【予告】太陽の子供たち あらすじ
こんにちは!
作者のさうざんと申します。
本編が長くなってきたので、簡単なあらすじといいますか、具体的な予告編を書きました。ちょっとネタバレしているところもあります。興味を持った章から読んでいただいて構いません。
長く書き続けているので、いろいろなものがずいぶん変わったなぁと思っている今日この頃です。特に学生時代と社会人になってからでは、文量や登場人物の数がめちゃくちゃ違います。ただ、自分の考え方の変化が垣間見えるので、もうしばらく修正せずにそのままでいたいと思っています。
ついに宇宙に進出した地球人たちの物語。
ある年、光速をはるかに超えたスピードで宇宙を飛べるエンジンやシステム、無理なく重力を発生させるシステム、酸素や気圧をどんな環境でも安定させられるシステム、…と宇宙空間で人間が生きていくための技術が一気に進歩した。人類の価値観や社会の制度も追いつかないほどの、わずか5年も満たないような年数で、人々は宇宙に飛び出していった。
この物語は、すべての地球人がどのように、宇宙に広がる可能性を現実にしていったかを描いている。しかしすべての地球人を描くことはできない。そこでこの物語は、15歳にして太陽系と地球人の未来を託されたチームゼロの8人と、15歳にして両親と第2の故郷を失った辺境移民の2人。そして彼らと巡り合った青い血の少女と、緑の血の王女を軸に語っていこうと思う。
【高校生編】太陽系辺境防衛戦争
宇宙に進出しようとしていた人類は、太陽系の辺境で謎の機械群に襲われた。太陽系外縁部の移民星が襲われる中、地球の精鋭、国連宇宙防衛軍の戦艦オリオンが派遣されたが、苦しい戦いが続いていた。そんな地球の最後の希望は、日本人の高校生パイロットたちだった。
辺境で人の生と死を見つめ、必死に受け止めようとするパイロットたち。一方、大人たちは未来への希望を彼らに託すべく、強大な敵の前で、悲しい作戦を立てていた。
これは、人類最初の宇宙戦争となった太陽系辺境防衛戦争末期の物語である。
【サイドストーリー】戦後のほたる
辺境戦争終結から1か月。テラポルトスでは慰霊祭が開かれていた。
※このサイドストーリーは、本編とは別の連載小説として投稿されています。(N4152CU / http://ncode.syosetu.com/n4152cu/)
【高校生編】つかの間の日常
新たな体制が敷かれた太陽系に取り残されたゼロのパイロットたち。高校生たちはまだ、悩み続けていた。
【高校生編】First Contacts
謎の救難信号とある日突然火星に落ちてきた青い血の少女。それは地球以外の人々の存在を意味していた。そしてメカの秘密も明らかになっていく。メカによって引き合わさっていく3つの星。辺境戦争の傷が癒えない太陽系は選択を迫られつつあった。
辺境戦争や異星人とどう向き合うか、人々の、そしてチームゼロの意見は割れ始める。それでもセンカは、宇宙の「希望」と「可能性」を信じ続けた。
地球と異星の、ファーストコンタクトの物語。
【高校生編】銃声が守りたかったもの
ファーストコンタクトから半年ほどたった宇宙。3つの星は、民間レベルでの交流も含む、本格的な交流に向けて準備を重ねてきた。水の星地球も、太陽系の新たな体制の元に、本格的な宇宙時代を進んでいこうとした。しかし改革に反発する人々の不満も、次第に高まっていった。
そしてついに、3つの星の交流の象徴、第1回天の川銀河会議の日。様々な立場と主張が絡み合う中、銃声が響きわたった。
地球の意見の相違が生み出した、悲劇と奇跡の物語。
【大学生編】ちょっとした勢力均衡
第1回天の川銀河会議の暗殺未遂事件から生還したセンカたち。大学生になり、いっそう地球と宇宙のために飛び回っていたある日。彼らのちょっとした悪戯から、太陽系を巻き込む政治ゲームが始まってしまう。センカたち地球・太陽系連盟vsユウキたち宇宙移民自治政府。果たして政治ゲームを制するのは……?
チームゼロの日常の物語(?)
