【世界一映える(?)ランタンづくり】
※挿絵はAIイラストを使用しています
「……よし、こいつで決まりっ!」
キララは腕をまくり、大きなかぼちゃの前にどっかりと座り込んだ。
目の前には、オレンジ色に輝く巨大なかぼちゃ。
その大きさは、キララが両腕で抱えてやっと持ち上げられるほどだ。
今日は地球の文化『ハロウィン』にちなんで、ジャックオーランタン作りに初挑戦である。
「どこよりも!いちばん!大きくてかわいいやつにするんだから!!」
拳を握りしめ、意気込むキララ。
その隣には、ナイフ、スプーン、そして参考用にプリントアウトしたデザイン画が並んでいる。
どれも映えるランタンを作るための、入念な準備だ。
(お兄ちゃんには『それは流石に欲張りすぎじゃないか』って言われたけど…)
確かに、ピカルは冷静に「大きさと可愛さは両立が難しい」と忠告してくれた。
だが、キララの辞書に妥協の文字はない。
キララはナイフを握り直し、カボチャに向かってキリッと眉を寄せた。
目指すは、世界一の映えるランタン。
SNSで見た可愛いデザインを参考に、自分だけのオリジナルを作り上げる。そして、完成したらお兄ちゃんに見せて驚かせるのだ。
「えへへ〜、お兄ちゃんのびっくりした顔が楽しみだなぁ!」
想像するだけで、ニヤニヤが止まらない。
でも――
「うーん、やっぱり大きすぎ……?これ、中どうやってくり抜くの??」
いざナイフを構えてみると、想像以上の硬さと重量に圧倒される。
表面を軽く叩いてみると、コンコンと硬い音が響いた。
「え、これって本当に切れるの……?」
一瞬、不安がよぎる。
だが、キララはすぐに首を振った。
「だ、大丈夫!地球のみんなやってるんだから、私だってできるもん!」
想像以上の硬さと重量に、早くも苦戦の気配。
それでも、目標にある『お兄ちゃんに驚かせる未来』を信じて、彼女は立ち上がる。
「よーし!まずはヘタから攻めるよっ!」
その瞳は星のように輝いていた。
キララはナイフを持ち、慎重にかぼちゃのヘタの上部の茎の部分に刃先を当てる。
動画で事前に見た通り、ここから円を描くように切り込んでいけば、蓋が開くはずだ。
「えいっ!」
力を込めて押し込むと――
ザクッ。
「おぉ!入った入った!」
手応えを感じ、キララは嬉しそうに笑った。
だが、その笑顔が曇るまで、そう時間はかからなかった。
「……あれ?これ、どこまで切ればいいんだっけ……?」
『円を描くように切る』と言われても、どのくらいの大きさで切ればいいのか分からない。
大きすぎると蓋が落ちてしまうし、小さすぎると中身を取り出せない。
「う〜ん……まぁ、とりあえず切ってみよう!」
見切り発車で作業を進めるキララ。
そして、数分後――
「……あれ、ヘタの位置って切るとこだったっけ?それとも残すとこだったっけ??」
ナイフを持ったまま、キララは固まった。
動画では確かに『上部を切る』と言っていたが、ヘタごと切るのか、ヘタを残して周りを切るのかすっかり忘れてしまったのだ。
「え、えっと……」
慌ててスマホを取り出そうとするが、手が汚れていてタッチパネルが反応しない。
「あ、あわわ……!」
こうして、キララの『世界一の映えるランタン制作』は、初っ端から波乱の予感を漂わせるのであった。
30分後――
「お兄ちゃ〜ん!助けて〜!!」
リビングから聞こえるキララの悲鳴に、ピカルは本を閉じてため息をついた。
「……やっぱりな」
駆けつけると、そこにはかぼちゃに半分埋もれたキララの姿があった。
「どうしてこうなった……?」
「え、えっとね……中をくり抜こうとしたら、スプーンが奥に入っちゃって……それで取ろうとしたら、手が……」
「……分かった。引っ張るから、動くなよ」
ピカルは呆れながらも、優しくキララの手を引っ張った。
ポンッ!と、キララの手がかぼちゃから抜ける。
「ありがとう、お兄ちゃん……」
しょんぼりするキララに、ピカルは小さく笑った。
「最初から手伝えって言えばよかっただろ。ほら、一緒にやるぞ」
「……うんっ!」
キララの顔がパッと明るくなる。
こうして、兄妹のジャックオーランタン作りがようやく本格的に始まるのであった。
リクエスト:キララがジャックオーランタン作りに挑戦
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