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Project Alpheos(プロジェクト・アルフィオス) ~あなたのリクエストで星の未来を取り戻せ~  作者: だしのもと
Project Alpheos 体験ミニストーリー(星レベル1~9まで)

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【地球の猫という生き物は油断ならない】

※挿絵はAIイラストを使用しています

地球での体験学習、今回の舞台は『猫カフェ』。


本来は「情報収集」のつもりで訪れたピカルだったが……。


「わっ……ちょっと、近い……!というか、乗りすぎ!」


挿絵(By みてみん)


膝の上に二匹、肩に一匹、腕に一匹、そして読んでいた本の上にもドドンと鎮座。

視界の端がふわふわの毛で埋まり、身動きひとつまともに取れない。

眼鏡を押し上げようとした手に、するりと小さな体重がのしかかる。


「ち、ちょっと!メモはいじらないでくれ!」


持ってきた調査用メモまで前足で押さえ込まれ、猫じゃらし代わりにされてしまった。

結果、この日の《静かな調査記録》は、ふわふわの生き物たちにより完全に中断される。


後に彼のメモには、こう残されていた。


『猫は……思考の隙間に入り込む、不思議な力を持つ生き物である』

_________________________


猫カフェを出た帰り道。

ピカルはメモ帳を見つめ、少し疲れたようにため息をついた。


「やれやれ、思ったより長居してしまったな」


ページの端には、猫に噛まれた小さな跡。

その不格好な形を見て、彼は不意に小さく笑みを漏らす。


ちょうどそのとき、ポケットの通信端末が鳴った。

画面越しに弾んだ声が響く。


『お兄ちゃんー!猫カフェどうだったどうだった!?』


どうやら帰りが遅いのを心配していたらしい。


「ああ。興味深い体験だった」


『興味深いって、楽しかったってことだよね!?』


「まぁ……定義による」


『フフッ!にやけ声になってるよ、お兄ちゃん』


「……気のせいだよ」


苦々しく返しながらも、ピカルはポケットのメモ帳を軽く叩いた。

あの柔らかい毛並みと、膝に伝わった小さな体温。

まだ身体のどこかに残っている気がした。


「地球の生き物は、油断ならないな」


そう呟いたメモの最後には、後で書き足された文字がある。


『観察対象に心を許すことは、悪いことではない』


雨上がりの街を歩きながら、ピカルは眼鏡を押し上げた。

その表情は、どこか優しく緩んでいた。

_________________________


帰宅後。

玄関を開けた瞬間、キララがぱっと顔を輝かせて飛び出してきた。


「おかえりお兄ちゃん!ね、ね、どうだった!?猫ちゃんいっぱいだったでしょ!?」


矢継ぎ早の質問に、ピカルは靴を脱ぎながら軽く肩をすくめる。


()()()()という表現では足りないな。集中攻撃だった」


「ぶはっ……!なにそれ!猫ちゃんにやられたの!?」


お腹を抱えて笑うキララに、ピカルは真顔でメモ帳を差し出した。

噛み跡の残るページを見て、彼女の目がさらに丸くなる。


「わ、ほんとに跡ついてる!かわいすぎる……!ねえねえ、その子連れて帰ってくればよかったのに!」


「それはダメだろう。それに、観察対象は観察対象だ」


「でもちょっと名残惜しかったでしょ?」


にやにやと覗き込む妹に、ピカルは小さく咳払いをして視線を逸らす。


「気のせいだ……」


「出たー!()()()()()絶対嬉しかったやつでしょ!」


キララは得意げに指をさし、勝ち誇った笑みを浮かべた。

そんな妹の様子を見ながら、ピカルはわずかに口元を緩める。


「まあ、悪くはなかった」


「じゃあ今度は一緒に行こ!私も猫まみれになりたーい!」


「それはまた計画が狂いそうだな」


苦笑しつつも、その声色にはどこか楽しげな響きが混じっていた。

窓の外では、雨上がりの夕空に柔らかな光が差し込み始めていた。

投票リクエスト:「ピカルに猫カフェ体験」


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