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[完結]引きこもりの少年は異世界で森に引きこもる、はずだった。~幼馴染の聖女の為になし崩し的に異世界を連れまわされた件~  作者: 安ころもっち
第三章・帝国を欲する者達

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58.フラン救出と新たな火種 03


――― 自治区西方の小国・ミクロコーラー王国


「戻って来てたのか?」

 見慣れた場所、ミクロコーラーの城内の一室に戻ってきた俺は、同僚のルーカウスにそう言われ頷いた。


「帝国に行ってたんだろ?成果はどうだった?」

「ああ、それなりにな」

 そう言ってソファに深く腰掛ける。


 あの自治区には10階層程のダンジョンがある。そこに下僕達を解き放ち能力を上げていた。だがあの女にかなりの数の下僕を失った。幸いなことに7将軍とか笑えるネーミングだがかなりの強者の下僕を手に入れることもできた。

 結果的には大きな成果だろう。


 このミクロコーラーにダンジョンは無い。

 少し休暇を取ったら西のワイドドラゴ王国のダンジョンにでも出向き、暫くそのダンジョンに下僕共を放ち更なる能力アップをと思っている。


 ついでに試練を受けてみようか?


 前回そこにも潜った際は20階層付近でウロウロしていたが、俺もあの時より能力が向上している。あの7将軍、いや7下僕を連れていけば30階層だって突破できるかもしれない。

 そう思った俺は、居ても立っても居られなくなり部屋を出た。

 もちろん国王陛下に隣国へ出向き滞在する許可を貰う為だ。


 きっと陛下も今回の成果をお喜びになるだろう。新たな戦力を強化することについても大歓迎のはずだ。全ては我がミクロコーラー王国がこの大陸を牛耳る為に……なのだから。



◆◇◆◇◆



――― ウイストザーク大森林


『やっぱりずるいのじゃ!』

 ルリが頬を膨らませ腰に手をあて怒っている。


 死にそうな表情の飯田の後ろで、石川が縮こまって震えている。


「でもな、フラン達を鍛えるならルリが一番なんだよ」

『昨日もコガネに乗っていたのじゃ!カツキはもう我に抱かれるのは嫌じゃと思うとるんじゃろ!』

 腕を組みそっぽを向いたルリ。


 その行動が人間味があって可愛いなと思った。


「ルリに抱きしめられると安心するから大好きだよ。だけどこれは、ルリ以外に頼めないんだよ。ルリが必要なんだ」

『う、うむ』

 俺の言葉に少し照れてしまったルリ。


 俺も咄嗟に出た自分の言葉に、恥ずかしくなり顔に熱を感じる。


『うむ、そこまで言うなら今回だけなのじゃっ!では早々に行くことにするのじゃ!皆の者、遅れるでないぞ!』

 渋々ながら納得してくれたルリの号令で、フラン達が森の最深部を目指し移動を開始した。


『カツキには私がついている!安心していってくるとよい!』

『煩いのじゃ!』

 上機嫌のコガネの見送りの言葉には不機嫌な言葉と共に糸攻撃がやってきて、それをコガネが雷撃で焦がし消滅させていた。朝から心臓に悪いのだが。


 事の発端はついさっき、俺が城壁作りのサポートにコガネを指名したことに始まった。



 昨日、フランを救出して戻った俺達は気晴らしも兼ね、旨い晩飯を堪能しながら大騒ぎして眠りについた。


 一夜明け、昨夜の火災で焼けこげたり消火作業で切断した木々も、不思議なパワーが働いたのか元通りになっていた。

 最初はすぐにでも帝都の城に乗り込む予定だった俺達も、その光景を見て防火対策が必要だと話し合い、城へ乗り込むのはその対策が終わった後でと話はまとまった。


 昨日1日おいた事で飯田達の帝国に対する怒りが若干引き、冷静になったというのもあったのだろう。

 とにかく、俺達が留守の間にまた王国あたりに火を放たれては大変だというのは変えようのない事実だ。

 一か所から全てに燃え移らないよう、中層付近に城壁をジグザグに配置しその周りの木々は間引きした後、そこに木々が生えないように土魔法で地面を岩に変えスペースを開ける予定だ。


 作業をするのは俺と土属性魔法が使える石川達にと早々に決定した。追加で木々を引っこ抜くパワーのある者として武闘家クラスの遠藤を始め剣士の松本、ほか数名を飯田が選出した。

 俺が一気に城壁を作る為、コガネに乗せてもらおうと思ったところでルリからクレームがきたのだ。


 ルリの言う通り昨日、フランが攫われたのを知った後、俺は消火作業と並行してコガネに乗り簡易的な壁を作って回っていた。なので今回はルリと一緒に、と思ったがそれに石川から待ったをかけたのだ。


 作業には数日かかるだろう。その間、手の空いた者達は別行動で能力アップをしてもらうことになっていた。石川から「なら狩りのサポートはルリさんが最適なのでは?」と言い出し、俺も確かにそうだと思いルリにそれを頼んだ。

 それを聞いたルリは石川を殺し屋のような目で睨み、石川は悲鳴を上げながら飯田の背後に隠れた。標的にされた飯田も「うぐっ」と苦しそうに声を漏らしたが[不屈の精神]で持ちこたえたようだ。


 とは言え飯田の精神力も持たなそうなので、俺はルリに抱きつくようにして宥めていた。


 今回攫われたフランや、その他の戦闘に向かにクラスの者達も能力アップは急務であり、多数の魔物を捕縛してサポートができるルリの能力は非常に有用だった。次々に捕縛し引き寄せては止めを任せるスタイルは非常に効率が良い。


 俺達はルリ達を見送った後、作業を開始した。


 まずは俺が乱雑に城壁を並べては移動するという作業を繰り返す。適当な位置に作成した城壁の周りを、俺を追いかけている土魔法を使える面々が石畳へと変えてゆく。木々が密集した部分では遠藤達が中心に木々を引っこ抜き、木の根が残った場所ではそれを殴りつけ粉砕していた。

 そこも土魔法で綺麗に整地、石化させていた。


 スキルなどにより地面を何かで塞ぐと木々が生えないのは、拠点ですでに実証済みだ。でなければ俺の作った建物の下から木々が生えていても不思議はない。ちなみに広場も城壁で作った石畳を敷き詰めている。


 その整地作業は延々と続き、夕方になってやっと王国側の一部、全体をみると4分の1程度の範囲で対策を済ませることができた。


 このペースだと後3日も同じことをやならくてはならないのか……

 そう考え強い疲労感を感じたが、今やらなきゃいずれ面倒なことになる可能性を考え、まだ協力してくれる者がいる間にできたことのはラッキーだったな。そう思うことにして、感じる苦痛を飲み込んだ。


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