【♯29】勇躍・トリガーツール、プレデター捕物帖……って時代劇か!?
――TIPS――
【トリガーツール・システム】
ツッチー作・A.I.M.Sの『エイム』サポートに使われる万能アイテム。携帯プレイギアの専用アプリ及びメールから転送されるデータにアイテムのカプセルが送付される。
現在も誠意を込めて新ナンバー製作中!!
―――遂に、エレメント◇トリガーズ今回最大の切り札【トリガー・ツールシステム】が解禁。
キッドを撃破寸前まで追い込み、更には響波姉妹の恩師を喰らった【プレデター】を完全に討伐すべく、ランクマッチの目的をそれ一点に絞り込んだトリガーズ。
狙う標的は『フォーリング・ラボ』北北西、1.5km先の高台の上に立つ獣。表情はクールに、魂は熱気を込めて記憶や存在喰らいの人狼を撃つ!
「―――それじゃ天音ちゃん、琴音ちゃん。最後まで応援宜しくぅ!」
『おっけー!』
『任してください!』
A.I.M.Sのゲーム内、ロビーにて無線でキッド達と通じ合っている響波姉妹。先程もキッドがプレデターによってノックダウンされ、敢え無く撃破されるという絶体絶命の危機を救ったのもこの双子の姉妹だ。
これに恩義を感じたか、最後までキッド達の援護を自らが要請した。
身近のファンと、遠方の視聴者からの声援を受けて、プレデターと真っ向勝負を挑むトリガーズ。ではその討伐作戦プランを簡略に説明しよう。
〘◇Now Lording◇〙
敵のプレデターは、1km以上の標的をヘッドショットする程のスナイパー。
ならばその真逆に近距離で攻める方が有利と判断したトリガーズは、先ず自由飛行が可能になったキッドが先陣を切り、プレデターに先制を仕掛ける。その後を追ってハリアーとツッチーがキッドの援護に入る体制へ。
そしてアリスは唯一人、フォーリング・ラボに待機。研究所の屋根の上に二脚銃架をスナイパーライフル『バレットM82A1』に装着して固定、彼女も身体を伏せて遠距離からの射撃を狙う。
「バレットって、湾岸戦争で2kmの敵にヒットさせたって聞いたことあるけど、あの距離からも狙えるのかしら?」
プレデターが縄張っていたドームの距離は、バレットM82の射程距離内に入っているらしい。
A.I.M.Sオリジナルのスナイパーライフルでも500mが限度の射程を遥かに超える遠距離銃に不安を覚えるアリス。ですがバレットも並大抵の銃とは違うレベル4の武器。その力を信じましょう。
「よっしゃ、プレデターはっけ〜ん☆」
壮行してる間に、紅蓮の翼『VTGジェット』を装着したキッドが空からプレデターを確認。
〘くたばれチーター♫〙〘くたばれチーター♫〙〘くたばれチーター♫〙〘くたばれチーター♪〙〘くたばれチーター♫〙〘はぁ〜〜〜〙〘おどりおどーるな〜〜ら♫〙
今やトリガーズのライブ配信の風物詩となった、プレデター発見時にチャット欄で盛り上がるくたばれコール。音頭のリズムは誰が取るかは不明だが、ここは明治神宮球場ではない!
そして高台のドームの周囲では、無数のデスボックス。またしてもプレデターが、何の罪もないプレイヤー達の存在を喰らい、欲望の糧にしたに違いない。
キッドの拳に込み上げる怒り、その両手、握り拳から伝って構えるは『バントライン・スペシャル』の高速連射!!
「この野郎ォォォォォォッッッ!!!!」
近未来の早撃ちキッド、撃鉄を下ろしてトリガーを引くシングルアクションを諸共せず、ホルスター内の六発を0.7秒で撃ち放つ離れ業を成す。サラマンダー魂がキャップと共に燃え上がる!
