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きんせんか  作者: ぱな
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これが・・・修羅場?

「美由紀、別れてくれ。」


「はあ。」


自分でも間の抜けた声が出たと思う。


正直今の自分の状況すら、どこか現実味がない。


夫は頭を下げていて、その隣では見知らぬ可愛らしい女性が勝ち誇った顔をしている。


「こんなことになって本当に悪いと思っている。慰謝料も養育費もちゃんと払う。俺は彼女を愛している。腹には子供もいるし、彼女と結婚したいんだっ!だから頼む!」



私は私達夫婦が住んでいるマンションの一室で別れ話を切り出された。








話を少しさかのぼろう。


入社してはや5年の大上株式会社。


「金谷さん、先に上がりますね。」

「はいよ。お疲れ、江口さん。これから息子さんのお迎えかい?」

「はい。最近少し歩けるようになったんですよ。」

最近おなか周りを気にしだしているなじみの上司に挨拶をし、生まれて一年と二か月ほどになる息子を迎えに行った。

私達は共働きをしているので息子は夫の両親の家にあずかってもらっている。

今日も夫の両親は笑顔で出迎えてくれて私は息子の寝顔に仕事の疲れを忘れ、安全運転で家に帰った。


家についても起きる気配のない息子を居間に寝かせ、夕飯を作る。

そもそも夫は同棲していたころから私よりめったに早く帰ってこないのでこれもいつも通りのことだった。

玄関の扉を開ける音がして、いつもより少し早く夫が帰ってくる。

この時、私は早い帰りの夫に珍しいと思いつつ、全く夕飯ができていないことにあせっていた。


「ただいま。その、話があるんだ。」


浮かない顔の夫に、どうしたの?まさか会社を首になった?と、冗談交じりに返す。

しかたない、早くできるしチャーハンにしよう。文句を言われたって連絡もなくこんなに早い夫も悪い。


「いや、えっと…」


なんだか煮え切らない夫の態度に食材を出す手を止めて振りかえる。


「こんばんわ」


そこには私の知らない女性と気まずげな夫がいた。






そして冒頭のような展開にいたる。



「………………。」


無言の空気が重い。誰も言葉を発しない。夫は土下座したままで、浮気相手の彼女は相変わらずだ。


…というか会話の流れ的に私の返答待ちなのか。



目の前の若干ぬるくなったお茶をガッとつかんで一気に飲み干す。

目の前の二人がビクッとしたが気にする余裕はない。


「……ふぅ~…。」


頭も混乱から覚めてきた。状況を把握しようか。



彼女は?夫の浮気相手。で、妊娠中。


夫は?そこで土下座している奴だ。


今私はどうしてる?…離婚話を切り出されてる。


どうする?……どうしような。本当に。



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