朝起きたら豚だった。
しいな ここみ 様企画。
朝起きたら企画ですニャ。
(ФωФ)ノ
朝起きたら豚だった。
……何で?
よーし、落ち着いて考えろ俺。
えーと、ええっと。
そうだ、俺の名前は金豚公太郎。金豚財閥の御曹司、聞いた事あるだろ?金豚ハム。そう、俺は皆からはハム太郎って呼ばれている。
俺の父親は金持ちのクセに、やたらケチ臭くて敵わねぇ。俺の小遣いなんて、雀の涙過ぎて涙が出そうだ。小学生じゃねぇんだぞ?俺は親父に何度言っても、あの頑固親父は聞いちゃくれねぇ。
だから俺の小遣いはたったの五百万ぽっちだ。しかも月じゃねえ、週だ。
週にたったの五百万ぽっちだ。貧乏人の小遣いかよ。五百万じゃ、今時飯も食えねぇだろ。
そんな極貧生活を送る俺に、いいニュースが舞い込んできた。
たった一日働くだけで、五千万貰えるそうだ。そう、皆やってる闇バイトだ。ちょっと少ねぇが、背に腹は代えれねぇ。
俺は必死に働いた、汗水流してまともに働いた。その結果がこれだよ。
社長の野郎、俺に金を払わずに消えやがった。俺は頭に来て通報してやったんだ。ざまー見ろ、タコ社長。これでてめぇも、お縄よ。汚ねぇムショの中で、臭ぇ豚の餌でも食うんだな……。
──ガチャリ。
……おいおい、これは何の冗談だ?逮捕するのは俺じゃねぇ、あいつだ。詐欺を働いた社長の方だ。
えっ?強盗したって?
したさ、きちんと指示通り働いて強盗したさ。
えっ?殺人もしたって?
ああ、したさ。指示通りきちんと殺したさ。
それなのに、何で俺が逮捕されるんだよ?俺じゃなくて、逮捕するのは社長の方だろうよ?
駄目だ、こいつマジ話にならねぇぜ。頭イカれてやがるのか?
おい、誰か日本語話せる奴連れてこいよ。
俺は懲役、二十三年食らった……。
「どーしてだよぉぉぉぉ、何でだよぉぉぉもぉぉお!俺が一体何したって、言うんだよー!?通報した側の俺が逮捕されるって、一体日本の司法どーなってんだよぉぉぉ!!」
二十三年後、しゃばに出た俺は更に驚く事になる。
……親の会社が、倒産していた。
…………。
……何でだよ?一体、俺が何したって言うんだよ?真面目に生きて来た様が、これか?
今まで一度も悪事を働いた事が無い、この俺に対する仕打ちがこれなのか?勿論これからも悪事を働く気なんて、毛頭無いがなっ。
俺は盗んだ車で、走り出した。MAX140キロで。俺は走らずには、いられなかった。
──!?
……急カーブだと!?
ヤバいっ!このままでは壁に激突する。俺は死を覚悟した。
──甘ぇよ!!
「この俺を舐めんじゃねぇ!この俺を誰だと思ってやがる?俺のドリフトテクニックを、舐めるんじゃねぇぇぇ!!魅せてやるぜ!俺の炎のドリフトテクニックをなっ!!!」
……俺は、ハンドルを右に切った。
「うおおおおおおおっ!ファイヤードリフトォォォォォ!!!」
──どごぉぉーーん!!
……俺は死んだ。
俺は選択をミスッちまったんだ。俺はハンドルを右に切らずに、インド人を右に切っちまったんだ。
────────。
「いらっしゃいませ。」
俺は建物の中に居た。
……区役所か?ここわ。何やら文字が書いてある。
『天国課』『地獄課』『異世界転生課』
天国課には千人近い行列が出来、地獄課には誰一人並んで居なかった。異世界転生課は、隣のフロアとある。
…………。
なんだ?ここは。
「いらっしゃいませ、お客様。こちらにいらっしゃるのは初めてですか?」
「……ああ。」
何か、事務員らしき女が話しかけていた。
「まあ、全員初めてなのは当たり前なんですけどね。」
「おいおい、だったら聞くなよ。所で、ここは何処だ?」
「あの世です。お客様は死亡されました。」
……やっぱりか、どうやら俺は死んでしまったらしい。
「ここでは、次の行き先を自由に選ぶ事が出来ます。」
「ああ、だから。地獄は誰もいねーのか。地獄も案外いい所かも、知れねーだろ。」
「なら、お客様が行かれます?」
「ざけんな、行くわけねーだろ。」
俺は、異世界転生課に行く事にする。
──!?
