取りこぼしがいっぱい
ブレッドがベーコンを気に入ったので、早めに食べるように約束して一塊譲った。
400gちょっとのベーコンなんて、ブレッドにしたら一撃だとは思うけど、念のため。
作り置きのベーコンは消費の目処が立った。
残りの豚肉もベーコンにしてしまおう。
砂糖も入れた塩水に漬けてあった豚肉をちょっと切って味見。
めちゃめちゃしょっぱい……!
わかっていたことだけど、砂糖を入れたからって塩が相殺されるわけじゃないことを実感しつつ、塩抜きする。
今日のカップ麺は生麺タイプ。
「うわー、麺の存在感がすごくて具沢山っぽい」
これまでのカップ麺が粉末スープだったから、粉末スープと液体スープ入れるのめんどくさいなと思っちゃった。
人間て易きに流れる……!(バカデカ主語)
野菜の色どりもよくて、ぱっと見華やかなせいで謎の罪悪感を覚える。
……わたしはカップ麺を炊き込んだだけなのに、すごい手間暇かかってそう。
麺を砕いたりするの、地味に面倒だったりもするんんだけど。
朝食と洗濯を済ませた後は、楽しい楽しい農作業のお時間です!
嘘。楽しくない。
本音を言えば、もうかなり挫折したい気持ちでいっぱいなんだけど、ここまでやったんだし形だけでも畑にしよ? っていう貧乏性じみた執念だけで動いております。
だけど、今のわたしには土魔法がある。
もう本当に魔法だけが心の支えだ。
裏の畑側に出て、最初に手を付け始めた大根とジャガイモが植えられていたあたりに、魔力を通していく。
大根のあたりは問題がなかったが、ジャガイモはまだ土の中にごろごろしていた。
手で抜いたときにずいぶんと見逃していたらしい。
土を耕し、表面に出てきたジャガイモを、腰をかがめて拾う。
今広げて干しているジャガイモとは別に干さなきゃなー。
白っぽく土が乾いたものから麻袋に入れなおさなきゃ。
土付きのまま使っていた麻袋は、水魔法で洗って乾かしたから、使う前よりもむしろ綺麗になったぐらいだ。
ジャガイモをしまうと、物置の中がかなりすっきりした。
土汚れしている床を水魔法を使って掃除し、サツマイモも片付けていてハッとした。
サツマイモはあまりとれなかったから、葉っぱばっかりはびこっててもこんなものなのね、と思っていたけど、ひょっとしたらわたし蔓だけむしって満足してたのかもしれない。
軽く済ませた昼食の後、再び畑に出てにんじんのあたりとサツマイモのあたりを魔力で調べて、がっくり膝をつく。
にんじんもちらほら取りこぼしがあるけど、サツマイモ、全然埋まったまんまだったじゃない!
にんじんは7本ほどだったので、保存のために埋めたところに埋めなおしたりはしない。
なんとしても腐る前に食べきってやる。
……サツマイモは。
これ、大豊作ってやつなんじゃないだろうか。
いやいやいや、まさか土の中にこんなにサツマイモが取り残されてるとか、思わないでしょ。
うんとこしょ、どっこいしょ、って引っ張ったら抜けるもんなんじゃないの?
大きいのから小さいのまでゴロンゴロンと採れたサツマイモを前に途方に暮れる。
これ全部拾って干さなきゃ、ってマジ?
魔法を使ってかなり労力はカットできたけど、それでも腰をかがめて拾っていくだけで一苦労だ。
でも、サツマイモは保存が利くから……!
焼くだけで食べれるし、甘いし、ビタミンも豊富だから。
お菓子にもなるすごいやつなんだから、こんなにあったらありがたいじゃない。
一生懸命自分に言い聞かせて、萎えそうな気持を鼓舞する。
何とか見える範囲のサツマイモを拾い終えて、ようやく植えたものが無くなった畑を見渡す。
まだ植えられたままの野菜は、順次使う時に適当に刈り取ればいい。
あとはこの畑の土壌を整えて……また大根とか芋とか植えるのか。面倒だなぁ。
種まきは春以降の仕事みたいだから、その時のことはその時に考えよう。
今は、頑張った自分にご褒美を上げたい。
そう、ビールとか、ビールとか、ビールとか!
ビールのお供はとれたばかりのにんじんと玉ねぎとツナ缶をクミンで炒めて、にんじんしりしりクミン風味だ。卵がないけど。
ツナ缶と炒めると、大抵のものは美味しくなるよね。
これは余裕でにんじん一本いけちゃいそう。
今日もビールが美味しいなぁ。
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