1/3
大学生活一年目
実家から追い出された俺は、西に西に流れ
いつの間にか米軍基地に程近いコンビニで働くことになった。
すごい方言で、なに言ってるかわからない老夫婦から
激安家賃でアパートを借りれたこと
金がないと聞いたら、廃棄を食ってもいいし
持って帰ってもいい。
無かったら奢ってやる!
という、豪気なおじいちゃんオーナーに出会えたこと
ばあちゃんから、そっと俺のために積み立てていたという
30万円を渡され、なんとか大学に入れたこと
すべてが幸運に恵まれていた。
雪国から来た俺の、一文なしから始まる大学生活は、こうして幕を開けたのだった。