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[完結]引きこもりの少年は異世界で森に引きこもる、はずだった。~幼馴染の聖女の為になし崩し的に異世界を連れまわされた件~  作者: 安ころもっち
第三章・帝国を欲する者達

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55.自治区最強の7(-2)将軍 02


 俺がのんびりと眺めている間に戦闘は終わった。


 途中、壁際の者達が放ったスキルを未波が張った[結界]が弾き、めげずに突進してきた兵士は床に設置された罠の爆発により吹き飛んでいた。それを見た者達は皆、諦めたの様子で座り込んでいた。


 その間、飯田達も難なく5人を叩き伏せたが、奴らは王国民の誇りだなんだと叫びながら何度も立ち上がり、全て帝国が悪いんだ!そんな国の姫を利用して何が悪い!お前達も立ちふさがるなら敵だ!などと叫び続け、血だらけになりながら飯田達に立ち向かっていた。


 最後には炸裂弾と言われる魔道具をいくつも取り出し反撃を行ったが、それらも飯田が剣で弾き射返したり、こちらに飛んできた流れ弾が未波の[結界]にも阻まれていた。

 最終的には絶望した顔で膝をついていた5将軍。


「そろそろ通してくれないかな?」

 飯田がそう言うと、5将軍は顔を見合わせ意を決したように立ち上がる。


「我が友、風の根源よ!我ら五人を守る盾となれ!我が魔力を糧とし我ら五人祖国を取り戻すが為の礎となろう!魔力も、魂も、すべてを持って行け!」

 風使いのじいさんが長い口上を始めると、5将軍の周りに竜巻のような風が渦巻いてゆく。


 飯田達は危険を感じ後方で飛び退いた。


「あ、ヤバイ感じ」

 加藤さんがポロリとそう言うのを聞いた時には、大神官の青年サダムが取り出した見覚えのある球体、だが大きさが森で魔法局の奴らが使っていた奴よりかなり大きい魔道具に、倒れてしまったじいさん以外の4人が魔力を注いでいた。


「未波!」

 俺は未波に声を掛けながら[鉄壁]を発動する。


「目の前の脅威に抗う力を、幾重にも強靭な[鉄壁]をここに!」

「強く!硬く!脅威を退ける何物にも負けない[結界]でみんなを守って!お願い!」

 俺と未波が叫ぶ。


「「「風よ!俺達を守れ!」」」

 5将軍の近くにいた飯田達もこちら側へと後退り、飯田と石川、清水が風魔法であっちのじいさんと同じように俺達の周りを強烈な風で守らせた。


 伊藤達魔法職の者が真似て風を起こしている。

 安西さんは角兎を次々に召喚し、中山さんは踊っているようだ。


 蘭堂や同じように防御魔法のない戦闘職の面々は俺達の前に立ち身構えている。

 各々ができること始めた最中(さなか)、それは爆音を立て俺の防壁と未波の結界を破壊し、風にぶつかり激しい金切り声を上げ、俺は前方から殴られたような衝撃を受け、吹き飛ばされた。


 思わず未波の名を叫んだが、爆音と共に放たれた光により何も見えなくなっていた。


 そして俺は、柔らかい何かに抱き留められそれと一緒に床を転がった。痛みを感じ呻くが、それでも体を起こそうとする。だが俺は強く抱きしめられているようで体を起こすことはできないかった。


「す、すまん。でももう大丈夫そうだぞ?」

 俺がそう声を掛けると、上にいた誰かが俺を抱く腕の力を少し緩め顔を上げた。


 金髪ギャルな池田さんだった。

 丁度池田さんを下から抱きしめるようになっていた俺は、両手を素早く離し池田さんが上から離れるのを待った。


 緊張しながらも待っているが、正直早く離れて欲しい。苦手ではあるが池田さんも女の子だ。柔らかかったし正直この体勢は色々とヤバイのだ。だが池田さんは、俺の顔を至近距離で見ながら、顔を真っ赤にして固まっている。


「い、池田さん、助かったよ。ありがとう」

「どう、いたしまして」

「あ、状況を、その、離れて、ください」

 俺がなんとか絞り出した言葉に、池田さんはハッとした様子で飛び退いた。


「うわーやばー」

 まだ顔の赤い池田さんが周りを見てそう漏らすのも無理はないだろう。


 上半身を起こした俺は、5将軍達が部屋の前方で横たわっており、部屋の壁の彼方此方にヒビが入っている光景が目に飛び込んできた。結界がかろうじて仕事をしたのだろう。

「みずっち?れみー?」

 池田さんはそう言って離れていった。


「み、未波は!」

 そう言いながら室内の様子を再度確認する。


 俺の少し後方で俺と同じように上半身だけ起こしこちらを見ている未波を発見し安堵する。だがその未波はかなり怒っているようだ。やはりこの状況に怒りを感じているらしい。

 起き上がり未波のそばに行く。


「未波、大丈夫か?」

「ええ。私は誰かさんと違ってイチャつく余裕はなかったけど大丈夫!」

「イチャ?いや、あれはたまたま……」

「それより!私はみんなを回復させてくるから!」

 未波はそう言ってまだ倒れているみんなの元へ行ってしまった。


「イチャついてたわけじゃないのに……」

 どうやら、戦闘中にもかかわらず不真面目な行動をとった不謹慎野郎、とでも思われてしまったようだ。


 また嫌われたかな?と思ったが素より嫌われているのだから関係ないな。それでも俺は、何かあれば真っ先に未波だけは守りたい。改めてそう思った。


 俺は一度深呼吸して気持ちを落ち着かせると、倒れている5将軍を確認する為、部屋の前方へと歩き出した。


 改めて確認すると壁際にいた兵士達は何人か倒れているようだが、無事だった奴らは我先にと部屋の外へ逃げ出しているようだ。


 途中で膝をついて息を荒くしている飯田や蘭堂に声をかけつつ5将軍の様子を[偵察]で確認する。

 風使いのじいさんはすでにこと切れているようだ。そもそもあの口上通りなら命まで差し出しての魔法だったのだろう。


 部屋の左側に飛ばされているあの兄弟のステータスに死亡の文字はなかく無事のようだ。

 右隅に飛ばされている細身の弓士ルードリヒはすでに死亡、大神官の青年サダムは無事だったようだ。


「倒れてるみんなは未波が何とかするだろう。俺達で終わらせよう」

 俺の言葉に周りをもう一度見まわした飯田が頷き、俺達は奥の扉へと向かった。


 俺は緊張で喉を鳴らした後、そのドアを開けた。


「ひっ!やっぱり無理だったか!あの役立たずどもが!」

 怯えた様子の長髪の男、藍川が拘束されているフランの蔭に隠れるようにしてそう叫んでいた。


 今すぐ殴りつけてやりたかったが、その前に飯田が前に出たので任せることにした。

 藍川はガタガタと震えながら飯田を見上げていた。


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