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記憶語りの。  作者: 久山よみち
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0話「記憶語りの少年」



0話「記憶語りの少年」


心の中に目を向けるといつもこうだ。目に入るもの全てが鮮やかな色彩をまとい、高さの変わらない平坦な草原が辺り一面を覆っている。その真ん中は"僕"に背を向けて立っている"君"がいつもいる。

真っ白なワンピースに身を包み、目を離すと消えてしまいそうな儚げな雰囲気を身に纏っている君がこっちに顔を向けこう言った。


ーー愛してくれてありがとう。


不意に聞こえてきた"君"の言葉が僕の見ていた世界をいつも変えてしまう。もう二度と耳にすることが叶わない"君"のあの時紡いだ言葉を思い出して、ひっそりと1人泣くことだけが僕にできる唯一の君への愛の形なのである。


ーーそんなことしなくてもいいのに……あたしは"君"の心の隅っこにちょこっと残ってるくらいが丁度いいのよ!!


「"君"が笑いながら話しかけてる姿がどんどん降ってくるよ。最近、君との記憶の量が少しずつ減ってきているんだ。だからもう少し待っててね。また新しい記憶を取り戻すから」


微笑みながら、そしてどこか決意を決めたような顔で"僕"は空に向かって呟いた。

また新しい旅が始まる。

人の記憶を呼び戻し、愛した人との記憶を取り戻していく記憶語りの少年の旅が。


「次はルーカスの街に行こう。また何か転がっていたらいいな」




















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