庾亮1 的盧馬
文康侯 庾亮 全31編
既出:
羊祜7、明帝6、明帝8、簡文17
王導12、王導18、王導27、王導34
王導39、王導46、王導47、王導△2
謝安14、謝安△1、司馬越1
庾亮さまの乗る馬は、
額にある白い斑点が鼻、
口のほうにまで届いていた。
的盧、とよばれる相。
三國志の時代、劉備の乗る馬にも
出ていたという、同行者に不幸を、
主人すら何らかの罪をもたらすという
凶馬の相だ。
その馬を見た殷浩、見かねて言う。
「その馬、売り払った方が
いいんじゃないですか?」
すると庾亮さまは答えた。
「売れば、誰かが買う事になる。
さすれば買い手に害が及ぼう。
我が身を安んじんがために、
凶を他人に及ぼそう、とてか?
戦国の昔、見た者を死に追いやる、
と言われる双頭の蛇を、
孫叔敖が殺した。
このことを孫叔敖は、
後の人に累を及ぼさないように、
殺したのだ、と言った。
いにしえの美談にこそ倣うのが、
徳に適った行いではないかね?」
庾公乘馬有的盧,或語令賣去。庾云:「賣之必有買者,即當害其主。寧可不安己而移於他人哉?昔孫叔敖殺兩頭蛇以為後人,古之美談,效之,不亦達乎!」
庾公が乘りたる馬は的盧を有し、或るもの語りて賣り去らしめんとす。庾は云えらく:「之を賣りたれば必ずや買いたる者有り、即ち當に其の主を害さん。寧ろ己を安んぜずして他なる人に移さすべけんや? 昔に孫叔敖の兩頭の蛇を殺すを以て後人が為とせるは古えの美談なれば、之に效うは、亦た達ならざらんか!」
(德行31)
庾亮さま、あの、「古の美談」以下は言わない方がかっこよかったと思いますよ……




