死の戦士達
人間というのは、よくわからない
散々争いあって、銃弾を飛ばしあって、血を流し続けたのに
いざこんな危機に陥った時に、団結して立ち向かうのが
机に向かって、乾いたタイプ音を鳴らす。2053年になっても、俺の仕事はずっとこんなもので、特に物珍しい事もなくただ退屈なだけ。さすがに、ずっとこんな仕事をしているのも飽きてきたし、たまには体を動かしたいという気持ちが俺の脳みそをずっと巡りまわっていた。
もちろん俺は望んでここに来たんだ、なんたって普通軍人にはなりたくなかったし......だけど、退屈な後方事務作業が何か月も続けば流石に飽きも来るし、ストレスもたまりにたまる。だけど今更普通軍人になるのもな......俺にとって軍隊は天職じゃないのかもしれない、辞めるつもりは毛頭ないけど。
『ケラー......[ケラー・ツァイネブレット]、統括副司令官殿がお呼びだそうだ。その無生産的な作業をやめて、急いで行ってこい』
俺が仕事への集中が切れてきたとき、奥の扉から大声を張り上げて現れた上官が俺のことをそう言って呼んでくる。
「副司令が一体なんの用です....?俺の不祥事でも漏れたんですか。」
『冗談を言っている暇があるのはいいことだが、命令されたことは素早く行動に移すのが君の責務ではないか?』
「......はあ、了解しました......」
まあ別に暇してたんだ。何かしっ責されることでも娯楽にはなるし、懲戒になっても別の仕事にありつけるからむしろありがたい。もしかしたらやらかし度合いが酷くて【OT】になれるかも.....?それなら行くしかないだろう、俺は足早にこのオフィスを立ち去った。
【OT】、正式には「OverThrow」とも呼ばれ、英語で"打倒"を意味する。
2037年より考案された旧名「メカニカルドール」と呼ばれるヘルパー機械を一部転用し、強化外骨格及びコンピューターなどを体へ物理的な取り付けを行い個々人の戦闘力を増幅したいわば【エリート兵】......と、電磁公文書の文面だけを見てもよくわからないと思うが.....実態は瀕死の子供や大人をかき集めて、記憶を消去したうえで機械とかを体に直接取り込むっつう、なんとも非人道的な製造方法で作られるサイボーグみたいなもんだ。まあ公募はしてるらしいが、人は当然集まらない!だから人拉致って作ってるわけだな.....設計者は悪魔に違いないぜまったく
んで......なんでこいつら生まれたかって言えば、それは【FA】のせいだって皆言う
Fear AI......恐怖のAIと呼ばれ、FAという略称でも知られる。
こいつはOTと違って母体がAIなんだが.....2047年にプファルツ州でシンギュラリティを起こしてから世界があっという間に崩壊しちまった。ドイツも旧西ドイツが西ベルリン除いて陥落したのもこいつのせい。他の欧州国家はそれよりひどいらしい。
ちなみにFAには【ドールズ】っていう人間の指揮官のような個体が存在する。こいつが特に厄介で、これを倒すために何人もの人間指揮官が死ぬほどだ
というわけで、俺らは今人間対AIで争ってるわけ、大陸が血で染められてもいまだに止まる気配も見せないから本当にどう終結させるかお上の方たちも頭を悩ませているらしい。そんな中で俺は平和を体感しているが.....やっぱり人間というもの、定型的な作業をずっとしてればそんなことお構いなしに退屈になる。「ダメ人間だ」とか言われても人間なんだから仕方ないだろ?と言いたくなってくるよ。実際のところは言い返せないけどな。
「戦力支援・師団・OT統括副司令殿.....ケリー・ツァイネブレット中尉です、只今参りました」
『....そう固くならんでもいい、入っていいぞ』
そう言われて、ドアノブを捻る。中を覗くと、執務机に肘をつけていた統括副司令.....「ルートヴィヒ・ユークリッス」氏が待ちわびていたぞと言わんばかりに手招きをしてきた。
『さて....ケラー・ツァイネブレットと言ったか。急用で頼みたいことがあってな.....』
「....なにか、好ましくない事でも?」
そう言うと、俺の考えが当たったのかユークリッス氏はため息を漏らした
『....ああ、実はハノーファーで指揮官が3人同時に戦死してな....理由はドールズの急襲だそうで......仕方ないから予備役クラスのやつを出そうと思ったら、予備役局のやつら、もう予備将校がないとか言っててな.....仕方ないから、統括の方からだそうとお前にってことで、ちょっと"前線"に出てほしいんだが、いいか?』
上官命令なのだから、「出てほしい」などと揉み手で言わずとも、「出ろ」と素直に包み隠さず言えばいいものを………いや、そもそも俺である必要性が無いからこそのこの物言いなのだろうか?別に、代役ができるまでの間形だけの指揮官を用意できればいいっていう、上の策略なのかもしれないし......死に瀕する危険もない上に体を動かせる前線への異動.....少し興味をそそられるしな!
