第四話
魔法難しい
魔法を教わる前に、こうなってから飲まず食わずの私のために果物とお水を魔法で出してくれた。
「魔法が使えると、こう言った食料の問題も心配せずにすみそう。」
「そうね、水などの基本的な魔法からやりましょう。」
「はい!」
「魔法を教えると言っても、魔法は自分で練習するものなの。基礎的なことを固めていくことで魔力の使い方を体に覚えさせ、魔力を操ることで色々な魔法が使えるわ。」
「なるほど、練習は自分でやることが大切なのですね。」
「そうよ。魔法はイメージがもっとも大切なの。魔力にこうなって欲しいという思いをしっかりと伝えることが大切なの。」
なるほど、魔力を動かすことと想像することが魔法を使うのに大切らしい。
魔力を動かすのはコツを掴めたらすぐできるようになるらしく、今回は魔力を動かせるようになるまで教えてもらえることになった。
「魔力を感じることから始めましょう。」
「はい。」
「魔力は血のめぐりと同じように動くの。だから、体の中を血が巡るように想像してみるとわかりやすいわ」
血が巡る、、保健体育の時に見せられたような体に血管が通っている絵を思い浮かべる。
すると、なんだかいつもと違うように感じた気がした。
血が巡って顔が赤くなるような感じで身体中を赤くするような感覚が身体中に感じられた。
「なんか分かったかもしれません。」
「そうね、あなたが感じているものであっていると思うわ。あとは、それを上手に手から出したり他のところから出したりする練習をするの。」
「わかりました。」
「今手から出してみる時に水をイメージしてみて。」
「わかりました。」
体を巡る熱のようなものを手の先から出すように考えつつ、アニメなどでよくある手から水を想像する。
ジョ〜
「おっ!」
「やるじゃない。そのまま色々なものを出すように想像することが大事なの。人によって想像してても出ないものやすぐに出るものがあるのだけど、それはたくさん練習すれば大丈夫よ。」
「ありがとうございます!」
水が出せたということはこのまま水に飢えることはないということだ。助かった。
魔法について練習をしなければならないが、色々とできることがわかった。この調子で練習したらなんとか魔法で生活できるようになるかもしれない。
「本当にありがとうございます。ええと、私はこのあとどうしたらいいでしょうか。」
魔法ができてもこの世界について何も知らない私がどうしたらいいかなどまったく持ってわからない。ここは世界をよく知る妖精さんに助けを乞おうと問いかける。
「そうね、まずは村に行くべきね。この森だとあなたのねるところも何もないじゃない。」
「そうですね、やはり人々がいらっしゃるところに行くのが必要そうです。村へはどうしたらいけるのでしょうか。」
「私たちは森から出れないの。だから村が見えるところまで案内してあげるわ。」
「ありがとうございます!」
妖精さんは空に浮きながら私の道案内をしてくれた。
道案内の道中ではその村がどのような村なのか、どんな人が多いのか、私だったら何ができそうかを教えてくれた。
私ができそうなものの中で私ができそうだと思ったのは薬師で、そう伝えると薬草についてや歩いている中で見つけられる薬草を色々と教えてくれた。
「気づけばこんなに薬草を取ってしまいました。」
「それを売れば泊まる場所ぐらいは買えるわ。」
「それはとても助かります。」
そんなお話をしながら歩いていると、人が住んでいるらしき建物たちが見えてきた。
「あれよ。私たちがついていけるのはここまで。あとはあなたが頑張るのよ。」
「はい。ありがとうございます。それでは、私はこれで」
そう言って村へ向かって進もうとしたとき、
「(ゴンッ)いてっ」
何かの壁にぶつかったような音と共におでこに大きな衝撃が襲った。
「へ?」
壁にぶつかったはずなのに何もなくて戸惑う私に、さっきまで色々とお話ししてくれていた妖精さんが指を刺しながら言った。
「あなた、この子と契約する気はある?」
「へ?」
本日何度目かわからない声を上げながら妖精さんの指さす方を見た。
すると、そこには私の服を一生懸命引っ張っている妖精さんがいた。
「け、契約とはどう言ったものなのでしょうか。」
「この子に名前をつけて、あなたの名前を教えてあげて。そうしたら契約できるわ。」
「あ、いえ、契約するとどうなるのかなども教えて欲しいのですが、、」
「そうね、この子はあなたと一緒にいられて、あなたもこの子と一緒にいられるわ。」
つまり、妖精さんが私と一緒にいてくれるもののようだ。
「なるほど、私とずっと一緒で大丈夫ですか?」
私の服を引っ張っている妖精さんが大きく頷いているのを見ながらもう1人の妖精さんが言った。
「多分、さっきあなたがぶっかったのはこの子が出したものよ。あなたを引き止めたかったのよ。」
「私でよければとても嬉しいです。」
そう言って服を引っ張り続けている妖精さんに声をかける。
すると、妖精さんが私の目の前に飛んできて、目を閉じた。
「名前をつけて、あなたの名前を教えてあげるの」
もう1人の妖精さんに言われるがまま、妖精さんの名前と自分の名前を口に出す。
「あなたはシグ、私は柳木千晶。アキって呼んでくれると嬉しい。」
私が言い終わると共に、私とシグの間に光のようなものが駆け抜けた。
「シグ、いい名前ね。あなたの思うままに行きなさい。私は帰るわ。いつでも帰ってきてね。」
そう言って、もう1人の妖精さんは森へ帰っていった。
「行っちゃった。シグ、これからよろしくお願いします。」
薬草を持ったままの不恰好な姿でぺこりとお辞儀する私に、シグもぺこりと返してくれた。
「アキ、……よろしく」
「うん!!!村にレッツゴー!」
「….ゴー」
そうして、妖精さんが加わった私の旅はこの目の前の村から始まるのである。
始まり編終わり
次は村編




