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「ある夏の罪 ――ツーリングで出会った奇妙な少年―― 1.もくじ・プロローグ」 夢学無岳 【ホラー×サスペンス】
もくじ
プロローグ
出発
少年との再会
中華料理店
公園
キャンプ
野犬
悪夢
恐怖
脱出
胸の痛み
別れ
エピローグ
プロローグ
わたしは自分だけのルールを持っていました。主義とか、コダワリと言った方がいいかもしれません。それはわたしにとって大切なものでした。でも、それは大切だと意識できないほど、当たり前のものでした。法律よりも強力で、守らずにはいられない、不思議なものでした。
今から七年前のことです。ある夏の日、わたしは自転車に乗り、ひとり旅に出ました。そこで、ある奇妙な少年に出会いました。年下のマジメな少年でした。
これからお話するのは、その彼とわたしが一夜を共にした、恐怖の体験です。