「.....承知しました、前線の維持を目標に努力します。」
『よろしい....スケジュールは後程。前線は心労の可能性も大きいから、しっかり心の準備をしておくように。』
「はっ.....では失礼いたします。
....我がドイツに栄光 あれ
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僕はここにいるよ…?…僕を探してよ…僕に会いに来てよ………僕は、僕は生きてるのに………どうして.........
.........あっ!お父さん...!来てくれたんだね…!でもダメだよ、お父さん、ここには怪獣が居るっっ………あれ?お父さん、ねぇ、お父さん!どうしたの、目を開けてよ、返事してよっ!
『ツ__.』
「これは…誰?誰が、僕を呼んでいるの……?」
『ツァネ』
「クラ姉……?」
『来てはダメ!逃げてっ!』
「クラ姉っ、ダメだっ、"あいつ"は―――!」
『離れっ……ダメよっ、ツァネ、ケリーっ!逃げてっ……!あなたはっ……!』
「どうして...足がっ…動かないっ…助けないとっ………いけないのにっ………!」
『力がっ………!どうしてっ………"この娘"がっ!』
「やめて、やめてよ…!どうして.........そんなことを………」
「ひっ………!?誰、僕の足を…ひかないでッ…!クラ姉がっ…死んじゃうっ…………!」
『や く た た ず』
「____っ!?うわっ!クラねッ.....ゆ...夢か.....?」
久しぶりに悪い夢を見た....."ハノーファー"に戻って来たからかなのか...?はぁ....未だにあの時のトラウマから抜け切れてなかったのか。
『.....ツァイネブレッド中尉、大丈夫ですか?相当うなされていたご様子でしたが....』
「....あ、ああ.....大丈夫だ、別に気味の悪い夢を見ていただけだ.....」
いや、もう本当に二度と見るのは御免だ。クライネ姉さんのことをもう思い出したくないし、なにより、あのことを恨まれているような気がして少し気が散ってしまう。
「....そうだ、ハノーファーまではあとどれぐらいだったか...?」
『閣下.....もう着陸姿勢に入りましたよ。』
「え?ああ....そうか、ありがとう....」
.....そんなに寝てたっけ?いや、悪夢を見てたぐらいだし、1-2時間ぐらいは寝ていたか...
『......閣下、お言葉ですが.....悪夢にうなされている姿をOTに見せることのないようにお願いしますよ?』
「わかってる....指揮官が弱いってところを見せるわけに行かないのは理解してるつもりだ。」
とは言っても、絶対どこかで見せることになるだろうなぁ.....もうこの悪夢で違う仕事を楽しみにしていた自分がどこかに行ってしまったし、これから先不安だ.....
「......日差しが差してくるな....これだから7月の頭には外へ出たくなかったのだが....」
ベルリンは7月でも割と熱くもなく寒くもない.....というよりも、日差しがここまでひどくはない。ただ、ハノーファーに行く便に乗るころには7月に入っていた、ハノーファーの平均気温は7-8月に最高になりがちだ。まあどこの国でもほとんどがそうだが....
『____新指揮官さーん!こっちこっち!こっちだよー!』
「.....ん?」
エアステアで航空機から降りていると、いかにも仮設されたような荒い飛行場の滑走路に濃緑の髪と碧眼を持った一人の少女が立っている。それに、【新指揮官】と俺のことを呼んでいたし、OTなのだろうか?もしかしたら現地の普通軍人で、護衛に来たって可能性もあるが......それにしては標準装備とは思えない装備をしているようなしていないような.......スケジュールに護衛と合流なんて書いていないが、OTと合流とも書いていないんだよなぁ、うーむ......いや、少女の普通軍人なんか見たことねえ、OTで間違いない!....はず
「君は......ハノーファー戦線に所属する...."OT"?OTだよね?」
『ん~?そうだよ~?私の名前は「グリレオ・マリー」!みんなからはマリーって呼ばれてるから、指揮官もその呼び方でよろしくッ!』
「...?あ、ああ....わかった」
距離を急激に詰められてどう接せばいいのかよくわからない.....いや、ハノーファー戦線って地獄って聞いたことあるんだが、こんな元気にしていられるOTがいるものなのか????それとも最近着任したばかりのOTとか?いや、新人にしては目つきが鋭い....気がするし、なにしろ気迫が違う。いや、ただの憶測に過ぎないから可能性は捨てきれないのだが.....うーん?いまいちどういった感じなのか掴めねえ。
「....そうだ。俺が指揮するOTって君だけなのかい?」
『あ、他の子たちは皆前線の司令部で待ってたんだった!指揮官急いで行くよ!』
「えぇ!?わ、ひ、引っ張るな....!」
『そんなこと言ってないで!急がないと怒られちゃうよぉ~!』
「あぁっ!ちょ痛い痛い!」
.....と、半ば強制的に連れられたあげく....
『えぇーっと....あ、これだ!』
「え?なにをして_____ってうわぁ!」
マリーの携帯型推進器.....つまりジェットパックが突然起動して、俺は浮遊感と共に恐怖感を覚えてしまった
普通に初対面の相手にジェットパックで担ぐのはやめてほしい....というか、普通に落ちそうで怖い!使い方荒いし、頼むから優しく運転してくれッ!
