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今日から使える異世界ライフハック  作者: 白生荼汰


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いざ飯盒炊爨

 とりあえず、昨日のトマトソースにはポトフの残りのキャベツを足して水を加えてスープに仕立てる。

 薄めた分味気なくなるかと思ったら、意外にイケる。

 キャベツもなー。

 ザワークラウトって塩で漬ければいいんだっけ?

 ルディアーナ様のための冬支度がどんなものかわからないから、これ以上手を広げるのはやめておこうかな。

 今日はにんじんの収穫だ。

 その前に、今日から商品開発を再開する。

 カレーうどんの時みたいに思いがけず失敗することもあるから、どのカップ麺も一度は試したほうがいいかな、と思って。

 お米ごとの特性とかもあるかもしれないし、カップ麺炊き込みご飯は今後5番目に食べたやつで統一しようと思う。

 で、だ。

 一日にお米2合とカップ麺二つは食べ過ぎだと思う。なんでこの分量かというと、わたしが持っている炊飯土鍋が三合炊きだから。三合炊きにこの分量は若干荷が重いような気もするが、入れる米が一合だけだと上手く炊けるか不安になる。カップ麺が入る分かさ増しされるんだから問題ないような気もするんだけど、なんとなく。

 ならば、どうするか。

 別の鍋で炊けばいいのだ。

 そういうわけで、わたしは買ってきたまま放置していた戦闘飯盒2型をここに登用することに決めました。いえーい、パチパチ。

 アイマスクを伸ばしたような、この戦闘飯盒2型。コンパクトでありながら二合のお米が炊けてしまう、懐の深さがある。

 そもそも、飯盒と言われて思い浮かべる兵式飯盒も底面積はそんなになくて、高さで容量を確保しているので、少量炊きにも対応できるにくいヤツなのだ。空いている上部を利用してオカズの調理ができるように中蓋が添付されており、中蓋で2合、外蓋で一合の米が測れる、まさに米を炊くためにある調理器具兼食器だと言えよう。

 戦闘飯盒2型はそんな兵式飯盒と基本規格を同じとし、よりコンパクトに作られた近代の飯盒だ。

 研いで充分に浸水し水気を切った米を入れ、水加減をしたら粉末調味料を入れてかき混ぜ、上に砕いた麺と細かく刻んだ油揚げをのせる。

 炊き方は別に土鍋と変わらない。

 炊飯土鍋は炊飯に特化されてはいるが、どんな鍋でも、なんならフライパンでだって、お米は炊ける。芯まで水分が浸透し、きちんと加熱されれば、ふっくらと炊き上がるのに変わりはない。

 ご飯を炊く傍ら、さっとさつまいもの葉を茹で、おひたしにする。干していない大根を刻み、塩漬けにした大根の葉と和えて、ぎゅっと絞る。それから最後の塩豚を塩抜きのため、水に漬けておいた。

 炊き上がったきつねうどんの炊き込みご飯は、油揚げが見えるせいか、ものすごく炊き込みご飯らしかった。卵の黄色とかまぼこのピンクがちょっと可愛らしい。油揚げが甘くて、なんとなくおいなりさんを思い出す味だ。

 お浸しと浅漬けも美味しかったけど、大根の葉は酸味が出てきている。イヤな酸味ではないし、他の異常はないから、発酵してきているのだろうけど、干してから漬けたわけじゃないからかなり水が出てきているのが不安だ。

「……腐るのは水分があるからよね」

 あくぬきを兼ねてぎゅっと水気を絞った大根の葉を、洗濯と同じ要領でカラカラに脱水してしまう。

 色鮮やかなまま、塩漬けにした大根の葉はふりかけみたいになった。

「水魔法便利ー!」

 今更だけど、魔法って反則だわ。

 上手く調整すれば、絞るのも、なんなら塩なしで乾燥まで出来そうな気がする。塩漬けはあくぬきも兼ねてるから省略するのはダメか。でもフリーズドライみたいにするのは出来そう。

 まだ全然乾いていないさつまいもの葉っぱで試してみたら、海苔みたいにパリパリになった。齧ってみるとやっぱりアクは抜けてない。試行錯誤してみたけど、アクごと水分を抜くのは無理で、早々に諦めた。

 魔法があっても美味しいものを作るには時間と手間暇が必要らしい。

 なんとなくホッとした気持ちで、塩抜きしていた塩豚を風通しのいい場所に干す。ちょっとだけ水魔法を使ってみたけど、細胞の中で抱え込んでる水分は抜けないみたいだった。さつまいもの葉がパリパリに乾いたのは、葉が薄い分乾きやすかったからのようで、内側から水分を抜けたわけではなさそうだ。

 そうだよね。じゃないと、あっという間にミイラが完成してしまう。ラウムだって「水魔法で髪を乾かすとミイラになるから気をつけて」なんて言わなかったもの。

 表面がベタベタしなくなったら、燻してベーコンの完成だ。

 あとはスモーカーの説明書き通りに塩抜きした塩豚をセットして燻す。

 一時間くらい燻して、全然生だったから、農作業しつつ3〜4時間は燻した。

 スモークチップ、普通に木屑に見えたけど、なくなったら薪を細かくすればいいんだろうか。

 さすがになんの木でもいいわけじゃないだろうから、素性のはっきりした薪を選ばないとだな。

 こっちでも燻製はありそうだけど、どんなふうにやってるんだろう。

 ベーコンを気にしながらの農作業は捗って、お昼は朝の残りと出来立てのベーコンになった。

 ……出来立てのベーコン、美味しい。

 煙臭いものの、じゅわっとしてる。

 塩抜きしすぎたかな、と思ったけど、ちょうど良かった。

 コレはビールが捗ってしまう……!

 午後は抜いたにんじんの葉を落とし、葉っぱを干す作業。明らかに硬すぎたり、黄色くなってる葉は朝さつまいもの葉で試したみたいに、乾燥させてからコンポストに入れる。

 コンポスト、定期的にかき混ぜるものらしいけど、触りたくない。

 変な匂いがしたらどうしよう。

 すでにカビ臭い気がするし。

 休憩がてら、畑が出来たらどうしようかと、物置にある種を見ていたら、玉ねぎの種もあった。収穫は春、と書いてあったから、玉ねぎは春まで放置決定。

 これ以上の農作業が嫌になったわけでは……ちょっとある。

 生まれてこの方、せいぜい袋詰め三本入りのにんじんしか見たことがなかったわたしに、この大量の収穫物をどうせよというのか。

 いっそ土に……いや、そう言えば、収穫物を土の中に保管する、って話を聞いたことがあるな。

 地下室は気温が保たれやすいっていうし、放っておいても腐らせるだけなら、やってみる……?

 夜はスープの残りと、ベーコンとさつまいもの葉を炒めたの、にんじんの葉の素揚げにした。

 美味しくてビールが進む。

 にんじんの葉は衣をつけて天ぷらでも美味しい。さつまいもの葉っぱも天ぷらにしたら美味しそう。

 粉も卵もないけど、お好み焼き粉かたこ焼き粉で大丈夫かな。油が勿体無いから、明日は天ぷらにしようっと。油が少なめだから、揚げ焼きみたいにはなっちゃうけど食べるのはわたしだし、大丈夫。

 ダイエット……?

 知らない子ですね!

 

いつも読んでいただきありがとうございます。

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