表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

泥沼少年の恋

僕は泥沼の底のナマズのような

男子高校生だ。


同じ校舎に美しい少女がいる。

名前も知らない。

顔も見られない。


あの子の美しく眩しい笑顔は

まるで美しい向日葵のようで

僕には眩しくて直視できないのだ。


まるで僕は泥沼に

住んでいるナマズで

彼女は池のそばに咲き誇る向日葵で

僕は永遠に泥沼から出られない。

僕と彼女の間には

沼底よりも深く空よりも高い

遠い遠い距離があるのだ。


帰り道僕は見てしまった。

彼女と高校で一番優秀な

スポーツマンの男子と

一緒に帰っていたのだ。


僕はその時心臓に

激しい動悸が走った。

胸が異常に苦しい。


僕は街中の薄暗い

路地裏に駆け込んで

しゃがみ込んだ。

脚にも力が入らない。

立てなくなった。


僕は心に決めた。

この淡い恋心を

胸の奥に鍵をかけて

ずっとずっと閉じ込めよう。


逃げたい。

忘れたい。

消えたい。

死んでいなくなりたい。

頭の中が混乱し眩暈がする。


心の中で叫んだ。


嗚呼、神様!

どうか

どうか僕に、

恋した女の子を見ることも

話しかけることもできない

臆病な男の僕に、

この恋を忘れる勇気をください!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