『指揮官凄いでしょ~?推進器も指揮官と一緒に居れてうれしいってはしゃぎまわってるよ!』
「それはお前が制御しきれてないからだろぉ!!」
『そんなことないってぇ!ほら!少しは"遊覧飛行"を楽しんで!』
「楽しめるわけねぇだろぉ!!!!」
いや普通に吐きそう、体にGがかかりまくって普通に気絶寸前までいってる。というか副官どこ行った?はやく助けてくれないと指揮官の俺が倒れるんだが?
.....早く、前線司令部についてくれ.......
『しきかーんッ!着いたよ!起きて!』
「.....んぁ?」
気づけば俺は気絶していたのか、地面にあおむけになっていた。ここは.....天幕と....トラックが大量に....ってことは前線司令部か!!
「はっ!やべっ....し、司令官は____」
「ここにいるが?」
「ふぁっ!?あぁあ失礼しました司令官殿!」
起き上がった瞬間、司令部についていたことと、真後ろに「カスター・ニュンベルン」司令官がいたという二つの出来事が一度に視界へ入ってきて、今めちゃくちゃ混乱してる、いや気絶から回復したてのこの脳みそでどう処理しろと言うのか....
「.....ケラー・ツァイネブレット。君が新任の指揮官かね?」
「は...はあ、統括指令部から出向しました、ケラー・ツァイネブレット中尉です......えーっと、今日より着任しました.....」
『へぇ~.......新任の指揮官って本当だったんだ.......』
....え?マリーって俺を疑った状態で遊覧飛行を強制的に体験させられたってことか???それとも俺を【疑って】いるから遊覧飛行をしたのか......正直マリーにそんな知能があるようには思えないが。
.....にしても、司令官の視線が痛い。マリーの遊覧飛行の苦痛を軽々超えてくるのは普通にやめてほしいものなんだが
「ケラー指揮官?ぼーっとしてないで天幕についてきたらどうかね?」
「...あっ!申し訳ありません!」
考え事をして何も聞いていなかった.......ふーむ、最悪のスタートを切ったかもしれないな....
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「.....それで?戦闘経験も何もない君がきたと?」
「.....そういうことになります....ねえ」
俺は今、カスター司令官に詰められ、あたかも自分で志願してきたかのように仕立て上げられている真っ最中だ。いや志願したんじゃなくて異動命令が来たからだよ?もちろん承認はしたけど抗命なんてできるわけないじゃん?カスター司令官わかってくださいよ?...と思っていても当然、カスター司令官のしっ責ともいれるものは止まることはなく......30分も経っていた。反論したら殺されそうって思ってしまったせいで俺はカスター司令官の言葉を淡々と聞き流すことしかできなかった。パワハラもいいところである.....前線ならいざ知らず、後方でやったら問題になってるだろこれ.....いや、軍人連盟がなくなったから結局、抗命権がないんだけどな
「.....お前みたいなやつは前線にでてすぐ死ぬ。なんで後方に居続けなかった?」
「いやその.....はい、前線を支えられる手助けをできたらいいな....と」
「お前がやすやすと"支える"と言っても、逆に足手まといになるだけだろう。」
「いや.....はい、申し訳ございませんでした。」
もう嫌だぁ!統括局に帰りたい!普通に事務作業してたい!なんで初日でこんな詰められてんの!?!?
もう最悪だ......事情を知っている奴もカスター司令官に恐れて何も言ってこないしさぁ.....副司令は報連相ってのを知っているのか?知ってたらこんなミス犯すわけないだろ?????
『....っとぅ!カスター司令!その人は自分から来たんじゃなくて異動の命令で来たんだよ?』
「....あぁ?異動だと?」
突然、マリーが天幕にずかずかと入ってきた途端に俺の事情についてカスター司令官に伝えてくる。唐突すぎて腰抜かすかと思ったが、遊覧飛行を経験した身、このぐらいで尻もちをつくこともなくなった....ってそんな話はさておき、なんでマリーがわざわざカスター司令官に俺のことを伝えに来たんだ?長い時間帰ってこなかったから心配したとか.....は流石に.......初対面な上俺のことを疑ってた身だし、何か別の理由があって伝えに来たのだろう。
『も~!速く伝えればよかった!おかげで二人待ちくたびれて暴れそうになってるよ!』
......あ、そういえば遊覧飛行した理由二人を待たせないためだったッ!!くっ....絶対二人のOTからもしっ責されるじゃねえか....
「.....なんかすまないな。話は以上だ、OT達の確認の方に回ってくれ」
「......はい。了解いたしました」
まあ過ぎたことは致し方なし....素直にOT達のしっ責を受ける他あるまい......やっべ、足取りが遅くなってる、そりゃそうかぁ....これからまたムチを受けるんだもんなぁ....はぁ、なんで俺なんかをここに配属させたのか......
