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生産職の旅  作者: 梓
1/3

第1話

初投稿になります。

小説はほとんど書いたことないのでまだよくわかっていませんが、頑張って書いていきたいと思います。よろしければ読んでいただけると幸いです。


 


 ざあざあと雨が降っている。

「おぎゃあ!おぎゃあ!!」

そんな中生まれて間もない赤子が一人泣いている。

そこに中年とはまだ言えない、筋肉質な男性が通りかかる。


「酷いありさまだな・・・」


木でできた馬車は横転し中は乱雑に漁られており、人影はない。


「野盗に襲われたのか・・・この子は私が育てよう」


そう言って一人の男性が厚い雲と降り続ける雨に打たれながら整備されていない細い道を進んでいく。






ついにこの時が来た。10歳だ。この世界では10歳になると神様から職業を授かる基本的に両親と似た職業を授かるようだ。

俺、アルトは双子の妹であるルリと両親と共にぼろっちい教会に向かっている。昔からずっとある孤児院みたいなものだ。

ここの教会にある水晶で神様から職業を授かるらしい。父バルロドは剣士で、母ファラは魔法使いだから

俺もどちらかの職業に就くのだろうと予想している。


「ねえねえ!アルトは剣士と魔法使いどっちになりたい?」


ルリは昨日の夜から今日が楽しみでずっと聞いてくる。


「そういうルリこそどっちになりたいの?」


そういえばずっと聞いてきてたからルリがどっちになりたいのかは知らなかった。


「アルトが剣士でルリが魔法使いだろ!」


わははと笑ってバルロドが会話に混ざってくる。


「そうですね・・・」


と、少し元気のないようにファラも便乗する。


「勝手に決めつけないでよぉ!でも、私は魔法使いになりたいなぁ・・・」


バルロドとファラの決めつけた言い方にルリが全く怖くないが怒っている。そしてどうやら魔法使いになりたいみたいだ。


「俺は・・・やっぱり剣士になってルリといろんなとこに行って旅をしたいなぁ」


これは、俺が7歳位からずっと考えていたことだ。父も母も戦闘職ならば冒険家を目指すのは普通のことだろう。


「やっぱり俺が言ったとおりだろ!!」


思っていたことが当たって上機嫌になるバルロド。


「バルロド、もうそろそろ教会につきますわよ」


「おおっともう着くのか」


と言ってさっきまでが嘘のように黙りこくってしまう。どうやら緊張しているようだ。



しばらく歩くとすぐに教会につく。



中に入ると神父さんが待っていましたとばかりに水晶の間に案内してくれる。


「この水晶に触れて神様にお祈りをするのですさすれば職業を授かる事ができるでしょう」


すると先にルリが先に水晶に近づく。軽く触れるとぱぁっと白く光る。すぐに光は収まりルリが戻ってくる。


「ステータスオープンと言えばステータスが出てきますよ」


これは職業を授かったのと同時に授かるステータスだ。

職業はもちろんレベルや体力・魔力などの数値や使えるスキルや魔法が表示される。

ルリはステータスオープンと言うと他の人には見えないステータスプレートをまじまじと見ている。


「ルリ!職業は何だった?」


と俺が聞くとルリは驚きを隠しきれていない表情で、


「魔法剣士・・・」


とだけ答えた。


「「魔法剣士!?」」


とバルロドとファラも驚いている。それもそのはず。基本的には両親どちらかの職業を受け継ぐはずだからだ。

極まれにどちらの職業も授かる場合がある。それが今回のケースだ。神父さんまで驚いている。

よっぽど珍しいようだ。


「じゃあ次は俺の番か・・・!」


(ルリがすごい職業になったからプレッシャーが半端ない!)


ルリと同じように水晶に軽く触れると水晶が光る。すぐに光が収まる。

ルリの時と大した変化はない。楽しみ半分魔法使いだったたらどうしようという不安半分で心臓がはち切れんばかりにバクバク

している。意を決して、ステータスオープンと言う。



心臓が止まった・・・かと思った。




アルト  (10歳)


職業   生産者


LV    1

HP    34

MP    102

筋力   25

魔力   125

防御力  21

知力   143

運    25


スキル

・生産  LV1

・鍛冶  LV1

・錬金  LV1

・アイテムボックス  LV1


え??????????????????????????????????????


(何で生産者?だって父さんは剣士で母さんは魔法使いのはず。何で生産者なんだ!?)


「・・・アルト・・・職業は何だった?」


恐る恐るといった感じでファラが聞いてくる。


「せ・・・・・・生産者だって・・・」


泣きそうになりながら答える。


(ずっとルリと旅しようと思ってたのに・・・生産者じゃあ戦えない。これじゃあルリと旅することはできない)


「アルト・・・」


ルリが心配そうに俺のことを見ている。


やはりというか落ち着いた様子でバルロドとファラは、家に帰ろうという。


家に着くと母は豪勢な夜ご飯を作り出した。父はメイとこれからのことを話している。


しばらくすると夜ご飯ができ皆が食卓に着く。


「それじゃあいただきましょう!」


ファラがおめでたそうに嬉しそうにしながら食事を始める。


「ルリはこれから冒険者になるために5年間かけていろんなことを学んでもらう事になった」


「それはいいわね!じゃあ明日からでも始めましょうか!」


ルリのことはどんどん決まっていく。

ルリにおいて行かれる気がした。そんなことを考えていると、どんどんと表情が暗くなっていく。


「アルト・・・元気出せよ!生産職もなかなか捨てたもんじゃないんだぜ?後で生産者の話をしてやるから俺の部屋に来い!」


バルロドが元気づけようとしてくれるが、そんなことはもうどうでもよかった。ルリと一緒に冒険をする。

それしか考えていなかった。明るい未来しか見えていなかった。


(それが、今となってはどん底に突き落とされた気分だ・・・神様どうして・・・どうして俺を生産者になんかしたんだろう・・・)


こんな気分でも腹は空く。あっという間に豪勢だった皿の上は空になっていく。


「ご馳走様・・・おいしかった・・・少し外の空気吸ってくる。」


「・・・・・あんまり遅くならないようにね・・」


一人になりたかったこのどうしようもない事実から少しでも目をそらしたかった。

外に出ると少し肌寒い風が肌をなでる。今までため込んでいた気持ちが目からあふれ出してくる。


「・・・・うぅぁ・・ああぁ・・・・・・」


大粒の涙がいくつもあふれてくる。落ち着こうとしても喉から嗚咽が出てしまう。

しばらくそうして泣いているとバルロドが一冊の本をもって隣に立つ。


「・・・・・・落ち着いたか?」


だんだんと落ち着きを取り戻すことができ、涙も収まってきた。


「ひぐっ・・・落ち着いた・・・」


涙を服の袖で拭いバルロドの目を見る。



「これから大事なことを話す。落ち着いて聞いてくれ」


何も言わずに一度だけ頷く。





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