【お兄ちゃんごっこ、始めました!】
※挿絵はAIイラストを使用しています
「ふふんっ!今日から私がお兄ちゃんだからね!」
だぼだぼのシャツに、ずれそうな眼鏡。
手にはそれっぽく見える分厚い本。
鏡の前でくるくる回りながら、キララは『ピカル風ポーズ』をばっちり決めてみせた。
「地球ではこういうの『おにいちゃんごっこ』って言うんでしょ?なかなか似てるんじゃない~?」
袖が長すぎて手がすっぽり隠れているけれど、それすらも本物感を出す大事なポイントらしい。
「『わかったぞ!このエネルギー源について!』......なーんちゃって!」
と、得意げに叫んだそのとき――
「……何をしているんだ?」
低い声が、背後から落ちてきた。
「っ!?え、えっと~~~~観察学習……かなっ?」
ゆっくりと振り返ると、腕を組んだピカルがじと目で立っていた。
対するキララは、バレバレの言い訳を口にしながら、ぎこちなく笑う。
静かな部屋に、小さな笑い声がひとつ響いた。
「観察学習、ね……」
ピカルは軽く顎に手を当て『ふむ』と頷く。
「よろしい。そのまま続けてみるといい」
「えっ、ほんと!?やったーっ!」
思いがけない許可に、キララはぴょんと飛び跳ねて喜ぶ。
そのまま勢いよく『ピカルモード』に再突入。
「……この現象の根源は、エネルギー的に考えて――」
「……エネルギー的ってなんだ?そんな事言わない」
「ぐっ……!ま、間違えた!もう一回!」
袖を押さえながら、本より正確にはピカルの日記帳を開くキララ。
真剣な顔で読み上げた次のセリフは、予想外だった。
「ふふふ……我が星を救う鍵は、このパンケーキにある……!」
「なんでパンケーキ???それは今朝のメニューだ。しかも、キララがさっき食べた」
「ぬわあああ~~っ!お兄ちゃんって、なんでそんなに冷静なの~!」
ばたばたと騒ぐキララを見て、ピカルは小さく目を細める。
「でもまあ、雰囲気だけは悪くなかった......かも?」
「えっ、本当!?ちょっと似てた!?」
「多分な……」
「へへっ、それならお兄ちゃんのマネ合格ってことで!」
キララが照れくさそうに笑うと、照れくもむず痒い気持ちになりながらもピカルもわずかに口元を緩めた。
(キララからみると、そんな感じなのか......)
地球の一室で繰り広げられる、『お兄ちゃんごっこ』。
それはまだまだ、終わりそうにない。
参加者リクエスト:お兄ちゃんの服装でごっこ遊びするキララ
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