第1話〜最高の仲間達〜
ついに出ましたファトシュレーン物語の第2弾!
前作の読者数(アクセス数)がよかったので第2弾を執筆する運びとなりました。これもひとえに読んでくださった皆様のおかげだと思っています。
内容は普通に前作の続きです。ある日突然現れた謎の魔物達の統率者が発覚!?新たな敵に学校側の対応は!?はたまたセシル達パーティはどうなるのか!?
ではではファトシュレーンの第2弾、始まるよー!!
はぁ〜。
授業終了のチャイムが鳴り、僕はだらしなく机に突っ伏す。
ハッ。
いけないいけない、こんなところで寝ちゃうなんて。
貴重な昼休みをどうして寝て過ごすなんてことができようか。
危うく閉じるところだった目をしっかりと見開き、僕は教科書とノートを机にしまう。
「なぁ、どうでもいいけどさ…」
上からそれこそどうでもいいような声が聞こえた。
「目をそんなに見開いてしまうものなのか?教科書って…」
僕に声をかけてきたのは級友のウェスリーだ。
「いや、ちょっと眠くってさ…」
僕は苦笑しながら椅子に座ったまま彼の顔を見上げる。
「ここ最近ずっとそう言っているよなお前。徹夜しなきゃならないほど急ぐテストとかあったっけ?」
ウェスリーは軽く首を傾げる。
「そういうわけじゃないんだ。別に勉強で徹夜をしているわけじゃないんだよ」
「ふ〜ん、徹夜で勉強しているわけでもないのに眠いなんて、流石の飛び級生君も少しだれてきたというところかな?」
ウェスリーはからかうように笑った。
僕が何とも言えない顔をしていると、いつものようにお昼の念話コールが入ってくる。
『セッシル〜!早く食堂に来なさいよぉ!食堂の席が埋まっちゃうよ!』
「はいはい、すぐに行くよ」
適当にあしらい念話を切る。
「いつもの昼食コールか?」
「そう」
「いいなぁ。俺も女の子に昼食一緒に食べませんかなんて言われてみたいものだぜ」
ウェスリーの独り言に軽く微笑し、僕は席を立った。
僕の名前はセシル。
ここ、ファトシュレーン魔法学校に通うごく普通の十六歳だ。
僕達の世界には魔法という古来よりずっと伝わっている力がある。
ただし、この力は魔力がある一定以上の者でないと扱えず、さらに魔力があっても、術を行使するための力、イコール魔法力がないとだめなのだ。
一口に魔法と言っても様々なカテゴリーに分けることができる。物を持ち上げたり火を放ったり、怪我を治したり……。そして、僕はそんな魔法の力を使いこなし世のため人のために働く魔法使い達の頂点、賢者になるためにここに通っているというわけだ。
まぁ、僕の場合はそれ以外にも理由があるのだが、今を生きる大抵の魔法使い達も世のため人のために働くことを本気で所望している人達ばかりではない。簡単に言うとステータスということだ。
資格を持っていれば、それだけ職に就いたりする時に有利になったり何かと都合がよいというわけだ。
動機が希薄だと思うかもしれないけど、それが今の生き方である。
話がずれてきているので元に戻そう。
僕の家庭は父親が仕事で失敗して、そのまま蒸発。稼ぎ手のいなくなった家族の代わりに僕が魔法を学びながらバイトをして、故郷に仕送りをしているのだ。
何で素直に働かないのか?
そのわけは、同時に僕がここに入学した理由にもなる。
『魔法は使い方によっては金になる。賢者になれば一晩で金貨百枚も夢じゃない』
この二言がファトシュレーンに入学するきっかけ。
地道に稼いでも金貨百枚なんて何年かかるかわからない。それなら、飛び級をしてすぐに賢者になれば、ここ数年のうちに家族を裕福にして上げられる。
僕は、母親と妹にこのことを話して、なけなしの貯金を僕の入学費に当てた。
それから三年、僕は大魔導師という賢者の一歩手前の位までのし上がっていた。しかし、すぐに賢者になれると思ったのが大間違い。賢者になるには、今までの昇級試験で行われたような筆記試験と高等魔術の習得が条件となっていたのだ。僕はすぐさま、高等魔術の習得を教師達にせがんだが、拒まれ続けた。
あまりにもひどい拒まれ方をしたせいで一時は学校を辞めようかとも考えた。だが、とある出来事が起きて、高等魔術を賭けた実戦テストを受けることになった。
相手は数年前にファトシュレーンを首席卒業したグラッツ先生とセリカ先生。
もちろん敵うはずがなかったけど、高等魔術の習得に多大な魔法力が必要だということを知った僕は、友人達の好意で正式にパーティを組み、レベルアップに勤しんでいるというわけだ。
「ど〜でもいいんだけどぉ…」
僕を下からじっとりとした目で睨む女の子が一人…。
「おっそいじゃない!もう、あたしお腹ぺっこぺこなんだからね。お腹と背中の皮がくっついたらあんたのせいだかんね!」
今、僕に食って掛かっている女の子はマリノちゃんといって、僕と同じ時期に入学した同期仲間だ。
「マリノ、お腹空いているからってそんなに当たっちゃ駄目だよ」
横でマリノちゃんをなだめているのが、ノエルちゃん。マリノちゃんの良きパートナー的存在で、街のお菓子屋さんが実家である。
その横でちょこんと可愛らしく座っているのが僕と同じく飛び級でファトシュレーンにやってきたリプルちゃんだ。一応十三歳なんだけど、見た目と中身はどうみても十歳程度にしか思えない。
「ねぇねぇ、早く並ぼうよ。中庭で遊ぶ時間がなくなっちゃうよぉ」
「そう焦るなリプル。時間はまだたっぷりあるのだ」
そう言ってリプルちゃんの頭をポンポンと優しく叩いているのは少し前に編入してきたばかりのギルバートだ。見た目はどう見てもどこかの軍隊に所属していたのではないかというくらいの恐持てだが、意外と優しいところもあって、特にリプルちゃんのような子供の面倒見がよい。
「……セシル、今我輩のことを保母さんみたいだと思っていたろう?」
ついでに意外と鋭い。
「皆、待たせてごめんね。さぁ、ご飯にしよう」
これが僕の親愛なる友人達。
そして、最高の仲間達




