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Project Alpheos(プロジェクト・アルフィオス) ~あなたのリクエストで星の未来を取り戻せ~  作者: だしのもと
Project Alpheos 体験ミニストーリー(星レベル10~

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【年末セールの魔力】

※挿絵はAIイラストを使用しています

「見て見てーっ! お兄ちゃん! 年末セールってすごかったよーっ!!」


挿絵(By みてみん)


 両手には色とりどりの紙袋。

 赤、青、ピンク、金。

 少なくとも5つ以上の袋を抱えている。

 コートの袖がめくれてるのも気にせず、風にスカートを揺らしてキララが満面の笑顔で駆けてきた。

 息を切らしながらも、その表情は達成感に満ち溢れている。


「まさかそれ、全部買ったのか‥‥‥」


 待ち合わせ場所で本を読んでいたピカルは、呆れ顔で妹を見上げた。

 出発前は「ちょっと見てくるだけ」と言っていたはずだ。

 それが2時間後――両手いっぱいの戦利品を抱えて帰ってきた。


「あのね、お店を見渡す限りsaleの文字がいっぱいでね! どれを買っていいのか迷っちゃって! これでも買うの我慢した方なんだよ!」


 キララは誇らしげに袋を並べた。


「それにしても買い過ぎじゃ‥‥‥」


 ピカルは袋の中身をちらりと覗き込む。

 服、アクセサリー、雑貨、お菓子――ジャンルもバラバラだ。


「だって! 『70%OFF』とか『今だけ限定』とか書いてあったら、買わないと損な気がしちゃうんだもん!」


「‥‥‥それが、セールの戦略なんだけどな」


 ピカルは小さくため息をついた。

 すっかりキララは『今だけ』という特別感に煽られて買いこんでしまったらしい。


(これが消費者の購買意欲を促進してるのか。いいサンプリングになったな)


 とピカルは妙に納得してしまった。


 地球の商業戦略――特に「期間限定」「数量限定」「特別価格」といった言葉が、いかに人々の心理に作用するか。

 キララは見事に、その典型例となっている。


「ねえ、お兄ちゃんも何か買った?」


「いや、俺は見てただけだ」


「え〜、もったいない! こんなにお得なのに!」


「‥‥‥キララの買い物を見てたら、それで充分だった」


 ピカルは苦笑した。

 キララは袋を一つ取り出して、ピカルに差し出した。


「そんなことだろうと思って! はい、お兄ちゃんにもお土産! マフラー! 寒いでしょ?」


「‥‥‥ああ、ありがとう」


 ピカルは受け取ったマフラーを見つめた。

 深い青色の、シンプルで温かそうなマフラー。


「‥‥‥これ、セールじゃなかったんじゃないか?」


「えへへ〜、バレた? これだけは定価で買ったの。お兄ちゃんに似合いそうだったから!」


 キララはにっこりと笑った。


「地球の()は、袋に詰まってるんだね!」


 そう向けた笑顔が、いちばんの福かもしれない。

 ピカルは小さく笑い、マフラーを首に巻いた。


「触り心地がいいな」


「でしょ! じゃあ、帰ろっか!」


「ああ。‥‥‥その前に、荷物持つぞ」


「やった! お兄ちゃん優しい!」


 キララは嬉しそうに袋を半分、ピカルに渡した。


_____________________


帰り道。


「ねえ、お兄ちゃん。今日買ったもの、全部記録書に書く?」


「いや、さすがに全部は書かない」


「え〜、『地球の消費文化の研究』とか言って!」


「‥‥‥それは、キララの買い物リストを記録するだけだろ」


「あはは、そうかも!」


兄妹の笑い声が、冬の街に響いた。

年末セールの袋を抱えて、ふたりはまた一つ、地球の文化を学んだ。


そして、何よりも大切な『福』は――共に笑い合える、この時間そのものだった。

投票リクエスト:キララで年末セール

このお話を踏まえ「地球編・4」を読んでいただくとより深く楽しめると思います。


お読みくださりありがとうございます!

ブックマーク、評価、コメントを頂けると大変嬉しいです!!


リクエスト企画の方は不定期で参加者様を募集してます。

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