『.....大丈夫?指揮官。なんか体調が悪そうだけど...』
「え?ああ....いや、平気だ....なんかすまないなマリー、俺はちょっと詰めに弱くて....」
『大丈夫だよっ!OTと指揮官は常に一体でなければいけいないもの!困ったことがあったら気軽に呼んで!』
「....ありがとう」
マリーって.....最初はヤバいおてんば娘って認識だったが.、こういう優しい一面もあるんだな.....ふむ、なんか頑張れそうになったかもしれん。んじゃ.....指揮官として、ちゃんと責任を受けて立とうじゃな___
〈遅いぞコラ!懲罰キックじゃ!〉
「....え?」
『あっまっずい!指揮官避けて!』
横から急に声が聞こえ、顔を向けたら、そこには足を突きだして俺に向かってくる一つの物体.....ってこれOTじゃねえかぁ!?ひっ殺される!
「ちょまぁっ!っぶねえ!」
〈ッチ....外したか!だけど次は逃がさないよ!〉
《ヤグルの姉さん.....指揮官になんてことしてるの....》
『ちょぉ!エーデルちゃん!見てる暇あったらヤグル姉ちゃん止めてってば!』
ヤグルとエーデル....いや、容姿を確認している暇今はない!次の攻撃に備えないと普通に肋骨骨折確定なんだが...?
〈キックじゃダメだな....せめて、組み付いて殴らないと〉
「...え?あ、姉御.....御冗談はおやめに___」
〈冗談だったらどれだけ良かったんだろうねェ!〉
瞬間、ヤグルは俺に向かって突進してきた。慌てて避けようとするも体をつかまれそのまま押し倒されてしまう。あ、これ普通に顔抉られる奴だな?俺わかるんだ、今生命の危機に瀕していること.....なんで今、こんなにも悠然として考えられるかはわからないが、顔面整形されるのは避けられない運命だし......別に今ここで抵抗しても無駄に終わるから......いや抵抗しないと死ぬわこれぇ!?ちょヤグル離せェ!人間です俺死んでしまいますゥ!
《あぁ、可愛そうな人間。ヤグルの姉さんを怒らせるなんて。》
『ヤグル姉ちゃぁん!ダメダメその人普通の人!FAじゃないからぁ!』
「あぐぁ.....じ、じぬ....ぅ」
〈安らかな死をお届けしますよ....."新指揮官"?〉
『ちょっとぉ!話聞いてよヤグル姉ちゃんッ!』
2度目と続き3度目の苦痛......今日の俺、ついて無さすぎないか...?というか普通に首押されて死ぬ....マリー様お助けをォ....
《うーん....仕方ない。ヤグル姉さん、指揮官から離れて....ね?》
〈ダメだエーデル!こいつは私たちを待たせに待たせたあげく平然と出て__〉
《お・ねぇ・さ・ん?》
「『《ひぃっ!?》』」
エーデル....という少女が放った言葉....というより声のトーンに俺を含めて全員が驚いてしまった......周りに居た普通軍人もピクっと体を震わせて天幕に入っていってるし.....え、もしかしなくてもキレてます??
〈ごっごめん....!つい手が出ちゃって....〉
『も、もぉ~.....ヤグル姉ちゃんったら.....』
《....まず指揮官さんのこと離してあげたら?》
〈あっ!そういえばそうじゃん!〉
「ふがっ.....ふぇ~....死ぬかと思った....」
普通に窒息で死ぬかと思った、というより半分死んでたと言っても過言ではない....というより、なんでこんなにもすぐに殴りかかってくるかな?俺人間だぞ??普通に死ねるからやめてほしいものである.....というかやるな、お願いだから。
《指揮官さん、大丈夫?ヤグル姉さんがごめんなさい。》
〈えっ!?エーデルが謝ることないからっ!ご、ごめん指揮官.....つい手が...〉
「えっ.....あ、あぁ....うん、全然気にしてないから.....ゲホッゲホッ....」
と言ったものの、やはり辛いものは辛い、それが人間ならなおさら苦痛が続くものである。特に俺は後方しか行ったことなかったし、戦闘訓練なんて基礎中の基礎しか終えてないからな!誇るように言うことでもないが。
『ほら指揮官立って!二人に自己紹介して!』
「.....よいしょ.....あぁーえっと....俺の自己紹介だっけ....?えーっと名前は....ケラー・ツァイネブレットだ。ケラーって呼ばれてる......今日からよろしく頼む」
〈えっと.....私の名前はシアヌス・ヤグル、防御メインよ!よろしく〉
青髪で紅い目だ。見入ってしまうほどの魅力があるが、当然襲ってきた奴だし今更見入るなんてことできない。というか仮にも指揮官だし見入ってしまったらダメ....だしな?
《.....ハンス・エーデル。サポートメイン。》
『なんか不愛想じゃない?』
《....いつものこと、よろしくお願いします》
続いてエーデル。銀髪の黒眼で、少し...というか大分不愛想な感じだ、仲良くはなれそうにないが、サポートって言っていたし頼りになる仲間なのは変わらないかな?というかそうであってほしいけど。まあ背中を任せられるならぜひ任せたいところ....