「何故、誰も並んでいないんだ?異世界、大人気の筈だろ?どういう事だよ?」
「あー。異世界が人気だなんて、漫画やアニメだけの世界ですよ?お客様。実際行ってもがっかりする人がほとんどなんです。チート?ハーレム?現実世界で出来ない人が、異世界に行ったら出来る訳無いじゃ無いですかー?」
……うわぁ、夢も希望もねぇ。
「じゃあ、俺も天国にするかな。」
「あっ、お客様。お客様は、前世でのカルマが悪過ぎましてですね。てめーの行き先は地獄か、もしくは異世界のみとなっております。」
……ケンカ売ってるのか?こいつ。
「仕方がねーな。じゃあ異世界にするか。」
「私共のお勧めと致しましては、地獄の方をお勧めしたいのですが。如何でしょうか?」
「ざけんな、行く訳ねーだろ?」
「……それは、誠に残念ですねぇ。」
がっかり。
この女、俺を地獄に送りてーのか。イラつくな。
「じゃーん♪そんな貴方に楽しい転生先をご紹介させて頂きます。次の四つから、お選び頂けますよ♪」
『モテモテのカマキリ(雄)』
『食べられかけのパン』
『死にかけで蟻さんに運ばれるバッタ』
『豚』
「何れがよろしいですか?私的には、バッタがお勧めですよ。」
「ざけんじゃねー!何だよ?この酷いラインナップは!ふざけるのもいい加減にしろよ!!」
俺の怒りに、受付の女は困った顔をする。
「しかしですねぇ、お客様。お客様の前世のカルマでは、選べるのはこれくらいなんですよ。」
「だいたい何だよ?カマキリって。」
「モテモテのカマキリですよ?羨ましいです、ハーレムですよ?メスに食べられちゃうかも。」
「ふざんなよ!マジ食われるんだよ、カマキリは!!カマキリの雄は全員雌に、食われて死ぬんだよ!」
「では、こちらのパン何て如何でしょうか?とてもスピーディーな人生が楽しめますよ?」
「スピーディー過ぎるだろうが!?即効食われて腹の中だよ!いや、せめて麦にしとけよ、加工物じゃねーか。」
「では、こちらのバッタさんとかは如何でしょうか?地獄すら生温い、真の地獄が味わえますよ?私的にはこれがお勧めです。」
「三つ共、食われる前提じゃねーか。ざけんな!!」
「仕方ありませんねー、じゃあこの豚とか如何でしょうか?何とこの豚IQが9もあるんですよ?やりましたね、貴方のIQの3倍です。」
「ざけんな、俺のIQがたったの3な訳ねーだろ!!」
「すいません、2以下でしたね。ごめんなさい。」
「ぶっ殺すぞ、この女ぁ!……ん?オーク?豚じゃねーのか?」
「はい、オークになります。」
……オークかぁ。この中では、一番まともだよなぁ。仕方ねぇ。
「じゃあ、オークで頼む。」
「チッ、かしこまりました。承ります。」
「今、舌打ちした?ねぇ?舌打ちしたよね?」
「してませんよ?気のせいです。ちなみにオプションは如何なさいますか?」
「……オプション?なんだ、それ。」
「チート能力です、勿論選らばない事も出来ますよ。はい、選ばない方向ですね。かしこまりました。」
「チート能力?あるんじゃねーか、お前も人が悪いぜ。選ぶに決まってるだろ?」
「……チッ。はい、この中から選んで下さい。」
『どんな強敵にも、必ず勝てる能力』
『この世界の全ての魔法を、使える様になる能力』
『どんな願いも、三回まで叶う能力』
「はい、何れがよろしいでしょうか?」
「……ほう、何れもなかなかいいじゃねーか。よし、俺はこれにするぜ!」
「チッ、かしこまりました。では、楽しい異世界ライフをお楽しみ下さいませ……。お客様。」
────────。
そうだっ!俺は全てを思い出した。
俺は死んで、チート能力を貰い。そしてこの異世界に転生し、そして豚になったのだ。
……何で忘れてたんだ?
だが、まあいい。このチート能力で楽しい異世界ライフの始まりだぜ!
俺が選んだ能力はこれだ。
『どんな願いも、三回まで叶う能力』
三回迄だからな、慎重に選ばねーと後で後悔するぜ。
先ずはえーと、とりあえず人間にならないとな。じゃないと話が始まらねぇだろ?
後は、最強の力とハーレムだ。
俺はその三つの願いにする事にした。
……しかし、先程からやたら何故か頭が重い。一体何だってんだ?畜生。
だから頭があまり回らない、考えが上手くまとまらない。そんなもどかしさを俺は感じていた。
……まあ、そんな事はどうでもいい。
俺は人間になり、最強の力を手に入れ、そしてハーレム王国を作る。ただ、それだけだ。
……しかし、それにしても腹が減って死にそうだ。さっきから、腹の虫が泣き止まねぇ。
腹が減っては戦は出来ぬって、言うだろ?だから俺は先ず最初は。
『食いきれない程の肉』
を、願った。
先ずは腹ごしらえだ。腹が減っては戦は出来ない。頭も回らない。
……ガブガブガブ。
俺は必死に、肉にかじりついた。
△月◯日。
俺はひたすら肉を食っていた。そしたら、俺の仲間らしき豚が俺の肉を横取りしやがった。……てめぇ、それは俺の肉だぜ?だから、俺は願ったんだ。こいつの死を。
『この豚を殺せ!』
ざまーねぇブヒィ。
……ガブガブガブ。
△月△日
俺食う、肉食う。……肉、腐てきた。でも俺腐た肉も好き。俺肉食う。このままま肉、食ていたい。
俺願う、
『ずっと肉食ていたい。』
……ガブガブガブ。
△月×日
ニクウマ、ブヒィ……。
オデ、モウ……。ニクノコトシカ、アタマナイ。ブヒィ。
ズト……ニクタベタイ。ニクウマ。
◯月×日
ニク……ウマ。
ニク、ブヒィ。
闇バイト、駄目ゼッタイ。
(ФωФ)ノ
魔神と約束にゃー。




