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第5話:壊れた先に残ったもの
もう、元には戻れなかった。
回数は増えていった。
最初は怖かったはずなのに。
嫌だったはずなのに。
気づけば――
その時間を待つ自分がいた。
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(また…あの感覚を…)
ふと浮かぶ考え。
それを否定できない自分。
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夫との時間。
何も変わらない日常。
でも――
もう満たされない。
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「最近おかしくないか?」
問い詰められる。
逃げ場はない。
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スマホを見られる。
沈黙。
そして怒鳴り声。
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全てが壊れる。
家庭も、関係も、日常も。
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「出てけ」
その一言で終わった。
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外に出る。
夜の空気が冷たい。
でも――
心はどこか冷静だった。
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スマホが震える。
あの人からのメッセージ。
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少しだけ迷う。
本当に少しだけ。
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でも、答えは決まっていた。
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「行きます」
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送信。
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(もう戻られへん)
そう思いながら。
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不思議と、胸の奥には――
わずかな高揚感が残っていた。
壊れたあとに残ったのは、消えない欲求だった。




