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【♯23】ツッチー印のアバターカスタマイズ計画!

 ――――翌日。


 堕天使・ルシファーとの激戦に大敗してから、見直しに入る為に一時解散したエレメント◇トリガーズ。


 各々リベンジの為に準備は整えたようで、ハリアー・アリス・ツッチーの三人はそれぞれのペースでキッドの自宅へと集結していく。


 ……ただ、解散した夜中に起こった出来事など全く知らずに。


「よぅキッド、ルシファーの羽根をむしり取る方法は見つかったか…………」


 最初に到着したのはハリアー。首に巻いた緑のマフラーが飄々とした雰囲気を漂わせるのだが、玄関に着いた途端に彼は硬直する。というのも、


「お帰りなさいませ、ハリアーさん☆」

「……なさいませ」


 赤のエプロン衣装でメイド感覚にノリノリの響波天音と、白エプロンで恥ずかしがっている響波琴音の双子の姉妹が、深々とお辞儀してハリアーにご挨拶。これには硬派の彼もポカーン。


「…………キッド。夜中の間にJK二人をメイドプレイさせるのがルシファーの攻略法か??」

「バカ! この娘らは俺んとこで居候する事になった響波姉妹だよ」


「居候!?」

 夜中に目を離した隙に、とんだ急展開を起こしたもんだと呆気にとられるハリアー。


 仕方なくキッドも、響波姉妹がここに訪れて弟子にしてくれと懇願された事。更にその理由として、育ての親である地底空間の孤児院の院長が【プレデター】に遣られた事など、洗い浚いハリアーに説明した。


「……成程、それで可哀想に思ったお前がコイツらを引き取ったという訳か」


「あたし、ハリアーさんがカメラマンだって事もキッドさんから聞きました! 是非モデルに使って〜!」


 等としゃしゃり出てくるのはお転婆娘の天音。ハリアーも顔で『余計なことを……』とキッドに訴えつつ、しかめっ面を彼女に向けて答えた。


「お生憎でした、俺っちはじゃじゃ馬娘は撮らねぇの!」

「まっ! じゃじゃ馬って何よーー!!」


 ハリアーに煽られて憤る天音。それを横で宥める天音に、遠目で苦笑いのキッド。年頃の乙女が二人加わっただけでこんなに賑やかになるとは彼も思わなかった。


「キッドお待たせ〜! ……あら、お客さん?」

「何や済に置けへんやん、キッドがべっぴんさん二人もファン作ったんか?」


「はい! トリガーズ公式ファンの1号と2号です☆」

「勝手に決めないでくれます!?」


 天音のペースに振り回されっぱなしのキッド、もしかしたらA.I.M.Sの敵よりも余程強かったりして。


 アリスとツッチーにもかくかくしかじかと、響波姉妹の身に起こった事をキッドが説明すれば、ハリアー同様にチーターの非道に憤り、一応はキッドの元への居候も認めてくれたようだ。ただ一つ気になるのは……


(アリスさん、とっても綺麗……!)


 お淑やかな琴音が眼を輝かせながら、煌めく長い金髪と水色のエプロンドレスで清楚に着飾ったアリスを見て、うっとりしてる様子が伺えた。


 〘◇Now Lording◇〙


 そんなこんなで、響波姉妹とトリガーズの初対面を終えた所で本題。


 A.I.M.Sのランクマッチで、シルバーランクに入ってからトリガーズ全体の勝率が低くなった事。並びに昨日の堕天使・ルシファーとの大敗によって、改めてチームの強化を図ろうとする四人。


 先ずはルシファーに敗れた原因を探るべく、彼と激突したランクマッチのリプレイ動画をツッチーがノートパソコン経由で仲間に見せた。


「こないだのランクマを分析してたら、ワテらと圧倒的な差が何か分かったわ。ウッカリしとった!」


 ツッチーが迂闊にも問題視しなかった要素。

 それはマッチリザーブの際に明らかにされた、【アバターカスタマイズ】なるステータスの表記であった。



 ◇――――――――――――――――――――◇

 ・LUCIFER(ルシファー) Pレベル:39


 ・アバター装備によるステータス変化

 ・頭『ハイセンス・モジュール』【自分の周囲30m内の敵の気配を察知可能】

 ・上半身『漆黒の衣・上』【回避率30%アップ】

 ・下半身『漆黒の衣・下』【プレイヤーの移動力が40%アップ】


 ・プレイヤースキル

【堕天使の黒翼】【堕天使の俊足】【堕天使の影縛り】

 ・アルティマスキル【堕天使の雷】

 ・PAS:なし

 ◇――――――――――――――――――――◇


「これって……プレイヤーのカスタマイズ機能か!」

「こんなの、あたし達も初めて知ったわ!」

「何で気づかなかったんだ!?」


 A.I.M.Sの隠されたギミックに、それを知らなかったキッド達三人は大騒ぎ。

 それにルシファーのステータスを見るに、常人離れした能力付与が公表されている。

 キッドのPASをも超越した機動力・瞬発力の強さに対して全員が、合点がいった様子であった。


「ワテらがプレイヤーレベルが30にならんと、ランクマに入れんかったろ? カジュアルだとカスタマイズ要素はフェアじゃないからって採用されへんかったんやな」


「何だよ! それ分かってたら、もっとチャンピオン取れてた訳じゃんか!」


 アバターのカスタマイズシステムを知らなかったとはいえ、決して四人の力量不足が勝率低下の原因では無い。エイムに関しても全員に大きなブレは見られなかった。


 シルバーランク全体から見ても敵全体のレベルが上がっていて、カスタマイズシステムを大いに活用してるプレイヤーが多くなったからである。となれば、トリガーズもこれを使わずしていつ使うか?


「そりゃもう今でしょ! そのRPGみたいな装備はどうやったら手に入れられるんだ? ツッチー」

「それも抜かりなしや。そいつを作る為の()()をたっぷし用意しとる」


 カスタマイズ装備を作る為の“材料”。それはランクマッチの各所フィールドで確保できる『エイムエナジー』というゲームアイテムを生成するエネルギー液。

 それをツッチーは、これまでのランクマッチで80リットル分を確保していた。


「これをメインロビーの部屋で『クラフトルーム』っちゅーアイテム生成所で、キッドはん達の装備をフルに作れる。……だが、ワテがホンマに作りたいもんはこれや」


 するとツッチー、ノートパソコンから別の画面タブに切り替えて、それをキッド達に見せた。



「…………な、なんだコイツは………!?」


「カスタマイズなんか引けを取らない、ワテが真心を込めて生成した最新アイテムや!!」


 果たして、ツッチーが生成したアイテムとは一体何なのか? 【プレデター】や強者プレイヤー蔓延るランクマッチに、再び波乱の息吹を荒らせるか!?


「あたしも観たい〜〜!!」

「アリス様……♡」


 そして、響波姉妹の恩師を喰らった【プレデター】の仇討ちも果たせるのか。リベンジのランクマッチ、間もなく始動!

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エレメント◇トリガーズ、次回も宜しく!!

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