【大学生編】機械仕掛けの姉妹
王位継承を目の前に控え、優秀な王女として、また軍人として活躍するレイア。メカを開発してしてしまった者の娘として研究を続けるメイル。太陽系の戦略面を支えるセンカ。太陽系防衛軍最高司令官としての激務をこなすショウタ。宇宙移民のリーダーとして絶大な支持を得るユウキとカズマ。技術者としてハード面を支えるコウスケ。医学部生として学びながら人々を救うハルカ。3星の交流のかなめとなる移動をつかさどるトウキ。「LSSE」という組織を保つべく活躍するスズナ。太陽系の更なる発展を目指すタケル。そして、YURIKAシステムの開発者の娘にしてYURIKAシステムの管理責任者であるリンカ。そんな彼らも、姉であり、妹であり、兄であり、弟であるのだ。
いつも通りの日常が続く天の川銀河を背負った若者たちの、家族の物語。
【大学生編】この星の歌
宇宙の様々な所で、様々な人々が未来を作ろうとする日々、異星との交流ので太陽系の地球人たちの「国歌」のようなものが必要になった。「人類にふさわしい歌を」と一任されたLSSE戦略局の会議室には、世界中の曲や資料が集められ、戦略局の者たちは世界中の国歌を研究し始めたのだが……。はたして、全人類に受け入れられる「この星の歌」はできるのだろうか。
戦略局の日常の仕事の物語。
【大学生編】狙われる「リーダー」たち
太陽系防衛軍・ヒルタ宇宙軍・リンネルーア軍の太陽系辺境における合同訓練中。チームゼロの全員が辺境にいるスキに、地球でクーデターが起きてしまう。「危険な独裁者」とされ、命を狙われ宇宙を逃げるしかないチームゼロと、地球に残された仲間たち。果たして、チームゼロは再び帰ってくることができるのか。
命を狙われた「リーダー」たちと、彼らを信じる人々の物語。
【大学生編】テラポルトス独占取材
ある日、チームゼロへの独占取材が認められた。そのインタビューのほんの一部始終。
【大学生編】狙われたリーダーたちの思い出
「狙われる「リーダー」たち」の番外編。こっそりチームゼロが何をしていたのかのほんの一部始終。
【大学生編】カルネアデスの舟板
藍色の宇宙経由で新たな宙域を発見した鉄の星ヒルタは、その宙域へ消えていった史上最大規模の自衛装置の痕跡を見つける。3つの星に悲劇と共通点をもらたしたメカの総旗艦であり、危険な戦いを終わらせるきっかけになるかもしれないと、ヒルタ宇宙軍は主力をその宙域に向けたのだが、帰ってきたのは、無残に破壊されて跡形もなくなった主力部隊の残存兵と、彼らが命懸けでもたらした、メカを倒す手がかりだけだった…。
最大の危機の中、大切な人に生き残ってほしいと願い続けた若者たちの物語。
【社会人編】親友の戴冠式
ついに、レイア・リンネルーアが緑の星の女王となる日がやってきた。天の川銀河の子どもたちに招待状が送られ、宇宙が注目する中、レイア女王の時代が始まる。
親友たちへのご褒美のような時間の物語。
【社会人編】慈烏反哺
12歳になったレーシャとパトリックはテラポルトスのチームゼロの元に迎え入れられ、戸惑いながらも新たな生活が始まっていく。一方、天の川憲章による天の川銀河の体制に疑問をいだく人々も少しずつ数を増やしていた。こうして、大人たちの視線は「First Generations(最初の世代)」である、レーシャとパトリックに集まっていく。
我が子に幸せになってほしいと思う大人たちの物語。
最後に、この物語の主人公であるウエキセンカの、有名なスピーチをもって、予告を終わらせようと思う。このスピーチは、彼女たちが生きた宇宙時代初期を物語るにふさわしいものであったと、のちの人々は評価しているそうだ。
「みなさん、上を見上げてください。かつてわたしたち人類は、母なる星、地球の大地から、この星空を見上げていました。星々に願いを託し、思い出を託し、様々な物語を語り継いできました。今、わたしたちは言葉でしか行くことのできなかった星空の世界にいます。見上げた星々の1つ1つにわたしたちは住み、空を流れる天の川にはわたしたちの大切な友人たちが住んでいます。そしてきっと、いつか出会う友人たちもどこかに住んでいるのでしょう。この宇宙でわたしは多くの人と出会い、別れました。辺境で多くの死を見つめたこと、血の色の違う親友たちと初めて会った時のこと、銃で守られたこと、人を殺す覚悟を決めた時のこと、わが子に再会した時のこと、止まらない血を止めようとしてくれた人と血をくれた親友のこと。どれも忘れられない思い出です。時に悲しい涙をはらみながらも、希望と可能性にあふれたこの宇宙をわたしは愛します。しかし、この宇宙にあふれた可能性は、人類の存在を、故郷の在り方を変えようとしています。わたしは母なる星、人類の故郷である地球を愛しています。しかし宇宙も愛しています。この2つの愛は時に対立し、争いを生んでしまいました。どちらの愛もわたしは否定することができません。しかし、赤い血が流れるような悲しい風景を、わたしは子供たちに見せたくありません。この広い宇宙のどこに住もうとも、一滴でも太陽のように赤い血が体に流れている人たちは家族であると、太陽の暖かさで育った太陽の子供たちであると、わたしは信じています。」
2×××年 太陽系会議にて
地球・太陽系連盟(LSSE)戦略局戦略第1課長 ウエキセンカ
それでは、本編をお楽しみください。
舞台は近未来の地球、日本のとある高校から始まります。