【キララ、サンタさんにお願い中】
※挿絵はAIイラストを使用しています
キララはクリスマスの飾りに囲まれて、真剣な顔でサンタさんへのお手紙を書いていた。
色とりどりの電飾が瞬くリビングのテーブル。
その上には便箋、ペン、そしてキララが熱心に描いた小さなイラストが散らばっている。
真剣に一文字一文字を丁寧に綴る姿は、まるで大切な契約書でも書いているかのようだ。
「ん〜‥‥‥これと、これと‥‥‥あと‥‥‥!」
キララは指折り数えながら、お願い事を列挙していく。
その真剣さに、普段の天真爛漫な彼女からは想像もつかない集中力が垣間見えた。
その横でピカルは、頬に手を当てながらそっとキララを観察する。
(‥‥‥いったい何をお願いしているんだ?そもそもサンタという存在に、そんなに大量のお願いをするものなんだろうか?)
兄として、少し気になる。
いや、かなり気になる。
だが、直接聞くのも野暮な気がして、ピカルはただ黙って見守るしかなかった。
キララはぱっと顔を上げて笑った。
「できた!これでサンタさん、来てくれるかなぁ?」
満面の笑みで便箋を振るキララ。
その目はキラキラと輝いていて、まるで本当にサンタクロースが今夜にでもやってくると信じているかのようだ。
「良い子にしていれば、という前提らしいけど‥‥‥そもそも対象年齢があるんじゃ‥‥‥?」
ピカルは思わず冷静なツッコミを入れてしまう。
15歳という年齢を考えれば、サンタクロースを信じるのはさすがに‥‥‥と思ったのだが。
「え〜、そんなのないよ!サンタさんは良い子のところには来てくれるんだから!」
キララは頬を膨らませて反論した。
そう言いながらも、ピカルの視線はキララの書いたお願いリストに釘付けになっていた。
便箋の端から、ちらりと見える文字。
『お兄ちゃんとみんなが笑顔でいっぱいになりますように』
(‥‥‥な、なんだそれは‥‥‥)
ピカルは思わず固まった。
自分へのプレゼントではなく、兄や周りの人々の幸せを願う言葉。
それが、キララの一番のお願いだった。
「‥‥‥自分のことは、お願いしないのか?」
「え?だって、私はもう充分幸せだもん。お兄ちゃんと地球に来れて、美味しいもの食べて、楽しいこといっぱいあったし!」
キララはにっこりと笑って答えた。
「だからね、今度はみんなが笑顔になってほしいなって。アルフィオスのみんなも、ノヴァ様も、コーギーちゃんも‥‥‥それから、お兄ちゃんもね!」
その無邪気な笑顔に、ピカルは何も言えなくなった。
思わず耳まで赤くなるピカルをよそに、キララはわくわくとツリーの下に手紙を置いた。
きらびやかに飾られたクリスマスツリーの根元。
そこに、小さな便箋が静かに置かれる。
「お兄ちゃん、サンタさんってさ、本当に来るのかな?」
「‥‥‥さあな。でも、キララみたいに純粋な心を持った人には、きっと何か良いことがあるんじゃないか」
ピカルはそっぽを向きながら、ぶっきらぼうに答えた。
だが、その口元には小さな笑みが浮かんでいる。
「やったぁ!じゃあ、楽しみに待ってよっと!」
キララはツリーの前で手を合わせ、目を閉じて何かを祈っている。
その姿を見ながら、ピカルは静かに思った。
(‥‥‥キララの願いが叶うように、俺も‥‥‥頑張らないとな)
今年のクリスマスは、ふたりにとってちょっと特別になりそうだ。
地球で迎える初めてのクリスマス。
そこには、温かい光と、優しい願いと、兄妹の絆が静かに輝いていた。
窓の外では、静かに雪が降り始めていた。
参加者リクエスト:「キララがサンタさんにお願いごとをする」
お読みくださりありがとうございます!
ブックマーク、評価、コメントを頂けると大変嬉しいです!!
リクエスト企画の方は不定期で参加者様を募集してます。
Xで最新情報を投稿してますので、よかったらご覧ください。




