郗超8 隠者支援なる性癖
郗超の性癖の話である。
郗超は隠者が大好きである。
カッコイイ隠者がいると
すぐ支援したくなる。
百万銭をぽんと出資したり、
立派な家を建てたりするのだ。
なんだそれ。
例えば戴逵、
あのマルチ才能の芸術家のために
剡県に家を建ててやった。
そりゃもう見事なもんだったという。
が、戴逵、ちょっと足を運んだあと、
すぐにもとの自宅に帰った。
そして友人に手紙を送っている。
「この間剡に行ってみたが、
何だあれ。官舎が建ってたぞ」
隠棲指向の人間に官舎と
言わしめるのだから、
どれだけ戴逵の癇に障ったかは
お察しというものだ。
ちなみに、他にも傅瓊と言う人の
援助もしようとした。
こっちは隠棲が中断になった為
取りやめになった。
郗超每聞欲高尚隱退者,輒為辦百萬資,并為造立居宇。在剡為戴公起宅,甚精整。戴始往舊居,與所親書曰:「近至剡,如官舍。」郗為傅約亦辦百萬資,傅隱事差互,故不果遺。
郗超は高尚なるが隱退者ならんと欲せるを聞く每,輒ち百萬の資を辦ぜるを為し、并せて居宇を造立せるを為す。剡に在りて戴公が為に宅を起つらば、甚だ精整なり。戴は始め往けど舊に居し、親しき所に書を與えて曰く:「近きに剡に至らば、官舍が如し」と。郗は傅約にも亦た百萬の資を辦ぜるを為さんとせど、傅が隱事は差互し、故に遺るを果せず。
(棲逸15)
傅瓊
幼名が約だそうだ。ここにしかいない。まぁ郗超が惚れた人なんだから半端なかったのは間違いがないのだろうが。先に出てきた傅亮の父、傅瑗と部首が被っているため兄弟なのかもしれない。あるいは、書き間違えか。郗超と傅氏は結構結びつきが強かったようだ。
なお箋疏、この条後半のとりつく島のなさに脱文を疑ってる。まー確かに、そう考えるしかなさそうですよねえ。