『んじゃ改めて自己紹介!グリレオ・マリーだよ!私は攻撃メインだから、積極的にFAを突くことが得意ね!ぜひよろしくお願いするわ!』
「....おう、全員よろしく......」
なんか自己紹介の時点で全員強者のオーラが漂って来ているのは俺の勘違いなのだろうか。いや絶対オーラを周りに出してるよな?確実に俺の見間違いではないはずだ。数多の敵を倒しているに違いない.....ちょっと自信なくなって来たわ、絶対統率できない......まとめ上げようとするだけで手一杯になるわこんなの。はぁ~....どうしようこれ....
『まあまあ指揮官!私たちは指揮官がいなきゃ暴れちゃって手がつかなくなっちゃうの!だから指揮官がいつことで私たちはちゃんと強くなれるから....』
「......」
気に掛けてくれたのはありがたいんだけどむしろプレッシャーのほうが大きいぞその言葉.....ああもう駄目だ、指揮官たるもの弱いところを見せてはいけない.......いやもう弱いって察されてる時点でこれは破綻してるも同然だけど、形だけでも権威を示さねば......
「.....な、何を言う.....お、俺がいればその....君たちが思うよりも強くできる....?から?」
〈なんで疑問形なの?〉
「うぐっ....」
逆に権威を堕とす羽目になったんだが!?くそぉぉぉぉ.....全然駄目だな....どうにかしてこの地獄の空気を打破しなければ.....
「全部隊に通告!現在ハノーファー市から"FA"が急接近している!現在駐屯している部隊は即刻、出撃せよ!」
「....ッ!?」
《あー....さっそく来ちゃったね、指揮官さん》
『来たものは仕方ないし、今から行っちゃう?』
〈当たり前でしょ?もう武装の準備は終わってるわよ?〉
「.....え今から?」
〈...?ええそうだけど、何か不明点でも?〉
『ほら指揮官!突っ立ってないで行くよ!』
「___っちょ!おいまた遊覧飛行を___」
『指揮官うるさいっ!それじゃいくよぉ!』
《〈....指揮官、可哀そうに.....〉》
_____________________________
「_______うわぁあああああああぁぁああッ!」
『ッッッッとゥ!無事着陸!』
〈....指揮官が倒れるからその無駄な高機動操縦やめない?〉
『今回は気絶しなかったしいいでしょいいでしょ!さ、指揮官仕事だよ!』
「うぇ....うぇぇ?し、仕事って...」
《"私たちを導くこと"、指揮官ならやれて当然》
「.....土地勘と通信端末がないんですが」
〈そんなもん直感でなんとかなるでしょ?御託並べてないでさっさと行くよ?〉
.....嘘でしょぉ?さすがに直感じゃなんともできやしないって.....土地勘もないんだし、いったいどうしろ....ってあれ、奥から大量の物体が向かっているような...?
「.....なあ、あれってFAだったり....する?」
〈ん?....お、当たりじゃん!二人とも!FAがこっちに向かって来てる!〉
『お!さっそく一狩り行きますか!』
《.....あんまりグイグイ攻めないでね、サポートする範囲が広くなっちゃうからめんどくさい。》
「え....ちょ、ふ、二人とも待ってくれェ!」
「_____はぁ....はぁ....ええっと....ああこれだ....」
二人の走る速度には合わせられなかった、まあ当然のことではあるんだが.....とりわけ拳銃を取り出して自衛は完璧にしておこう.....しかし、二人にもっと近づかないと指揮が出来っこない....
ったく二人とも速すぎる、もうFAに攻撃してるしなあ....
『しきかぁん!初任務私たちがサポートしてあげるから自由に動かしてみてッ!』
〈マリー!余裕はあるけど無理な任務には抗命してよォ!?〉
「....ええっと....あ、あの敵を優先的に狙って!」
奥側で動かずFAの修理と回収?みたいなことをしているやつ.....してるよな?とにかくあいつを撃破したら戦力低下を見込める....はず?
『了解ッ!____っし!食らいなさいっ!』
マリーはFAの群れを割けて、その指定したFAに斬撃を仕掛ける。マリーの武器は二刀の熱光線サーベル....接近したら勝てないモノはないだろうってぐらい卓越した動きとその性能がマッチしているように感じる
『おらぁッ!よっしゃぁ!』
二刀のサーベルは見事、そのFAを切り裂いた。機能しなくなったFAはバラバラになり、その場に破損体となって倒れていく
〈はじめてにしては悪くないんじゃない....かなっ!私も遠距離だから活用してほしいんだけど!〉
ヤグルの武器は....ライフル、通常弾を使用するモノか。なら誘引してマリーと掃討してもらおう.....これでパズルがかみ合うことを祈る
「ええっと....あー....あ!ヤグル姉さん!そのFAの群れを引き付けて!マリーも引き付けた敵を一気に掃討するんだッ!」
〈ずいぶん高難易度じゃない!?まあ別にいいけどッ!〉
『了解!ご期待に沿いますよ!』
ヤグルは空を飛びながら無数のFAを引き付け銃撃を続ける。まるでバレエのように華麗な足で見事な足さばきを披露し見事に敵の攻撃をかわしながら敵を引き付けているらしい.....あの足、本気で使われてたらもしかして生きてなかった可能性あるか?