「……こんにゃろ、チョコマカと……!」
だが残念、神エイムのキッドを持ってしても六発全てが【プレデター】に回避されてしまった。まるで四足歩行の獣、ジャガーの如く、迅速なスプリントスピードに思うように標的が定まらないキッド。
「駄目だ、すばしっこくて撃てねぇ!」
上空から撃つキッドの『VTGジェット』の燃料が、底をつく頃合いに一旦着陸。この燃料は時間が経つと自動的に補給されるが、今は羽休めの時間だ。
「ハリアー、ツッチー、早く来てくれ! プレデターが逃げちまうぜ」
『これでも急いでらぁ、そう急かすなってんだ!』
ハリアーも韋駄天を駆使して心臓破りの坂を走って高台に向かうが、スタミナを考慮しても効率が悪い。
「ハリアーはん、こういう時の為の【トリガー・ツールシステム】やで。カプセルを使いや!」
同行するツッチーに促されて、ハリアーもキッド同様にプレイヤースキルのスロットから入力してカプセルを現出。緑色のカプセルをポイッと投げれば、ポンッと現れる万能アイテム!
「【トリガー・ツールNo.002】、『サイクロンボード』!!」
説明しよう! トリガーツール『サイクロンボード』、それは乗ると機動力が向上し、通常の三倍のスプリントスピードで相手を翻弄する反重力浮遊型スケートボードなのだ!
「よっしゃ、ぶっ飛ばせーーー!!」
サイクロンボードに乗っかるハリアー、反重力装置によって浮遊するボードが体重を前に向けるだけで急加速。一気に坂道を駆け昇って、羽休め中のキッドを追い越し、下りの人口芝生を突き進む。
「キッド、プレデター何処らへんに逃げた?」
『お前から見て北西、彼処の広場の所で身を潜めてるかも。もう一度高台んとこに戻してくれ!』
逃走したプレデターをハリアーが追尾して、先程待機していた高台ドームへ再び誘き寄せる作戦。
ここで確実にプレデターを討伐するため、キッドとツッチーは喰われたプレイヤーのデスボックスを漁ってアモと回復アイテムの補充に勤しむ。
「オラ御用だ御用だ、神妙にお縄に付きやがれプレデター!!」
ハリアーも江戸っ子気質にサイクロンボードを乗りこなし、両手にはお得意のSMG『SS-1000』を構えて威嚇射撃。野良犬を調教するかの如く、野生本能に駆られたプレデターをあれよあれよという間に、キッド達の待つ高台ドームへと舞い戻っていく!
「乗ってるねぇ、ハリアーの奴。でも処分の役は渡す気はねーぞ。なぁツッチー?」
「そらせやがな。ほんじゃまワテも行くでぇ、【トリガー・ツールNo.004】『ビッググレートシールド』!!」
またまたカプセルがポンッと出た為説明しよう! 『ビッググレートシールド』は名前の通り、ツッチーの巨体をも覆うデッケェ盾の事!
しかもこのアイテムの耐久性は500、これはボディシールド装着プレイヤーの2.5人分のガードを誇るのだ。
紅蓮翼の生えたガンマンに、鉄壁の盾を携えたガーディアン。彼らが高台にてプレデターを手ぐすね引いて待っております!
片やリボルバー拳銃『バントライン・スペシャル』、片やショットガン『AVOS-7』を携えて、狙うはチートプログラムに現を抜かした人狼プレイヤー!!
「いっ、せーの―――――――FIRE!!」
再び連射されるリボルバーと、広範囲に拡散するショットガンの雨霰。だがその掃射攻撃からコンマ一秒早くアクションを起こしたのは、プレデターの大ジャンプ!!
―――――バッッ
「!?」
「っと?!」
そして空中状態のプレデターが、懐から携えた50インチのスナイパーライフルを、近距離・5m範囲のキッドに照準を合わせ、遊底を手動で引くと同時に放射される悪魔の轟音――――!!
ドオオオオオオオオオオンッッッッッ
遠距離スナイパーの一発を近距離で、その弾はキッドの身体を貫通した…………!!!
小説を読んで『面白かったぁ!』と思った皆様、是非とも下の「ブックマーク追加」や感想・レビュー等を何卒お願い致します!
更には後書きと広告より下の評価ボタンでちょちょいと『★★★★★』の5つ星を付けて、作者やこの物語を盛り上げて下さいませ!
A.I.M.Sで登場させたい実物の名銃も、感想欄で募集します!
エレメント◇トリガーズ、次回も宜しく!!




