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はじまりはじまり
キーンコーンカーンコーン。
「じゃあな優希!また明日!」
「また明日!」
終業のチャイムと共に走って帰っていく友達に挨拶を交わし、明日は学校が休みだと心の中でそっとツッコミを入れた。
特に何の取り柄もなく、
友達が多いわけでも少ないわけでもない
ごくごく平凡な男子高校生。
名前は湊 優希
退屈な日常を抜け出したいと思っていた。
その日の夜、夢の中で女神的な方に
「あなたの願いはなんですか?」と問われ、
「退屈から抜け出したい」と伝えた。
「ならば異世界に行くというのはどうでしょう?」
「異世界?いいですね!魔物退治とか!」どうせ夢だからと適当な返事をした。
「ふふっ」と女神的な方は笑い、
「能力を1つ授けましょう!この能力は・・・」
この辺からのことは覚えてない。
あまり夢は覚えてない事の方が多いのに、今回ばかりは意識が薄れる直前までをはっきりと覚えていた。
そして目が覚めるとそこは―――
牢屋でした。