『ヤグル姉ちゃん!こっちは準備おっけー!』
〈まってて!もうちょっと引き付けたい!〉
「ちょ.....お願いだから無理しないでくれ!」
見てて怖くなってくる。ヤグルの腕は流石なものだが、FAもただ単調な攻撃を繰り返すだけじゃないし.....そのうち体か足掴まれるんじゃないか.....って、思ってたのだが、予想とは違ったようだ
〈....よし!マリー!〉
『待ってましたぁ!さぁ!食らえFAどもぉ!』
一通り集めたFAをマリーの斬撃が襲った。25体ほどいたFAは体が上下にわかれていたり首がスパンと撥ねられて完全な機能停止に追い込まれていた......いや強くない?普通に怖いよ?思ってたのと違うんだけど?
〈マリー、ちょっと無理させちゃった?〉
『いやいやッ!同時に最高7人しか切ったことなかったから記録大幅更新かもッ!』
「だから無理するなって!」
と、さながら劇とコントを重ねたような会話している中でも残党狩りが行われていた。さながら恐怖そのもので、マリーは散りじりになったFAを切って回るわヤグルは正確な射撃で制御部を狙うわ.....さすがにFAに対して同情心も沸いてくる。しかし人間を大量に殺したんだ、こうされて然るべきなのだろう。クラ姉もやつらに殺されたしな....そう思うと、少し心が楽になった_____
《指揮官、後ろにFAいるよ?》
「えっ______」
突然エーデルから無線通信がかかってきて、ふと振り返るとそこには二体ほどのFAが俺のことを襲いにかかってきた。
「チッ!クソが!」
左の一体に対して拳銃で4発ぐらい撃つも、命中したのはたったの2発....この間にも段々距離を詰められており、悠長に構える時間なんてない。そう判断した俺はバヨネットを片手に装備して、一個目の弾倉が切れるまで射撃を続ける
.....17発を無事に打ち切ったものの、左の個体に5発、右に1発のみ.....左のは行動が遅れているが、右はもう俺に突進を仕掛けている
「あーもう.....ッ!いっぺん死体になってみるかッ!?」
突進してきた個体にバヨネットを突き刺したものの、制御部にあたっていないのか直ぐに反撃される。もぎろんFAは鋭利な武器を持っていて、太ももあたりにソレを刺してきた
「グッっ!!!!がっ....調子乗りやがってッ!」
もう一度バヨネットで刺すも、制御部には届かない.....そして、敵の攻撃もすぐに俺へ向かってきた
....そうはさせるか、FAの左腕の間接部を刺し、凶器を一時的に使えなくしてやった....が、ここで追いついてきた左の個体も襲い掛かってくる
「うわっ!近づいてくるんじゃねえッ!」
一つの個体に集中していたせいか、左から来る奴を完全に忘れていた.....ッ!その瞬間、痛覚が腹から感じると同時に、温かみも感じた。腹を見ると、刺突されたせいでFAに突き抜かれてたよ.....
「ぁぁあっ.....」
.....はっ、クライネお姉ちゃんと同じで、FAに殺されるなんてな.......同じ天国か、俺だけ地獄に行くのか.....いや、確実に地獄だろう。だってあの時、クラ姉を助けることができなかったんだから......
クラ姉ともう一度会えないのは残念だ。だけど、俺は俺にあったところに行かなければならない、そうなんだろう....?
.....だけど、なんなんだ、この気持ちは。
.....再びFAに会って、言葉や脳みそで理解できないような、この熱い気持ち。
.....俺は、何を思ってこんなことを....?
「ぐぅううゥ!.....クソ!消えろ!壊れてしまえ!この"悪魔"が!」
無意識的に俺の体と口は動いていた、心に従うように、俺はFAに無尽蔵な攻撃を繰り出していた。正確さも致命さもかけらもない.....ただただ、心の憂さ晴らしをするような、そんな感じだ
そうか、俺が感じていたのは.....「復讐心」、クライネお姉ちゃんを殺したFAに対する復讐心だ。なぜ、FAと対面してからこんな気持ちになったのか今やっと理解できた。
だから、俺は攻撃を続けた。威嚇にしかなってないし、非力な俺ができることはただ振り回すだけ
.....しかし、そんな攻撃も功を奏したのか、FAは少し距離を開けた。だけど腹部を刺された俺は多量の出血で頭がクラクラしてきた......せっかく、勝てそうなところ....かはよくわからない、正確に言えば対等な勝負ってところだったが.....ここでどうやら死ぬらしい。
俺はバヨネットを力なく落としてしまった上、跪くような姿勢になってしまう。もう、力なんて出なかった。
____FAが再び鋭利な凶器を俺に向けて突き刺す。今度こそ終わりだ、助かる術なんて___
『掃討に手間かかった!間に合えッ!』
瞬きをした後に映った目の前の光景は.....マリーが目の前のFAを斬撃によって切り裂いた場面だった、それを理解してもなお脳みそは処理しきれていない。どうせ死ぬんだと思って、脳みそを腐らせてしまったか....
