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[完結]引きこもりの少年は異世界で森に引きこもる、はずだった。~幼馴染の聖女の為になし崩し的に異世界を連れまわされた件~  作者: 安ころもっち
第四章・王国のダンジョン攻略

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78.ワイドラゴ王国のダンジョン 01


――― ワイドラゴ王国・王都ワイドラシティ


 約束の日、俺達は転移門を使って王国へと転移した。


 大量の魔石が投入されての転移は人数の関係上3度に分けて行われたが、確かに安易に使えないと思える量が必要なようだ。

 今回は森の深層で回収した魔石を無償で提供した。


 俺だけなら量も少なく済むだろうし、あれぐらいであれば普段使いできてしまえそうだな?とも考えてしまった。


「おお……」

 景色が変わる瞬間、何とも言えない浮遊感に声が漏れる。


 とは言えあまり代わり映えのしない同じような部屋であったが、目の前には国王マイケイルを含め出迎えの者達もいたので少し緊張し足がすくんでしまう。


「ようこそお出で下さいました。……残念、忍者ガールは来てないのですね?」

 そんな言葉で出迎えてくれたマイケイル。


「彼女は多忙らしいよ?」

 飯田がそんなことを言いながら金髪くるくるロールな美人侍女の案内に従いみんなで部屋の隅に移動する。


 全員が揃うと各自の部屋へと案内され、荷物を置いたら会議室にて予定を説明すると言われたが、俺は未波達5人と相部屋だと言われ部屋の前で固まってしまう。


「なんで俺が未波達と同じ部屋なんだよ!まずいだろ!色々と……」

「私はそのようにと陛下に指示を受けてございます」

 冷静にそう言う侍女さんに驚くが、このままで良いはずはない。


「いや、悪いけど別の部屋を用意してくれるように言ってくれないか?俺は荷物もないし、このまま外で待ってるからさ?」

「未波様を含めこの方々はすでに佐田様のお手付きだから、と伺っておりますが?」

「お手……そんなわけないだろ!」

 冷や汗をかきながらそう返すが、侍女は「そうですが」と言った後、他の者達を案内するため移動を開始してしまった。


 飯田は困惑した表情で、他の者達はニヤニヤしながらこちらを見ている。なんだって言うんだ……


「か、勝基君、私達は大丈夫だから。勝基君だって一緒で良いよね?」

「なっ……」

 さっきまで輪になって何かを離していた未波からそんなことを言われ思考が停止する。


「た、確かに俺は未波の弟のようなもんだけど……加藤さんとかはどうなんだ?嫌だろ俺が同室なんて」

「別にいいわよ?どうせ寝に帰ってくるだけの部屋でしょ?もちろん変な気起こしたら爆破するけどね?……あっ、未波には別に変なことしても良いけど?その時は私達空気になって見守るけど?」

 そんなことを言う加藤さん。


「爆破って、いやそれより俺は、変なことなんでするわけないだろ!というか別部屋にしてもらうから!」

 俺は呆れて腕を組みため息をつく。


「か、勝基君、変なこと、しないの?」

 未波が俺の袖を引いてそんなことを言う。


「え?なっ、し、しないよ?」

 ドキリとしながらそう返すが未波は真っ赤な顔で「ふ、ふーん」と言って俯いていた。


 揶揄われているのだろうが、赤ら顔でおねだりするようにこちらを見る未波の表情を見られただけで、俺は少し得したなと考えてしまった。


 その後、全員の案内を終えたであろうあの金髪ロールな侍女さんが戻ってきたので、再度別部屋をお願いしたが、「お伝えいたします」と一言、反応はいまいちであった。


 俺は時間になるまで部屋の外、廊下の壁にもたれかかるように胡坐をかいて座り込み、どうしたものかと思案する。

 そこへ池田さんがやってくる。

 頭の後ろに腕を組んで俺を見ないように近づいてくるが、少し挙動不審だ。


「さ、佐田、未波っちのとこにって言われたんだよな?」

「あ、ああ。まいっちゃうよな。でも別室頼んどいたから、夜には用意してくれるんじゃないか?」

「そ、そっかー。あのさ、良かったら、私達の部屋でも良いんだぞ?ほら、うちら4人じゃん?ベッドも余ってるし?……どう?」

 どうって言われても、それに4人も5人もかわらないだろ?


 俺はそんなことを考えた後、混乱し思考停止、池田さんを只々見ていた。

 池田さんの顔が徐々に赤くなりついには顔をそらされる。


 それにより少し冷静になれた俺は、背後に杉浦さん達3人が部屋から顔を出してこちらを見ているのが見える。3人ともやはりニヤニヤしてこちらを見てるのでどうやら女子達の中で俺を揶揄うのがはやっているのだろう。

 いかん風潮だ。心臓に悪い。そう思った。


「いや、杉浦さん達ともあまり関わりもなかったし、まずいだろ?」

「みずっち達もおっけーだって。だから大丈夫!」

「大丈夫って言ってもな?でも気持ちは嬉しいよ。ありがとう。じゃあ、別部屋が用意されてなければ、お、お邪魔するよ」

 負けてられないと思って軽口で返してみたが、想像以上に恥ずかしい。


「ふ、ひゃい!」

 池田さんはさらに真っ赤になってそう言いながら部屋へと逃げ去って行った。


 少しだけ反撃ができたと思ったが、予想以上にドキドキしてしまい勝った気にはならなかった。


 そして俺は、背後で未波が苛立った時の笑顔を俺に向けているので背中に汗が流れるのを感じた。


 そんな中、あの侍女さんが俺達を迎えにきたので、俺は「じゃあ行こうか!」とその場を濁す。未波はその表情のまま俺の後を追い、加藤さん達からは舌打ちが聞こえた。俺が何をしたというんだ……


 案内された会議室と呼ばれた部屋に全員が集まると、マイケイルともう1人、軍の統括だという男が部屋に入ってくる。

 挨拶もそこそこに今後の日程を説明される。


 朝食と夕食は城内でいつでも食べることができる。風呂は室内のものの他に大浴場を好きな時にと。ダンジョンまでは歩いて5分程で、好きなだけ潜って良いと言われた。

 目標階層は50階層を超えること。その後も魔物の湧き具合を見て可能な限り狩ってほしいとお願いされた。


 素材は高額で買い取るし、希望があればポーター、荷物運びの人員も手配するし、武具についても鍛冶師なども城に常駐させるとのこと。

 もちろん休みも各自自由に取って良いし、王都を案内する人員も手配するとのことで、至れり尽くせりな待遇のようだ。


 俺の部屋の事も伝えると、「聞いた通りの根性無しなんだね?男なら行かねばならない時もあると思うけど?」と言われたが、それを無視して部屋を用意してもらえることになった。

 何が根性無しだ!と心の中でマイケイルに悪態をつき、そのうっぷんは魔物で晴らすことに決めた俺は、用意された弁当を[格納庫]に入れると、ダンジョンまで行くことにした。


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