コロッケには届かない
「しまったなー」
昨日のメイド襲来にイラっとしていたせいで、帰りにマグの肉屋に寄る予定をうっかりすっ飛ばしてしまった。
卵はまだあるものの、おむすびに添える肉類がない。
「……野菜のおかずにしとくか」
今日は満を持してのカレーうどん炊き込みご飯である。
香辛料は高いものという共通認識があるから、今日ぐらいは肉なしでも許されると思いたい。
前回炊きあがりが固くなったのはスープのせいかな、と思ったので、スープはご飯を炊き上げてから混ぜる方式にしてみた。思ったより上手くいった。
それに合わせて自分の朝食兼お弁当もカレー味。
ブレッドが気に入っていたカレーヌードルを炊き込んだ。
カレーうどんの方もそれっぽいなと思ったけど、カレーヌードルを炊き込んだ方は麵が細かいせいか、昭和レトロな喫茶店のドライカレーっぽさがある。ナポリタンとかピザトースト食べたいけど、この季節にピーマンはないな。ナポリタンもピザトーストもピーマン抜きだとしっくりこない。
別に特別好きだったわけじゃないけど、食べられないとなると無性にピーマンが食べたくなってくる。
焼びたしとか無限ピーマンも美味しいし、チンジャオロースも美味しいよね。天ぷらもいいけど、学食でたまに出てたミックスフライのピーマンフライは美味しかったな。
季節に関わらず基本的な野菜が揃うなんて、つくづく元の世界のスーパーはすごかった。
「フライドポテトでもつけとく……?」
少し悩んで里芋を思い出した。
ジャガイモもたくさんあるけど、里芋の方が早く悪くなる気がする。
……いや、里芋も種芋から増やすんだよね? ってことは一冬持たせて苗を育てることも出来るはず。どうすればいいか、さっぱりわかんないけど。
とりま里芋は掘り出す一手間が掛かるから次回の課題として、ひとまずジャガイモを粉吹き芋にして添えることにした。作るのいつぶりだろう、粉吹き芋。小学校の時、家庭科で作って以来なんじゃないだろうか。コロッケとか作る時に粉吹き芋にするとかって聞いたことあるけど、自宅で作らないもんなコロッケ。作る人は作るのかもしれないけど、手間とコストに市販品のコスパが圧倒的に勝る一品だ。
「でもジャガイモも里芋もさつまいもも売るほどあるしな……そのうち考えよ」
コロッケを作るとしたら、パン粉がない。
こちらで普通に売られている黒いパンは多分粉から小麦粉ではないし、パンのあの気泡が寄せ集まった状態よりも形状的にはバターケーキに近い質感だ。細かくしたらパン粉よりもモロモロっとした粉になりそうで、サクサクの衣にはならないだろう。
ルディアーナの家で出されたお貴族様仕様のパンならいけるだろうか。それより長期保存食の缶パンの方がいい?
でも缶パン、基本甘いんだよね。
いっそパンから焼いちゃう?
……ドライイーストもなく、レシピもおぼつかないパンにチャレンジするより、じゃがいもから片栗粉を作る方がよっぽど生産的だな。片栗粉があれば芋餅が作れる。
芋餅か。
芋類も持て余しそうだし、おかず的なものにして売るのはありだな。
ジャガイモはなんか毒?があるらしいから、そのまま売っても怖い。あと、作物をそのまま売るのは単価が安すぎて、山から降りてくる労力を考えるとしんどい。
原価率を考えると汁物が最強ではある。でも、調理器具や提供するための器まで持ち運ぶのを考えると、これまたしんどい。
おむすびみたいに手づかみで食べられるものを簡易な包装で提供できたら一番楽。
コロッケみたいな揚げ物はやっぱり強いんだよね。
ただそうなると、油の入手と処理がなー。
自分で食べるくらいの天ぷらとか、揚げ焼きの唐揚げくらいの油量ならなんとでもなるけど、ある程度の量を作るなら、もうちょっと考えないと。
カレーうどん炊き込みご飯をおむすびにしつつ、わたしは頭を悩ませた。
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