最終話〜新たなる活路〜前編
「なるほど、街で捕まえた外道魔術師ですか…」
「学校を叩くなどと大それたことを!返り討ちにしてくれる!」
「あれだけの魔物を呼び寄せる力を持っているのだ。油断はできませんぞ」
「それで例の二人は今どこに?」
憤る男性教師をよそに、一人が聞く。
「ワシのところで保護しておる。石化に加え、特殊拘束具もつけおるから、まず自力脱出はできん」
「それなら安心ですね」
「それよりどうします?本来の予定なら明日から学校は再開の予定でしたが…」
「う〜む、こんな奴らが野放しになっている状態での再開はいささか危険を伴うか…」
「いや、やはり学校は再開したほうがよいかと。敵の正体がわかりかけてきたのですから、その対策をすべきです!」
「そうはいってもこの二週間後にはもう夏休みではないか。ここはこのまま少し長めの夏休みとして生徒を安全な故郷に返してはいかがです?」
「それも一つの手なんですよねぇ」
「我々で出したボロは我々で処理する、か?確かに今までもそうしてきたが…」
「ええ…」
教師達の目にはとある生徒達の顔が浮かぶ。
「今回は彼らが介入してしまっている」
「当然、彼らは我らに協力すると言い出すでしょう。もちろん、生徒会の生徒達も」
「これがありきたりの相手ならよかったがのぉ…」
「今回は相手が悪すぎます。正体がつかめたといってもまだ糸口だから敵の勢力全体がわかっていません」
「一緒に戦うには厳しすぎるな…」
「万が一、彼らの命を散らす結果になっては元も子もありませんからね」
「どうしたものか…」