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BLUE in blue  作者: ゆほ
16歳最後の日
13/19

試験対策

恭輔のマンションは最寄駅の改札を出て5分と歩かない所にある。

周辺は住宅地、環境は良好。

駅を挟んだ反対側は商店街で夜遅くまで営業している大手スーパーや専門店が並んでいる。

ファミレスやちょっとおしゃれなカフェもあるので、引っ越してからの半年間、恭輔はこの商店街の外食や弁当、惣菜に相当お世話になっていたようだ。


「もう少し気の効いた所に連れて行きたかったけど、色々とあったからな。」

それは千晴が役所で逃げ出したことを指している。

自分の勘違いが元とはいえ千晴にも言い分はある。

「だってやっぱり事前に知らされてなかったし・・・でもここのパスタも美味しいよ。」

千晴と恭輔は商店街の中にあるイタリアンのお店に来ていた。

同じ商店街の中にある青果店が店主の実家らしく、食事のセットには生ジュースがついていて、千晴は自家製の生めんとそのジュースがとても気に入った。

「千晴は顔に出るからな。結婚話しに現抜かして成績落ちたら学校の許可だって取りにくいし。」

「う゛っ・・・あっもしかして試験前の藍ちゃんのカテキョが厳しかったのも」

「まぁそういうことだな。」


昔から千晴の勉強は藍や恭輔、それに恭輔の弟の玲が手の空いている時に見ていた。

千晴が中学生になってからは定期試験の頃に集中的に見てもらっていたが、入試前より高校に入学してからの方が藍の指導が厳しくなっていたことが、千晴はずっと気になっていた。

そのおかげで千晴の成績は今のところ中の上といったところだった。

確かに学業優秀な藍と恭輔と比べれば千晴の学力はお世辞にも優秀とは言い難い。

そういう意味では藍の厳しい指導を含め藍と恭輔が千晴に気づかれないように準備していてくれたことはそれなりに効果があったというわけだ。


あっ、でもこれからは自分で勉強しなきゃだめなんだ。

うわ~どうしよう・・・


千晴が思っていたことが恭輔には分かったようで

「これからは俺が見るからな。俺が忙しい時は玲か藍を家に寄こすつもりだけど。今までみたいに試験直前手のは止めて、時間のある時に少しずつやっておけばなんとかなるだろう。」



な~んだか。新婚さんの会話じゃないよな~

甘くない内容の会話にがっくりと肩を落とす千晴。


あぁせめて私がプロポーズしたことでも思いだせれば。

今後の勉強のことよりもその一点だけが千晴は悔まれてならなかった。

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