【おにぎりの中のやさしさ】
※挿絵はAIイラストを使用しています
「ピクニックといえば、やっぱりおにぎりだよねっ!」
キララが元気に掲げたのは…… なんとピカルの顔よりも大きい、 どこか丸くてふわふわした巨大なおにぎりだった。
「ちょ、ちょっと待て。 まさか、これ……キララが作ったのか?」
「ふふーん!あたりー♪ 朝から炊いて詰めて、ぎゅーってがんばったの! 中身もいろいろ入れたよっ!」
(いろいろって……どこに?)
ピカルは黙ってその「白米の塊」にかぶりついた。
が。
白米、白米、また白米。
食べても食べても、中身が、ない。
「……なあ、キララ。これって、具、どこに……?」
「あるよ!?ちゃんと“どこかに”入れたもん!」
ムッとするキララをなだめつつ、ピカルはひたすら白米と格闘し続ける。
「……おっかしいなぁ。7種位入れたはずなんだけど」
そう言って指折り数えているキララに、 (まったく……) と苦笑しながらもピカルはまたひと口。
「食べきるか自分の腹が限界になるかの勝負だな」
そして謎の勝負はこうして始まった。
“中身の見つからない巨大おにぎり事件”
ピカルが格闘すること数分。
ようやく、おにぎりの内部に何かが当たった。
「……これは……たくあん……?」
「やった!第一層突破だねっ!」
「まさか、層構造になってるとは……。これはもはやおにぎりというより.…」
「“夢詰めおにぎり”ですっ!」
誇らしげに胸を張るキララに、ピカルは言葉を失う。
(いや、名称に夢を詰めるのはいいが、せめて具を均等に……)
それでも
「……次は、梅干しか……ちゃんと具の種類考えてる」
ぽそっとこぼしたその一言に、キララはぱぁっと笑顔を咲かせた。
「でしょっ!?わたしね、最初に酸っぱいのが来るとテンション下がると思って……あえて中間にしたの!」
「……そんな理由が……」
ピカルはそっと視線を落とす。
料理が苦手な彼女にしては、なるべく手軽にできるものを選んだらしい。
仕上がりは不格好だが、妹なりに“誰かを想って作った”ことは、しっかりと伝わっていた。
「……じゃあ最後の層は、甘い系か?」
「うふふ、最後はね……ひ・み・つ♡」
ピカルが無言でラスト一口に挑むと、そこには――ほんのり甘い、ふわっとした桜でんぶ。
(……ちゃんと、最後の締めまで考えてあるのか)
「……まいったな。完食だ」
「おめでとうございます!ピカルさん!おにぎりチャレンジクリアですっ!」
大喜びで拍手をする妹を横目に、ピカルはお茶をひと口含みながら、そっと言った。
「……さすがに次からは、もう少しだけ小さめでもいい」
「えー!?特大じゃないと夢つまんないよ~!」
笑い声が青空に響く中、ピカルの記録端末には「地球の“おにぎり文化”」がしっかりと登録されていた。
リクエスト:ピカルが巨大おにぎりを頬張る
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