チャーシューとベーコンとゴミ
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……ハイ、ファンタジー?
味はめんつゆ任せだったけど、今朝の角煮は会心の出来だった。
残ったお肉の塊が5つ。
大体800gくらいかな、と思ってたんだけど、量りを出してみたら一つ1.2kgあった。筋に沿って切ったから結構バラツキがあるうちの小さめのでコレだ。角煮にした塊も同じくらいはあった。
やっぱり豚自体大きくない?
わたしも結構食べたとはいえ、一回の食事で1.2kgの肉の塊が消えるってすごい。
ご飯も確実に2合はブレッドが食べてた。
角煮ってご飯が進むから3合炊いたけど、足りないんじゃないかと思ったくらいだ。
わたしが持っている炊飯鍋は3合炊きだけど、まとめ炊きする時もわざわざ計量カップ半分とか測るのが面倒で、大抵2合ずつだった。本当に3合炊いたのは初めてかもしれない。
角煮は一気に消えてしまったものの、さすがに残り6kgの豚肉を悪くなる前に消費するのは難しそうだ。
毎回毎回ブレッドに来てもらうってわけにもいかないし。
食事の時に話したんだけど、ブレッドは今後も月に一回こちらに訪問して、領主様に報告に行くルーティーンは変わらないそうだ。
それとは別に月に一回休みがあるから、大きい買い物があればその時に手伝う、と約束してくれたし、慣れるまで何度でもフィーダまでの送り迎えをしてくれる、と言っていた。
でもさー、そこまで年下の男の子に頼りっきりっていうのもどうなの? と、アラサーのお姉ちゃんは思うわけですよ。
ご飯を食べさせるのはやぶさかじゃないし、餌付け成功しちゃったかな、という気はしなくもない。でも、わたしがこの世界に来たのに、ブレッドには責任なんかない。
友人がしたことでもあるし、自分の仕事だから、とは言うけど、わたしの面倒まで見る筋合いはないんじゃないかな。
そんなわけで、毎朝訓練後に迎えに来て町まで送っていく、という案は丁重にお断りさせていただいた。
いつまでたってもそれじゃ道も覚えられないし、善意で協力してくれてる人を労働力に組み込んじゃうのもおかしな話だからね。
何はともあれ、残りの豚肉、および大根には早急に保存食になっていただくこととしよう。
一塊はタコ糸で縛って茹でて、チャーシューに。
チャーシューのたれは角煮の煮汁を濾して、半分位に濃縮したものを流用した。
ここにきて水魔法が超便利。
煮詰めたりしなくても濃縮できるから、焦がしたりせずに煮立てて味を調えるだけでよかった。
今回の下茹では、朝炊いたお米の研ぎ汁を使った。もう向こうで買った長ネギもなくて、臭み取りに入れたのはニンニクと、裏庭に元気いっぱい生えていた長ネギだ。折ってみたらちゃんとネギの匂いがしたから、試しに使ってみた。買ったものより固い気がするけど、臭み取りなら問題ない。
じゃがいもと玉ねぎは日持ちがするからと箱で買ってたし、ニンニクもネットにたっぷり入ってるのを買ってたから良かった。じゃがいもを栽培するとしたら、買ってきた芋と育ってた芋のどっちを種芋にするのがいいんだろう。玉ねぎとニンニクも埋めたら増えるかしら。
流石に生ものを入れた保存バッグを再利用はできないから、茹でた豚肉を洗ってから軽くタレで煮て、新しい保存バッグにタレごと入れて馴染ませる。
空いた保存バッグは一応水魔法で洗って乾かして、別に取っておくことにした。
残りの豚肉は、2つは塩をまぶして、キッチンペーパーとラップでしっかりと包んで、洗って乾かした保存袋に戻す。
確か、塩豚って5日くらいは日持ちしたはず。
本当なら脱水シートを使いたいところなんだけど、そんなものはない。
作業中にちらっとペットシーツやおむつが頭をよぎったものの、さすがにそこまで割り切るのは無理。清潔な高分子吸収ポリマーではあるんだろうけど、衛生的には問題なくても、気分的に食べ物には使いたくない。あれはこのまま死蔵かな。
残りのふたつは、沸かして冷ました塩水と、塩と砂糖を入れた水に漬けてみた。ソミュール液っていうやつだ。本来ならもっと色々入るところなんだけど、ちゃんとレシピを覚えているわけでもないし、ダッチオーブン付属のレシピ集には手軽に楽しめる燻製のレシピはあっても、本格的なベーコンのレシピは乗ってなかった。
確か本格的な梅干しが塩分15%で、塩分控えめだと5%くらい? だったはずだから、そのぐらいの塩分量なら腐りにくいのかな、と思って塩水は15%に、砂糖と塩の方はそれぞれ8%くらいに調節した。
