浮遊城2話
「この宿です」
トレロに案内された宿屋は少し古めかしいが大きな宿だった。
扉を開けると一人の女性と目があった。
「あっ!お帰りなさい!今日はよく降るわね・・・ってあれ?」
おそらく宿屋の女将だろう、茶髪のロングの髪の毛は綺麗で青のワンピースがとても似合っている。
「今日から、宿泊客2名追加だ」
トレロは女将に言った
「トレロさんのお友達?あ、浮遊城を見物に来られたのね。じゃあ宿帳に名前を・・・」
トレロは無視でいいです。後で自分がやっておきます。と俺に言い2階へと上がってしまった。そして俺とカイダも同じく2階へと足を運んだ。
「・・・無視しなくてもいいじゃない。あーあ暇だなー」
階段を上がる前、女将がそう言ったように聞こえた。
2階に上がった俺達はトレロから街の状況について聞くことにした。
「ここの状況を教えてくれ」
「今のところ、城が出現してから魔族の気配はありません。この辺りで、魔物が増えたということもないようです。ただ・・・」
「ただ?」
トレロは険しい顔で俺に言った。
「子供達が消えています。今のところ15人。」
それを聞いたのは衝撃的だった。本部にはその情報が届いていないのだ。
「とりあえず、今後どうしましょう。」
トレロは俺の指示を求めている。まずは情報収集がいいだろうか。
「街の中を歩き回って情報を集めよう。魔族があの城に関係しているのなら、必ずどこかで不自然なことが起こっているはずだ」
そうして俺たちは明日から情報収集をすることになった。