【雨の日のナゾ】
※挿絵はAIイラストを使用しています
しとしとと雨が降る午後。
キララは鮮やかな傘をくるくると回しながら、水たまりをぴょんぴょんと跳ねるように避けて歩いていた。
「……っとと! ふふん、濡れないのだ~!」
小さな勝利に胸を張ったその瞬間。
足元で、なにかが“ぬるり”と動いた。
「……ん? なにこれ……えっ!? う、うごいた!? なんで!?」
思わずしゃがみ込むと、そこにはにゅるんとした小さな生き物。
つぶらな目のようなものを伸ばしながら、地面をゆっくりと進んでいる。
「ちょっ、足ないのに動いた!? どゆこと!? 足ないじゃん! どこに力入れてるの!?!?」
当のかたつむりは、キララの大騒ぎなどどこ吹く風。
のんびりマイペースに前進していく。
その光景に、キララは目をまんまるにして呟いた。
「これ、ぜったい“地球ミステリー”だよ……!」
こうして彼女の“ふしぎ図鑑”に、またひとつ謎が追加されることになった。
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傘をくるりと回しながら、キララは熱心にかたつむりを観察する。
「ん~~~?え、ちょっと待って。角、出したり引っ込めたりしてる!すごっ!これ、センサーなの? 目なの!? え、どっち?!」
真剣そのものの顔でぐいっとのぞき込むキララ。
その様子をすぐそばで見ていたピカルは、ため息をつきながらも手元のメモ帳を取り出した。
「角は“眼柄”だな。先端に視細胞を持つ……いや、そんなに驚かなくても……」
「お兄ちゃん! じゃあ、これ“地球の望遠鏡”って呼んでいい!?」
「……いや、拡大はしないぞ」
「でも、にゅって伸びるんだよ!? 未来技術じゃん!」
興奮が止まらないキララに、ピカルは小さく咳払いをして傘を傾ける。
雨粒が妹の肩にかからないよう、そっと寄せてやりながら。
「観察はいいが、風邪を引くぞ。ほら、もう少し歩こう」
「むぅー……でも観測データが……!」
未練がましく振り返りながらも、しぶしぶ立ち上がるキララ。
その目は最後まで、かたつむりから離れなかった。
「また今度、続きを聞かせてね。地球のナゾ」
小声でそう囁くと、かたつむりは答えるように、にゅるんと角を伸ばした。
雨はやさしく二人を包み込み、静かな街路を銀色に染めていくのだった。
参加者リクエスト:「キララにカタツムリ観察」より
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