベエ。人間としてヤベエ。いや生まれる前からか。生まれる前からヤバかった。気付くのが遅かっただけ。


 ちょっと誰かティッシュティッシュ。誰も居ねえ。失禁してもひとり。


 本当にダメだこりゃ。漏らした量が多すぎる。トイレットペーパーを取ってくるしかねェ。チビるってレベルじゃねえぞ。


 アテクシはデスクに手を突き立て、体を起こそうとした。マジきっつ。部屋の重力10倍くらいになってるんじゃないか?スタンド攻撃っすかね?


 腰が浮きかけた刹那、不意にチェアが横滑り。アテクシの体は横転、側頭部を強打。


「があぁッッ」


 ハイキックでダウン取られた堤城平。ではなく、山田ハルエ28歳であった。痛ってえなクソが。鼻の奥から血の味で満たされる。




 そうや、エビや。柔道の授業でやったやつや。横になってイモムシのように蠢き、座標を少しずつ移動させる。動いていれば、いつかアテクシはトイレに辿り着くであろう。


 そう言えば、なんかロシア語で「エビ」ってヤバい意味なんだよね。




 幸い、ドアノブに足がギリギリ届いた。しかし攣った。水分、そしてミネラルが不足している。


「あがががごご」


 呻く、アテクシは呻く。しかし、尿を拭くまで、移動するのをやめないッ!転がれ。転がる夢なんだよ。追いかけていたいのはッッ!


 ゴロゴロゴロ、ドッ。


 え?


 ゴドッゴドッ。


 視界が反転。また反転。肘に、膝に、腰に激痛。


 ……こっち、トイレじゃなくて階段だったんじゃね?


 パキューン。


 名探偵コナンよろしく、脳に電撃。主演スティーブン・セガール。




 あ、ダメだこりゃ。後頭部を強打、アテクシは死んだ。スイーツwwwwwwwwwその後、沈黙のハルエ。

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