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【♯54】迫るレイダーズ、地獄の軍団!?

 ―――A.I.M.Sの新たなゲームシステム『スクランブル』に出陣したエレメント◇トリガーズ。


 高層ビルの間をジップレールで移動しながらも、偶然敵部隊と鉢合わせ、あわやファーストキルの洗礼を受けそうになったが、ここはキッドの神エイムとハリアーのアシストの賜物。新ルールになっても彼らの強さに変わりは無かった!


 初戦の後、キッド達は撃破した敵部隊の亡骸であるデスボックスの中から、相手が使用していた武器や確保していたアイテムを漁っている。特に武器を獲得していないアリスとツッチーは、血眼になって適正に合う武器を探す。


「あったわ、『M14 EBR』!」


 アリスが手に入れた【M14 EBR】とは、アメリカが開発したマークスマンライフルの事。フルオートとセミオートを切り替えられるセレクティブ・ファイア機能が付いているのだ。


「こっちは『レミントンM870』やでぇ」


 ツッチーはポンプアクション式の散弾銃(ショットガン)。【レミントンM870】は各国の警察や軍隊でも戦闘用だけでなく首領用などとしても広く採用されている。数々の映画やドラマにも登場したポピュラーなショットガンなんですよ。


 ともかく、これでトリガーズ全員に武器が揃った。新シーズンに入ってから武器のラインナップも更に増えたというが、少し気になるところが。


「しかしなぁキッド。断定は出来ないが、結構な割合で()()が多く採用されてる気がしないか?」

「多分ミリタリーファンの為のサプライズじゃないかな。実際サバゲーからA.I.M.Sに興味を持ったプレイヤーだって多いし、良い導入だと思うけどな」


 等とキッドはクールに装いながらも、『ファイアーバード』専用のマグナムアモの数量を調整している。だが些細な心配から不安に変わる者もいた。


「でも何か……まるで本物の戦争でもやるみたいな感触だわ。このM14だって、普通に持っててもかなりの重量よ」

「確かに実銃はワテも触ってはみたが、ゲームの導入にしちゃリアルな造りしてるもんなぁ」


 アリスとツッチーは、このように変な違和感を覚えていた。生配信で視聴者も見ている中でのネガティブな発言は、非常に早いペースで伝染する。それに危惧したキッドは迅速にそれをフォローした。


「あのな。戦争の無意味さを思い知った平和主義なこの国が、ゲームで戦意高揚とか意識してたらとっくに最終戦争起こしてるわ! 逆にそれを現実にさせない為にゲームがあると俺は思うんだが?」


「……リーダーの仰る通り」


 魅せプと高いカリスマ性で定評のあるキッドは、不穏な空気も一気に清らかにする技も持っていた。

 不安に煽り立てられた視聴者の方々も、この一言で〘それな〙〘大人やなー〙と関心のコメントが連なる。時に長文で戦争論を説く哲学者もいたが、高速スクロールするチャット欄には一瞬にして消えた。


 誰もが『まさかね』と思った瞬間の一時。どうかその不安が的中しないように、と願うばかりである。



 〘◇Now Lording◇〙


 ―――さて、舞台はガラリと変わりまして。暗雲をも聳え立つ黒鉄の城……って、別にスーパーロボットが出るわけではありませんが。


『ヘビーメタル』シーズンに合わせて、別の電脳空間より馳せ参じた機械軍団【ヘビーメタル・レイダーズ】のアジトにして本拠地。歯車と電子回路が行き交う鋼鉄城『ヘビーメタルパレス』である。


 そこには無数の機械兵団と、A.I.M.Sのフィールドとする数多くの電脳空間から成る世界の支配者となろうとする一人の軍人【スチール大将軍】を総司令官に、ゲーム戦士達を狙うことだろう。


 ……でも、ただ司令官と戦闘員だけ出しても個性に欠けますよねぇ。

 大丈夫、ちゃんとスチール大将軍の側近として個性あるキャラがいますとも! それがこの御方……というか、シリアスを中和するコメディリリーフな人!


「いやぁ〜はははは! ご機嫌いかがかねレイダーズの諸君! いよいよ我軍の本格襲撃の日だぞぉ!!」


 沈黙の鉄が行き交う城に陽気な笑い声。あっけらかんにも浮かれ気分なご年配。

 白衣と縮れたヒゲ、それに枯れ果てた薄らハゲの典型的な老人科学者こそ、スチール大将軍の長年の側近にしてパートナーの【Dr.ナマリ】である。


 重装備を施された機械兵士達に、鼓舞しようと明るい挨拶を交わしたナマリであったが、これが不味かった。


『何ガゴ機嫌イカガダ!? モウロクジジイ!!』

『イイ加減湿気ノ籠モッタ城デ待機サセルツモリダ! 錆ビルダロウガボケェ!!』

『将軍モ何時マデ計画書トニラメッコシテンダ、オ前ガ責任持ッテ指導サセロヤ!!』


 酷い言われようですな。御老体を機械の手で振り回されるやら、銃器で脅されるやら、フェイクにも手榴弾投げ込もうとするやら。


「分かっとるわい、血の気の多い機械じゃのう! 言われんでもお前等を投入させる準備は出来とる! それまでせいぜい弾をムダにせんようにな!!」


 虐待の度を越した機械兵団の若僧に翻弄されるも、慣れきった素振りでそれを振り払うナマリ。飄々とはしてても実質ナンバー2は彼なのだ。


 そしてナマリは例のスチール大将軍のいる司令室の扉を開ける。


「おーいスチール、そろそろ若機械兵を投入させるぞー。アイツら外に出さないと八つ当たりが―――」


「とうとう見つけたぞッッ!! 『フルムーン・メガロポリス』だ!!!」


 入室するナマリの胸ぐらを訳もなくグワシと掴んで分からせるはスチール大将軍、大迫力。


「え、あ、フルムーンって、あのまんまるお月さまの都会で?」

「満月の未来都市だ! 丁度今ゲーム戦士共がそこに転送されたとの情報が入った!!」


 ヘビーメタル・レイダーズは諜報にも長けていた。

 電脳空間の至るエリアに張り巡らされた衛生型の発信機が、トリガーズや他のプレイヤー達の現在地を迅速にキャッチし、それがスチール大将軍の耳に届いた。


「あいや~、まぁそう躍起になるのは構わんがね。奴らは特別な異能力を持ったプレイヤーだわさ、シンプルなやり方じゃ返り討ちに合うだけだべ」


 あんた何処の生まれなんですか、ナマリさんや。


「そりゃぁ奴らを翻弄させる特殊部隊を用意するに限るだろうな。――――ではどうするかなぁ〜?」


 レイダーズの特殊部隊とは何か。我々には隠しているスチール大将軍式の戦陣から如何なる部隊が飛び出すのか!?



「よーし決めたぞ!! ナマリ、挨拶代わりに【ゴーストライダー部隊】を投入しろ。漆黒の摩天楼にワルキューレの贈呈だ!!」


「はいよ〜、これで機械の八つ当たりもされんで済むわいな!」



 はてさて、スチール大将軍が直々に指名された【ゴーストライダー部隊】。その全貌はまた次回、『スクランブル』のファーストミッション発令と共に明らかになります! その時まで本日のゲーム、報告完了!!



 〘◇To be continued...◇〙


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A.I.M.Sで登場させたい実物の名銃も、感想欄で募集します! 次回も宜しく!!

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