〈よし....あっ!.指揮官!指揮官!?大丈夫!?〉
「ぅ....ぁ.....」
声を上げることはできず、ただ嗚咽を漏らすだけにとどまっていた。外傷が原因ではないが、まあ脳が腐ったからだろう。まともなコミュニケーションズなんて取れない。
『掃討かんりょ....あ、指揮官マズいかも.....エーデルちゃん!衛生用具もってすぐこっち来て!』
《了解、今向かうね》
「ぅ......」
そんな嗚咽が、ハノーファーの前線で漏らした最後の言葉だった
_____________________________
「.......うぅっ....んぅ?」
俺が目を覚ましたのは、仮設のベッド。前線司令部か....?としたら、野戦病院だろうか。そういえば俺.....ああ、FAに斬撃くらったんだっけ....やばいな、まったく記憶に残ってない。
腹の部分を触ってみると、ピリッとした痛覚が体を襲った。マトモな斬撃食らったせいか、普通に痛い.......
『失礼.....あ、指揮官起きたんだ!』
天幕をくぐり入ってきたマリーは真っ先に俺のところへ駆け寄ってきた。マリーは無事だったか......安心した。ったく、マリーがちゃんとしてるとちょっと俺がみっともなく感じてしまう。
「....ヤグル姉さんとエーデルは?無事だったか?」
『全然ピンピンしてるよ?OTの頑丈さ、舐めてもらっちゃ困りますねぇ~』
と、マリーは鼻を高くしてそう言ってきた。まあ確かにOTは並大抵のことじゃ壊れないし、戦闘を目的として作られた半人だからな......一番重要なことを忘れていたかもしれない
『.....あ、そういえば.....』
「.....どうした?」
『カスター司令官から伝言を____』
「今めちゃくちゃ聞きたくないんだが????」
『え~.....でも言わないと怒られますし.....』
絶対しっ責か嫌味かどっちかだろこれ......負傷兵に送るもんじゃないし見たくもないからさっさと払い下げたいんだが
『ほら!この封筒の中にあるので見といてくださいよ!それじゃッ!他の用事があるのでここでッ!』
「あっちょ!おい!.....はぁ.....」
なんでこうなるかなぁ.....押し付けやがってぇ......はぁ、気は進まないが見るしかないかぁ.....どれどれ、なんて書いてあるのや....ら?
________
ケリー・ツァイネブレット"大尉"、まずは昇格おめでとう。カスター・ニュンベルン中将として、上司としてまずはそこに称賛の意を送る。
さて、まずは謝らなければいけないことがある。まずは、なんといってもあの事だろう。貴官の事情を知らない内に詰めてしまい誠に申し訳ない、私の直さなければいけない癖なのだが、いつも無意識に出てしまう。この愚行を許してくれ
そして、初任務を独りで行わせたことだ。本来なら別の指揮官を付ける予定だった.....が、人手が圧倒的に足りなかったが故の苦肉の策ということ、誠に申し訳ない
謝ることしかできないが、今回私から貴官の昇格について打診を行うということで手打ちとさせていただきたい。もちろん、継続して前線に出てもらおうと思う。安心してほしいのは、予備役将校は既にこの部隊に配属されているが君は依然としてOTを率いれるということだ。ということで伝達事項は以上、今後とも武運を祈る
カスター・ニュンベルン 司令官たる中将
________
「......」
違う、カスター司令官、そうじゃない
俺が行きたいのは前線じゃない.....何も安心できない....!
俺が....俺が"帰りたい"のは
「統括局じゃあああああっはあああああああああぁぁぁ....!」
あれから数時間後、もうすっかり夕方になり、腹部の痛みも引いてきた。なんとか歩けるぐらいにはなる.....左足はいつもずっこけそうになるがな
しっかし.....なんでこんな戦闘力も統率力もない俺が前線に居続けなければいけないのか.....逆に心地が悪いぐらいだ、速く統括局の事務作業に戻りたい.....と、いってもやっぱりカスター司令官は許してくれんだろうしなあ.....統括副司令官め、本当に許さない....
〈....あ、指揮官じゃん〉
後ろから突然声を掛けられた.....多分ヤグル姉さんか?
「どうしたんだ姉さん。俺は....少し休息を取っているだけだが」
〈いやさ~....あんた人間なのによく腹部刺されて無事だったね?〉
「運よく臓器は傷つかなかったらしい.....なんとも、奇跡が訪れたものだよ」
〈ふーん....?じゃあ別に、あのキック食らっても大丈夫だったのね....〉
「それとこれとは環境が違うってものがありましてね姉さん???」
普通に怖い、"戦乙女"も逃げ出すレベルっていうか今すぐに俺も逃げ出したい。この人ならやりかねないのが一番怖いんだが....どこのヴァイキングだ本当に
〈今失礼なこと思ったな?〉
「いえ、そんなことは一ミリも思ってないですがどうしましたか?」
〈....一回シバくか〉
「こっちは負傷兵だぞ!?」
『おぉーい!二人とも~!』
《ずいぶん仲良さそうに話しているね。》
「....あ、マリーとエーデル。」
奥から結局二人とも来て、全員集まってしまった。俺は休息を取りにここで休んでたんだがな......
