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【♯04】ランクマッチに出る前に、射撃練習はしておこう。

 

 ―――――翌日。


「――――【エイムズマネー】?」

「そう、ランクマッチのみ使えるA.I.M.Sの仮想通貨だ」


 ……えーと、キッドからいきなり新たな用語が出た所に水を指しちゃいますが、先ずはキッドとハリアーの居る場所の案内から。



 ここはA.I.M.Sの電脳空間。

 プレイヤー達がランクマッチ等の戦場へ赴く前に、得意不得意な武器に対してエイムの調子を合わせたり、同じルーム内の仲間と一緒に練習しながら近・中・遠距離のシュミレーションも出来る【射撃訓練場】が存在する。


 キッドとハリアーはA.I.M.Sに転送し、この射撃訓練場にて得意な武器を片手に、複数の的や敵アバターの形をしたダミーロボット相手にエイム調整中。


 仮想空間によって形成された小さな峡谷、そこに創られた射撃訓練場では敵に横入りされる事はなく、自分の気が済むまで練習に徹底が可能。

 その為にA.I.M.Sの使用武器の約50種類、全ての武器をここで使うことが出来るのだ。



 キッドはマグナムリボルバー銃でダミーロボットのヘッドショット、ハリアーはSMGの『SS-1000』を両手に構えてワンマガジン内の撃破を目標に調整。

 そんな最中に出てきた最新ワードが、【エイムズマネー】だ。


「ソーシャルゲームとかで、リアルマネートレーディング(通称:RMT)ってのがあるだろ? 現実の金払って、アイテムとかキャラを買う経済行為。

 エイムズマネーはそのRMTの概念で、アイテムやランクマッチの参加料として使うための仮想通貨って訳」

「何だよランクマは課金前提か! セコい商売してんね」


 ※因みに現在の日本国産オンラインゲームではRMTは利用規約により禁止されています。この作品はフィクションによる採用なので、悪しからず。


「ランクマの最初の称号が『ブロンズ5』だから、参加料は1000円。エイムズマネー単位で“1000M(マネー)”が必要だな。それを()()()にしてゲーム中に使うことも出来る」


「それで一発で負けたら?」

「その賭け金は全てチャラ。だが相手を撃破すればソイツの賭けたエイムズマネーを総取り出来るって話だ」

「じゃ100人居るから……結構膨れ上がるな」


 前回キッドがプレイしていた『カジュアルマッチ』は、このエイムズマネーを使わずに、誰でも気軽にプレイする為の初心者マッチであった。


 今回彼らがプレイする『ランクマッチ』では、参加条件として前述のエイムズマネーを消費させる事と、プレイヤーレベルが30以上にならないと参加不可の本気のサバイバルマッチが展開されるのだ。


「だからカジュアルマッチでレベル上げてたんだろうに。ハリアーはあっちで何回チャンピオンなった?」

「あ? えーと、17回か」

「勝った。俺は21回。生配信の恩恵よ」

「あと()()()()もだろ。お前の場合は」


 二人にとっては些細な競り合いですが、約150回のマッチパーセンテージでこれ程頂点に立てる彼らは、相当な実力と見て良いでしょう。


「もうランクマ入ったら余裕なんて無いと思った方が良いかも。金も賭けてるし、相手も相当殺気込めてやると思うから」

「それに、カジュアルじゃ余り出なかった“ミッション”もどうなるか分からないしな」


 FPSのゲームでは珍しく、ゲーム中にプレイヤー達に課せられる『ミッション』の要素が、A.I.M.Sには存在する。

 例えば、『強制失格阻止にプレイヤーの認証コード解読』や『強力武器の獲得』『フィールド縮小』といったイベントがA.I.M.Sでランダムに発生する。


 行動は敵に発見されるリスクを伴うFPSにおいて、このミッションの参加はプレイヤー達のゲームを有利に進める要素であり、逆の場合もあるという訳だ。


「キッド、ゲーム前で浮かれてるか知らねーけど、大事な事忘れんなよ。極悪非道のチート【プレデター】の殲滅」

「忘れてねーよ。そいつのプログラム全部ぶっ潰してやるのが、ランクマ参加の第一目標だしな」



「この地底空間に理不尽に追放された皆を助けるために、A.I.M.Sで戦う。―――俺っちを誘ったのはキッドだぜ? 最後までその意志は貫き通せよ」


「………あぁ、俺は諦めねぇよ。この手で【太陽】を手にするまでは――――!!」



 ◇――――――――――――――――――――◇

 ・KID(キッド)PAS(パス)『サラマンダー』確認。

 ◇――――――――――――――――――――◇


 ◇――――――――――――――――――――◇

 ・HARRIER(ハリアー)のPAS『シルフ』確認。

 ◇――――――――――――――――――――◇


 互いに目を合わせる二人の前に、現時点では意味不明なエフェクトウィンドウ。

 その直後に、彼らの背後から守護霊のような、波動のようなオーラを赤と緑と二人同時に出現させた。


 キッドの背後には、“火龍(サラマンダー)”と呼ばれる火の精霊。

 ハリアーの後ろには“風妖精(シルフ)”という風を司る精霊が宿していた。



 一体彼らは何故に、このような不思議な力を身に付けているのか。



 ――――ゴォォォオオオオオオオオッッッ


 ――――ビュュルルルルルルルルゥゥゥゥ



 そして何故に守護霊を宿した彼らの放つ弾丸から、炎が渦を巻き、竜巻が吹き荒れるのか……!?




 ―――全てはランクマッチ初陣によって明らかになる。二人の出動・ライブ配信まであと30分……!


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