【夏の夜、輝く音が重なる】
※挿絵はAIイラストを使用しています
「いっくよーっ!! 地球の夏、ぶち上げちゃおー!!」
キララの声が夜空に弾けた。
ライトを反射した衣装が、星屑みたいにきらめく。
その隣では、ピカルが静かにギターを構え、弦を爪弾く。
風の音と、観客の歓声と、音楽の波。
すべてが混ざり合って、ひとつの輝きを生み出していく。
「お兄ちゃん、笑って!ほら、手も振って~!」
「こういうのは、笑うより弾く方が性に合ってるんだけどな」
「ハハッ!!でもめっちゃ楽しそうな顔してるよ!」
星柄の衣装、灼けた空、響く音楽。
全部がひとつになって、
忘れられない夏が始まった。
そして、その夏はまだ終わらない。
「お兄ちゃん!次の曲、あれにしよ!」
曲間のMC中、キララがぴょんと跳ねてピカルに顔を近づける。
その目は、子どものようにきらきら輝いていた。
「“星をつかまえて”だよ!今日の空、ばっちり星見えるし!」
「え、それは最後にやるって打ち合わせだったろ」
「でも今が“その時”なの!感じるの!空気がそう言ってるの!」
ピカルは観客席のざわめきに耳を傾け、そっと夜空を仰ぐ。
そこには、花火の名残と、ひときわ明るい一番星。
風に揺れる無数のペンライトの海が、まるで星々の群れのようにきらめいていた。
「たしかに。今日は空気が味方してくれてる気がするな」
ポロン、とギターが鳴る。
それは打ち合わせと違う前奏。
「じゃあ、次の曲は予定変更だよーっ!」
キララはすぐに笑ってマイクを構えた。
「夜空に届け!この音と願い! “星をつかまえて”いくよーっ!!」
ライトが一斉に走り、歓声が空を震わせる。
ピカルのギターが跳ね、キララの歌声が夜を貫くように響いた。
ふたりの音が重なって、星をひとつずつ手繰り寄せていくみたいに。
演奏が終わったあと。
ふたりはステージ裏、風が通り抜ける坂の上にいた。
「……はー、がんばったー!!」
「疲れたなら少し休め。ほら水。飲んで」
「ありがとう!ん〜……でも心はまだホットでフルパワー!」
キララは空を見上げて手を伸ばし、ぽつりと呟く。
「ねぇお兄ちゃん。さっき歌ってるときね。アルフィオスまで見えた気がしたんだ」
ピカルは静かに微笑む。
「錯覚でも、それは悪くないな」
「うん、きっと届いてた。故郷のみーんなにも!」
風が通り、星が瞬く。
音楽の余韻が、夜の空気に溶けていく。
その夏の記録は、確かにここに刻まれた。
参加者リクエスト:「ピカルとキララで夏フェス体験」
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