【♯08】大親友全員集合! A.I.M.S・ファーストミッション
――TIPS――
【A.I.M.S 登場武器①】
〘ファイアバード〙
・弾倉数:6発 ・装填可能弾丸:ヘビーバレット
・装着可能スコープ:倍率1〜2倍/ホロサイト/アイアンサイト/デジタルスレッド
・特徴:A.I.M.Sでは数少ないマグナムリボルバー銃。
マガジン数は少なく、反動が強烈故に当てるのも難しい玄人向けの銃と言われているが、
一発の威力が50ダメージとスナイパーライフルの次に強い威力を持ち、ヘッドショット出来る倍率も通常の約2倍となっている。またロングレンジに長けているため長距離射撃にも適している。
――キッド、ハリアー、アリス、ツッチー。
何の因果か四人全員に、元素の力を持つ精霊の力を持った不思議な力を得ていた。
その宿命が彼らの運命を繋ぎ止めたのか、5年以上合うことの無かった親友同士の邂逅が、このA.I.M.Sのランクマッチで行われようとは!
……しかし今は、被弾して倒れたハリアーの治療から。
「痛い痛い痛い痛い!!」
「我慢しろハリアー、ノックダウンからの復帰蘇生だ!」
皆さんは、FPSでノックダウンされた時に味方が復活蘇生してくれる場面を何度も見たことあるでしょうか。
それを実際に行なうとなると、どんな感じになるのか?
ノックダウンした味方は自己蘇生が出来ない為、五体満足な仲間によって復帰蘇生を行うことになる。
その際に、プレイヤーが常に所持しているという『戦線復帰プログラム』というアバターの復活エネルギーを使います。
これをハリアーが負傷した脇腹辺りにエネルギーを注入させる事で、HPは少量まで回復し、自力で起き上がれる程まで復活する事が出来るのです。
……ただし、その際の痛みは電気治療並にキツイですが。
「ハァ……死ぬかと思った!」
キッドに復活して貰ったハリアーは、胡座を掻きながらと苦痛に耐えつつ、急いでシールドと体力の回復に徹した。
「堪忍な、ハリアーはん。二人の正体気付かんかったらマジで撃破してたわ」
「別に気にしてねぇよ。寧ろ俺っちも嬉しいぜ、まさかアリスもツッチーがデュオ組んでたなんてよ!」
同じ幼馴染で二人部隊、それも二組揃って四人集結のフォーカード。これにはハリアーも予想だにしなかった様子で、サプライズ感覚に笑顔が溢れている。
「……ねぇキッド、貴方今まで何してたの? あたし達に何も連絡寄越さないなんて水臭いわよ!」
ここでアリスも、今までキッド達に話すことも出逢うことも出来ず、やきもきしていた感情を吐き出すように答えを求めたがるが……。
「……あれから色々あってさ。地底空間の事もあったし、今はこのA.I.M.Sのライブ実況で稼いでる所。お前のアバターもしっかり映ってるぜ、アリス?」
「実況!?」
キッドは敢えて真意を隠しながら応えた。そしてちゃっかりと彼から生配信を知らせた事で、アリスの驚く顔が生配信で視聴者約3万人にご披露された。
〘かわいい〙〘かわいい〙〘かわいい〙〘かわいい〙〘かわいい〙〘かわいい〙〘かわいい〙〘かわいい〙〘かわいい〙〘惚れた〙〘かわいい〙〘仲間にならないの?〙〘かわいい〙〘私を食べて♡ ¥1,000〙
戦場はワンダーランドか、アリスの水色エプロンドレス武装のアバターが視聴者のハートを掴んだか、最速のスクロールでかわいいコメントが飛び交う。スパチャまでしてますよ!
「スゲェな、ラブコールが止まんねぇぞ! あ、◯◯さんスパチャ千円、有難うございます」
「恥ずかしいよ……!」
不意を突かれたイタズラにアリスも赤面状態。そしてプライバシーの件もあってか、耳打ちしながらアリスに忠告するキッド。
『訳は配信終わったら話す。それまで聞きたい事はお預けだ』
『そんなに大変な事が……分かったわ』
アリスも人の顔色は伺うタイプ故、今は深く掘り下げる事はしなかった。
だが今度はキッドの方から質問を仕掛けてきた。
「……もしかして、アリス達もあの【プレデター】狙いでランクマッチに?」
「え、て事は、キッド達もそれ狙い?」
「それもそうだし、ランクマッチには特別な報酬があるって話も聞いてるだろ? そいつも狙う」
その“特別な報酬”というのはズバリ、
「―――――貴方も太陽を狙ってるのね」
「あぁ、このVRMMOの何処かに眠っている108のデータプログラム【シャインピース】。ランクマッチ以上のモードでしか手に入らない激レア報酬だ」
現在『A.I.M.S』のプレイ人口が一億五千万人を超えている大ヒットMMOFPSゲーム。
その人気の要因の一つが、極稀な確率で獲得できる【シャインピース】という、太陽の欠片のようなデータプログラムを集めることにあった。
このシャインピースを108個全て手中に収める事が出来たプレイヤーには、どんな願いでも一つだけ叶えることが出来るという。
ドラゴン的なロマンは作り話に思えても、実際に試したくなるのがゲームプレイヤーの性。
そんな各々の欲望を駆り立てて、皆は血眼でシャインピースを集めに戦うが、未だにそれらしき情報は入ってきていない。
そしてここにも、シャインピースを求めて戦うプレイヤーがキッド達四人。特にアリスにはそれをどうしても集めていきたいという願望の強さがあった。
「……キッド、そのシャインピースが手に入ったら、あたしに全部頂戴! どうしても叶えたい願いがあるの!!」
「はぁ? お前それで何を願うつもりなんだよ?」
「それは…………」
アリスも配信の前では言えない程に、深刻な問題を抱えているようだった。しかしもう、A.I.M.Sのゲーム上で彼らの面談を許すほど甘いものでは無い。
それを証拠にフィールド上で展開されるイベントが、彼らの平穏を阻むからだ。
――――ピリリリリ! ピリリリリ!
「な、何だ!?」
荒野に鳴り響くは四人のスマートフォンからの着信メール。余りにも大きい音であった為、敵に悟られないよう直ぐに音を止める四人。
そこに書かれていたメールの内容は……。
「………はい、出たよ。A.I.M.Sの【ミッションイベント】!」
「えっ!?」
「マジか……!」
「ランクマッチやからな、しゃーない」
四人の様々なリアクションが伺える中で、A.I.M.Sの四大要素の一つである『M=ミッション』が初お披露目となった。
ではそのファーストミッションをご紹介しよう!
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【A.I.M.S ミッション①】
・これよりエンペラー・キャニオン全域に
プレイヤー殲滅ロボット『ファントム』を
100体投入する。
・彼らは強固な装甲と強力武器を手に
プレイヤーを攻撃する。
様々な手段を用いて撃破せよ。
・尚『ファントム』を撃破した者には
賞金2000Mと、アイテム3個がランダムに
獲得できる。
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「「「「ファントム………!?」」」」
四人がミッションの内容に驚くと同じ頃。
―――エンペラー・キャニオン上空2,500フィートでは、無数の空母艦載機によって運び込まれた100体のプレイヤー殲滅ロボット『ファントム』が、人口AI機能の指令によって投下されていた……!!