今回は失敗しても、まぁ、仕方がない。
冷凍庫があればもっと日持ちもさせられるんだろうけど、ないものはないもんね。
それから食べきれなさそうな大根は、葉っぱを根元のところで落として干しちゃうことにした。
日本昔話みたいに縄でくくって……って出来たらよかったんだけど、縄っぽいものは救助用ロープしかなかったから、梱包用のビニール紐でくくって、洗濯用のスタンドに干す。
切り落とした葉っぱも一緒に干してしまう。ついでに剥いた大根の皮も細切りにして干す。
そこまでの作業を済ませたら、お昼を過ぎていた。
朝がっつり食べたから、軽くうどんを茹でて食べた。
いい加減気になっているのもあり、裏の畑も整理することにした。
学校の校庭並みに白茶けて硬そうな土に、好き勝手に元野菜が自生しているような状況の畑だ。
それでも元野菜たちはかつての面影をちゃんとのこしてるから、完全に野生化しているともいい難い。
多分小松菜の隣には多分ほうれん草とか、多分レタスとかが植ってたりするんだけど、交雑しないのかな。
ちゃんと移植して種を取ったりしつつ整えて行くべきかとも思ったけど、残念ながらわたしにそんな知識はない。
野生化してても連作障害とかあるんだろうか。
連作障害はアレだ。
小麦の後にクローバー植えたりするやつでしょ。
知ってる知ってる。
義務教育で耕地を4つに分けて、休耕地を作って、みたいなのやった。
正確には覚えてないから、生かしようがないけどさ。
あれ、4つじゃなくて3つだっけ……?
あとコンパニオンプランツとかそういうのがあるんだよね。名前だけは知ってる。水田の横に彼岸花を植えるのに意味があるって知って、感心したことがあるもの。
じゃがいもと大根を一通り抜いたら腰にきた。
とにかく土が硬いんだ。
まだ残っているにんじんと玉ねぎとさつまいもは明日以降にしよう。
この後、葉物野菜も収穫したり、土を掘り起こしたりしないといけないのかと考えたらもう嫌になってきた。畑、作らなくてもよくない……?
じゃがいもは土をつけたまま、麻袋に詰めて物置へ。大根は半分は葉っぱを落として同じように物置に。半分は昨日買った大根と同じく洗ってから吊るして干す。
場所がなくて干しきれない大根の葉は塩漬けにする。黄色くなった葉はコンポスト行きだ。
裏庭の片隅には背の低い囲みがあり、ゴミ箱かと思ったらコンポストだったらしい。ここに案内してくれた不動産屋さんによると、土を掘って生ゴミを埋めたら、たまに落ち葉とか土とか糠をかけたらいいそうだ。
よくわからないけどバクテリアが分解してくれてエコだって嫁が言っていたと言っていた。
少しずつ場所をずらして埋めるのが面倒だとか、なんか流派があるみたいな話でよくわからなかった。とにかく油と塩分がいかん、みたいな話だったから、そういう生ゴミは深めに穴を掘って埋めようと思う。
とりあえず今日までに出た生ごみは全部コンポストに突っ込んでたんだけど、虫とか湧いても嫌だし、においが発生するのも嫌だ。
今後はもっと細かく分別して、水分は水魔法で乾かしちゃおう。
下茹でに使った茹で汁も乾かしたら微妙にカサカサしたものが残った。
臭み取りの長ネギとニンニクなんか、フリーズドライの野菜みたいでちょっともったいないまである。それから、紙ごみなんかは乾かしてから燃やして灰をコンポストに入れる。
プラゴミとかアルミのゴミはなるべく小さくまとめて、元あったコンポストの隣に置いた密閉型コンポストに入れる。密閉型はわたしが購入したもので、まだ使っていなかったし、基材も入れていない。
プラごみを綺麗に洗うほど水も洗剤も使いたくないが、放置して虫が湧いても困るので、苦肉の策である。
そういえば、元々前庭にあった側溝に洗い物の水を捨てたり、プレハブにある簡易キッチンのシンクに水を流したりしてるけど、排水はどうなってんの? と思って周辺を調べてみたら、近くの崖から世界観に似合わない塩ビパイプがニョッキリ生えていた。
近くに民家とかがないからいいようなものの、その辺りの植生がどうなるのか今から怖い。
【要注意】
作中のリサはうろ覚えの知識で調理を行なっています。
保存食の作成は特に衛生管理が必要なため、レシピは適切なものをお調べください。
挑戦する場合は自己責任で!
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どうぞよろしくお願いします。
ストックが尽きました。
今後は自転車操業になります。




