【クリスマス対策会議】
※挿絵はAIイラストを使用しています
雑誌をめくっていたピカルは、ある一文に目を止めた。
『クリスマスは“好きな人”と過ごすイベント』
(好きな人? キララも地球生活に慣れてきたし、もしかして‥‥‥他の誰かと?)
気づけば、イルミネーションの中で キララの隣に“知らない人物”が立つ光景を想像していた。
(!?な‥‥‥誰だあれは‥‥‥キララの隣に!?)
顔が熱くなり、頭の中は大混乱。
リビングで唸っていた兄を見てキララは首を傾げた。
「お兄ちゃん?どうしたの?なんかすごい顔してるけど?」
「‥‥‥き、気のせいだ。問題ない。ちょっと情報過多で処理が追いつかなかっただけだ」
ハッと我に返り必死に冷静を装うピカル。
でも耳まで真っ赤。
(‥‥‥クリスマスという文化は心臓に悪い‥‥‥)
兄の静かな『ぐぬぬ』はまだ続いていた。
_____________
翌朝、ピカルは早起きしてキッチンに立っていた。
昨夜の動揺は一晩寝て落ち着いたものの、胸の奥にくすぶる不安は消えていない。
「おはよー、お兄ちゃん!」
元気よく現れたキララに、ピカルは振り返る。
「おはよう。朝食の準備はできてるぞ」
「ありがとう!あれ?」
キララは首を傾げた。
「お兄ちゃん、また変な顔してない?昨日から調子悪いの?」
「いや、そうではないけど‥‥‥」
ピカルは慎重に言葉を選んだ。
「キララ、地球での生活はもう慣れたか?」
「うん!すっかり慣れちゃった。街の人たちとも仲良くなったし、楽しいよ」
(やはり‥‥‥交友関係が広がっているのは事実だな)
「そうか。それで‥‥‥その、新しい友人は?」
「友達?うーん、商店街のおばちゃんとか、図書館の司書さんとか、あ!この前公園で会った大学生のお姉さんも優しかったな〜」
ピカルは内心安堵する。
みな年上の女性ばかりではないか。
「男性の友人は?」
「男の人?」
キララは考え込む。
「そういえば、コンビニの店員さんは男の人だけど‥‥‥あ、でも年齢は五十歳くらいだと思う」
(問題ない範囲だな)
「そうか。それで、もうすぐクリスマスだけど‥‥‥」
「クリスマス!」
キララの目が輝く。
「楽しみ〜!お兄ちゃんも一緒にお祝いしよう!」
「え?」
「だって、お祝いする相手はお兄ちゃんしかいないもん。それとも‥‥‥」
キララは少し寂しそうに呟く。
「お兄ちゃん、私以外の人とクリスマス過ごしたい?」
その表情を見て、ピカルの心は決まった。
「いや、そんなことはない」
彼は優しく微笑む。
「本当?やった!」
キララは嬉しそうに手を叩く。
「じゃあ今日、一緒に準備しに行こうよ!ケーキの材料も買いたいし。それと‥‥‥」
キララは少しいたずらっぽく笑う。
「コーギーちゃんも誘おうか?三人の方が楽しそう」
ピカルは思わず笑みを浮かべた。
自分の杞憂がばかばかしく思える。
「それはいいな。きっとコーギーちゃんも喜ぶ」
「決まり!最高のクリスマスにしようね!」
昨夜の不安は完全に霧散していた。
地球の文化は複雑だが、大切な人と過ごす時間の価値は、宇宙のどこでも変わらない。
参加者リクエスト:「ピカルが妄想してぐぬぬとなるシーン」
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