《それで.....傷の方はどうなの》
「え?ああ.....別に痛みも引いてきた」
『本当ですか~?いまいち信用できない.....』
「なんかひどくないか?」
〈まあ女の子待たせる奴にはボン基本法も聞かないんじゃない?〉
「.....それに関しては本当にごめんなさい。」
物理的な傷だけじゃなくて精神的な傷にも塩を塗られるのはベターなのかなんなのか.....まあ生きているだけましではあるんだが。死んでたら結局、こんな会話もできなかったからなぁ.........
「....そういえば伝え忘れてたんだが.....俺、まだここで指揮するらしいから....また迷惑かける。」
不本意ながらそうなったもの、自然とくたびれた感じになってしまった。なんたってもう前線には出たくないし、俺に向いてないってことが分かったから.....そしてここに居続けるのもこの3人に申し訳なくなってきた。俺が非力だから迷惑かけてしまったんだし.....
『へぇ~!じゃあまだいられるってことですか?』
〈おぉ!まだまだ戦えるなんてうれしいわね!〉
「.....へ?」
予想していたものとは違う言葉が出てきて一瞬言葉を失ってしまった。なんでこいつらこんな喜んでるんだ....?いや、指揮もヘタクソだし、ろくに自分で自衛できないやつだぞ...?
《....耳貸して》
「....?」
すると、エーデルはこんなことを俺に言いやがった
《きっと二人とも、貴方のこと信頼しているんだと思う》
「.....えぇ?」
俺のことを信頼.....いやいや、どこにそんな要素があるんだ?ホラ吹いてるんじゃないだろうな.....だって、俺なんか無能で助けられてばっかりで何もできずに朽ち果てるだけで____
《だって、貴方は唯一同じ人間として扱ってくれた指揮官なんだし。》
.....え?唯一人間として扱う.....OTにも人権というものがあるだろう......OTにはなにか事情があるのか。俺が干渉できないぐらいの、そんな裏事情が
『ん~.....あ、もうすぐ炊事車の交代番だったッ!エーデルちゃんとヤグル姉ちゃん!行くよ!』
〈...あ!そういえばそうだったじゃない!〉
《....忘れてたね、早く行こう。》
『っじゃっ指揮官!また夜会えたら!』
「......あい、バイバイ」
と、彼女たちは足早と奥の炊事陣地に向かっていった.....やっと、一人の時間を確保できた。
彼女たちに信頼されている.....か。俺なんかいつものように接しているだけなのに、あれだけで信頼されるって、どれだけ待遇が悪いんだろうか....?
「.....俺が考えても無駄か」
よくよく考えなくても、ここで俺が思考巡らせたとしてなにかできることもないのは明白だった。まったく、何もできない男って言うのは辛いな。
だけど、もし仮に今の待遇が悪くて苦しんでいるのなら.....せめて、この戦争が終わったら彼女たちの待遇は劇的に良くなると信じたい。そう信じるしかない
なんたって、この国の救世主であり.....俺の代弁者であるんだから。だから、彼女らが俺の代弁者である限りは俺が指揮を執り続けなければいけないのだろう。代弁者は、一人の主張者を必要とするのだから。
だけど、俺という主張者は余りにも弱いし無能なんだがな。復讐心だけで動いている一人狼みたいな
存在.....
まったく、俺はクラ姉が死んでから成長しているのかよくわからないな。
と、言うことで見たことない方は初めまして、ごるびです
小説家になろう!を触って早一年......作品を追加したり消したりを繰り返した理由の半分が「モチベ不足」だったこともあり、「さすがに一話完結型作品の方がいいよなぁ...?よくない?」と、心内審議で決まったのがこの作品「死の戦士達」です
.....元々、私が作った世界観をコミュニティーサーバーで共有する目的で作ったのですが、結構大うけしたもので、小説にしたいなぁ....という願望が一気に襲ってきたわけです。もちろん、文章力はないんですけども!!!!!!
と、前置きはさておき。クラ姉.....クライネお姉ちゃんとは、実は血縁関係じゃないってことを今ここでお伝え出来たらな....と思います。作中で明かすのもあれだったし、「あとがきあるならここで明かしたろ!w」っていう精神.....いや、本当のことを言うと文章内で明かすのを忘れていただけなのですが、後書きがあるならそこも活用したくない?と思っているので、なんとかなることを祈っております。なら本文の最初の部分前書きにかけよ!って思うでしょ?前書きはメタメタな部分だから(ド偏見+詭弁)
というか、クラ姉とか、ケリーとか愛称で呼んでいる場面結構好きなんですよね(唐突)
ほら.....信頼しあってる感じがしてなんかぁよくない?????いいよね?????
読者のみなさんの癖にそういうのがあったらぜひぜひご好評いただきたいものです。そもそも数多の読者様に見られるのか不明ですがね!
と、いうことで、後書きもこれで終わりです。後書きを執筆している最中に食べているフランクフルトを片手に、Mach's gut !(お元気で!)