記憶
そう考えるとサヤカはずっと1人だったんだよな。
誰にも助けてもらえなくて寂しかったのかも。
なんて、また眠れないベッドの中でオレは考えてた。
(寂しいのは、アヤネ・・・)
サヤカの声だ。
びっくりして飛び起きた。
今度はベッドの脇に立ってる。
もう驚かないぞ。
「サヤカ、皆に話したよ。協力するって。」
サヤカが笑う。
「何が出来るか分からないし、サヤカの思うとおりに行かないかもしれないけど。」
(大丈夫。レオなら・・・皆なら、出来る。)
サヤカがオレの手を握った。
冷たいけど、温かい、変な感じ。
サヤカがおでこをくっつけてきた。
始め、びっくりしたけど、何か、映画でも見てるみたいな感じで何か見えてきた。
オレは目を瞑って何が見えてるのか一生懸命見ようとした。
何か見えてきた。
俺らと同じくらいの子供が何人か見えた。
顔はよく分からない。
よく見えない。
急にそいつらがオレを・・・じゃなくて、これはサヤカ、かなぁ。
追いかけてきた。
サヤカはびっくりして逃げ出したみたいだ。
そのまま・・・危ない!そっちは車が・・・
耳に痛いくらいの車のブレーキの音が聞こえて何も見えなくなった。
サヤカが離れたのが分かってオレは目を開けた。
サヤカは困ったような、哀しそうな顔でオレを見てる。
オレは今、どんな顔をしてるだろう。
サヤカは何も言わなかったけど、オレは何となく分かった。
ミオウがいればもっと詳しく分かったと思う。
ユズコがいたらもっとサヤカの気持ちが分かったと思う。
ツバキがいたらもっと・・・
オレは自分が泣いてるのに気付いた。
頬を冷たい物が何回も流れてた。
サヤカがそれを指で拭こうとしてくれてる。
触れないのに。
幽霊だから。
どうしていいか、サヤカにも分かってないみたいだ。
ごめん。
何も言えない。
だって。
あれって。
サヤカが死んだときの記憶・・・だよね?
もしかして、
(アヤネも、その時・・・)
やっぱり。
「ごめん。オレ1人じゃやっぱり無理だよ。サヤカの気持ちを伝えることも出来ない。だから、明日、皆に会おう。」
サヤカはゆっくりと頷いて、消えた。
明日皆が集まれば、きっとサヤカは来てくれる。
約束も何もないけど、オレはそう信じた。




