表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Project Alpheos(プロジェクト・アルフィオス) ~あなたのリクエストで星の未来を取り戻せ~  作者: だしのもと
Project Alpheos 体験ミニストーリー(星レベル10~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/71

【衣替え大作戦】

※挿絵はAIイラストを使用しています

「夏服こんなにいっぱい!てか、いつこれ買った?」


 秋の気配がやってきたある肌寒い朝。

 窓の外では木々の葉が色づき始め、空気もひんやりとしている。

 そろそろ夏服を片付けて、秋冬物を出さなければならない季節だ。

 キララはぐちゃぐちゃに積まれた洋服の山を前に、見慣れない一着を掴んでいた。


「月と星と…レインボー?こんなの買ったっけ!?お兄ちゃんの?…いや、こんなの着ないよね」


挿絵(By みてみん)


 手に持っているのは、カラフルな月と星の模様が散りばめられた、虹色グラデーションのTシャツ。

 デザインは可愛いけれど、ピカルが着るには派手すぎる。

 というか、絶対に着ないタイプの服だ。

 キララは両手に服を掲げ、じーっと見比べる。

 よく見たらまだタグが付いていた。

 新品のまま、クローゼットの奥に眠っていたらしい。


「う〜ん、私が買ったのかなぁ?でも記憶にないんだけど……」


 首をかしげながら、キララはその服を自分の体に当ててみる。

 サイズは少し大きめで、袖が余ってしまう。


 そこに寝ぼけ眼のピカルが、扉のすき間から欠伸をしながら顔を出した。


「なに…朝から騒がしいけど…衣替え…?」


 まだ完全には目覚めていない様子で、髪もぼさぼさだ。

 どうやら、キララの騒ぐ声で起こされたらしい。


「うん!でも見てお兄ちゃん!この服すっごいかわいいんだけど、買った覚えなくて....」


 キララは例の虹色Tシャツを掲げて見せた。

 ピカルは目を細めて、しばらくその服を眺める。


「……俺は買ってないぞ。少なくともサイズが違うだろ」


「私じゃ結構ダボダボなんだけどなぁ....?お兄ちゃん着る?」


 冗談半分で服を差し出すキララ。

 だが――


「着ない」


 ピカルの即答。

 しかも、一切の迷いがない。


「え〜、ちょっとくらい着てみてもいいじゃん!似合うかもよ?」


「絶対に着ない」


「もう〜!」


 ピカルの即答にむぅ...と頬を膨らますキララだったが、今はこの服の山を片付けるのが優先だ。

 謎の虹色Tシャツは一旦保留として、他の服を仕分けていくことにした。

 こうして始まった、キララの『衣替え大作戦』。


「夏服は右、秋冬服は左」と、一応ルールを決めて作業を進めるものの、キララの性格上、すぐに脱線する。


「あ、このワンピース懐かしい!これ着て公園行ったよね!」

「このパーカー、もふもふで気持ちいい〜!」

「あれ、この靴下片方どこいった?」


 服を仕分けるたびに思い出話や発見があり、作業は一向に進まない。


 そして――その日の午後。


 キララのベッドの上は、春・夏・秋・冬のミックスコーデで彩られ、まるでファッションショーの舞台のようだった。

 夏のワンピース、春のカーディガン、秋のニット、冬のコート。

 季節感もへったくれもない、カオスな光景が広がっている。


「さてっ、次は……春服!これも合うかなー?」


 キララは鏡の前で服を当てながら、ウキウキとした声で呟いた。

 もはや衣替えではなく、完全に"試着大会"と化している。

 扉の向こうで、そっと聞こえるため息。


「いつまでやる気だ?この衣替え……」


 リビングで本を読んでいたピカルが、疲れたように呟く。

 既に3時間が経過していた。


「お兄ちゃ〜ん!ちょっと見て!この組み合わせどう?」


「……キララ、それ夏服と冬服を同時に着てるぞ」


「えっ、おかしい?」


「おかしいどころか、季節がめちゃくちゃだ」


 ピカルは額に手を当てた。

 ピカルの静かなぼやきとともに、キララの楽しい『衣替え大騒動』は、まだまだ続くのだった。


 夕方。


「やっと……終わった……」


 ぐったりと床に倒れ込むキララ。

 その周りには、ようやく仕分けられた服の山が綺麗に並んでいる。


「お疲れ様」


 ピカルが冷たいお茶を差し出した。


「ありがとう……でもね、お兄ちゃん」


 キララはお茶を飲み干してから、にっこりと笑った。


「あの虹色Tシャツ、やっぱりお兄ちゃんに着てほしいな!」


「……絶対に着ない」


「え〜!」


 こうして、兄妹の攻防は――まだ終わらないのであった。

参加者リクエスト:「キララの衣替え」


お読みくださりありがとうございます!

ブックマーク、評価、コメントを頂けると大変嬉しいです!!


リクエスト企画の方は不定期で参加者様を募集してます。

Xで最新情報を投稿してますので、よかったらご覧ください。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