【寝ぐせとの闘い】
※挿絵はAIイラストを使用しています
「ふあぁ……お兄ちゃん? もう朝……?」
布団から顔を半分だけ出して、キララが眠たげに瞬きをする。
「ねむ……あと30秒、いや……1分だけ……寝ぐせ直したら行くから……」
そう言い残して即寝落ち。
……そして30分後。
「キララ……もう30分以上経ってる。」
扉の前で腕を組むピカルの声は、完全に呆れの色を帯びていた。
「たかが寝ぐせ直しに、どうして朝が終わりかけてるんだ?」
ドアが勢いよく開き、キララがドヤ顔で現れる。
「だって今日の寝ぐせ、いつもの比じゃなかったの!」
両手で必死に説明するジェスチャー。
「今日の寝ぐせ、いつもの比じゃなかったの!右が“ふわっ”、左が“ボンッ”! もう左右非対称で、アートだったんだよ!」
「……芸術作品か何かか?」
「この戦い、勝つまで終われないの!!」
拳を握るキララに、ピカルは額を押さえて深い息を吐いた。
(……寝ぐせに“勝ち負け”の概念があるとは思わなかった)
その朝、ピカルの中で“妹の身だしなみ優先度”の数値が、静かに天井を突き抜けた。
___________________
<ピカル視点>
朝の光が差し込む部屋で、俺は扉の前に立ち尽くしていた。
……もう30分。
「キララ……もう30分以上経ってる。」
低い声で呼ぶと、中から返ってきたのは、微妙に不穏な台詞だった。
『あとちょっとで……勝てるから……!』
……勝てる? 何に?
嫌な予感がする。
ノブを回すと、そこには
「ふぅ……ついに……決着ッ!」
髪をまとめたキララが、ドヤ顔で立っていた。
いや、待て。
決着って何だ。
「……キララ、聞くが。たかが寝ぐせ直しに、どうして朝が終わりかけてるんだ?」
すると彼女は、誇らしげに拳を握った。
「今日の寝ぐせ、いつもの比じゃなかったの!右が“ふわっ”、左が“ボンッ”! もう左右非対称で、アートだったんだよ!」
……アート??
「この戦い、勝つまで終われないの!!」
……寝ぐせとのバトルに勝ち負けの概念を持ち出す妹が、この世界にどれだけいる?
俺は静かにため息を吐いた。
「……分かった。ただ一つだけ確認させてくれ。」
「なぁに?」
「……キララ、その前に寝落ちしたのが時間のかかった原因じゃないのか?」
「それもそうだね!!!」
今日も地球の朝は、間違いなく長くなる。
参加者リクエスト:キララでメカクレ
※わかりやすいように内容を改変してあります。
お読みくださりありがとうございます!
ブックマーク、評価、コメントを頂けると大変嬉しいです!!
リクエスト企画の方は不定期で参加者様を募集してます。
Xで最新情報を投稿してますので、よかったらご覧ください。




